日本で食べるポルトガル料理 2020
2020年 06月 29日
ご無沙汰しています。コロナを言い訳に更新をサボっておりましたが、仙台で元気に過ごしています。老人世帯には持て余す庭の手入れや不用品・ゴミの始末、家の補修、日々の家事などで、ポルトガルを忘れる事もしばしばです。片付けてみると、もう車のない敷地は意外に広く感じられ、外でイワシの炭火焼もできるかもと思いたちスーパーに行きました。ところがポルトガルの粗塩と同じタイプの塩をあちこちで探すも、一番似たものがフランス製の塩で、お値段がかなり高級。こんなもんピンゴ・ドーセで1kg1€もしないのになあ…
そこに、ポルトガル語の先生で友達の日系ブラジル人ヴァレリアから、ポルトガル料理を作ろうとお誘いが来た。旦那さんの伝手でイワシが手に入り、ワインも用意してあるそうだ。じゃあ私も何か作って持っていくね、と久々のポルトガル料理の夕べとなった。
最初私たちはイワシをエスカベーシェ(南蛮漬け)に調理しようと考えて、材料をヴァレリアにメールで送り用意してもらったが、旦那さんが持ち帰ったイワシが新鮮なので、シンプルに塩焼きにすることにした。ヴァレリア先生は、私があまりの高さに買うのをやめたフランスの粗塩を持っていたので、イワシに塩を振って焼くだけで十分美味しいはずだ。イワシが焼けるまで、もう一人のお客様のショウコさんの持ち寄ったスパークリングワインで、ナッツやチーズ、サラダなどをつまむ。スパークリングワインも前菜もお洒落で上品な物ばかり。
そこに私が持参したのは、おっちゃんたちがバールでビールを飲みながらつまむような典型的なスナックだが、案外店には置いていないものである。一つはペイシーニョ・ダ・オルタ(畑の小魚)という名前のモロッコインゲンの天ぷら、もう一つはオーヴォス・ヴェルデス(緑の卵)というゆで卵のコロッケだ。
畑の魚とは言っても魚は全く使わない。形が魚に似ているから付けられた名前だ。サッと茹でたモロッコインゲンに、天ぷら粉にとき卵を入れて塩胡椒で味をつけた衣をつけて揚げただけ。料理サイトや本を見ると、黄身と白身を分けて白身を良く泡だてて、とかそれぞれ微妙に作り方の違いやこだわりがあるが、日本式の天ぷらとほとんど変わらない。天つゆを使わないので、衣に味をつけるのだが、マヨネーズやタルタルソースで食べても美味い。
緑の卵の方は、ゆで卵を作り、半分に切り、黄身を取り出す。黄身を潰し、みじん切りにしたパセリや玉ねぎ、ニンニクに、油漬けのマグロを混ぜる。パセリが黄身に緑の色を与えるので、緑の卵。ツナ缶の代わりにハムなどもいいかもしれない。塩胡椒などで味付け。私はマヨネーズを加えた。この緑色の黄身を今度は白身に詰め直す。嵩が増えるので、卵1個が2個分のボリュームになる。日本で発行されたポルトガル料理の本では、ここで終わりにしているが、リスボンで食べるのは、粒々の細かいパン粉をつけて揚げてある。私も揚げたのが食べたいので、豚カツの要領で、卵に粉をはたき、溶き卵にくぐしてパン粉をくっつけた。しかし、つるんとした白身に満遍なく衣をつけて揚げるのは難しい。日本のガサっとしたパン粉が良くないのか、何か特別な手順があるのか。
材料費は安いのに手間がかかる緑の卵は、体格の良い旦那さんがパクパクと食べてくれた。そのうちにイワシが焼き上がった。こんがりと焼けた皮に、大根おろしもいいなあと思ったが、今日はポルトガル料理の日だ。ヴァレリア先生は、南蛮漬けの材料をきれいな野菜ソースにして、フランスパンを添えてサービスした。パンに焼きたてのイワシの身を乗せて、野菜ソースをかけてオープンサンドにして食べると、ほっぺた落ちそうなほど美味しい。しかも凄くオシャレだ。このタイプのソースはポルトガルではアジの塩焼きに添えられるが、イワシと一緒に出された事はない。イワシには茹でたジャガイモと焼いたピメント、と決まっている。でも今度リスボンでイワシの塩焼きを頼むときは、ヴィナグレッチ(みじん切りにした野菜を酢とオリーブオイルで和えたソース)がないか聞いてみようかな。







