ポルトガルのチョコレート
2021年 02月 15日
東日本大震災からあと1月足らずで十年になろうという2月13日の夜、東北地方は再び大きな地震に見舞われた。寝しなにビビビビビという細かい振動が続き飛び起きた。いつもはそこで揺れは収まるのだが、今度は激しい横揺れが加わってまっすぐ歩くのが困難な程になった。宮城や福島では震度6強の所もあったが、仙台の実家周辺は停電も断水も火事も起こらず、割と静穏だった。2011年の大震災時はリスボンにいたので、震度6クラスの地震は初めての経験で肝を冷やした。ただでさえコロナウイルスの脅威に未だに晒されているのに、地震や津波が来たのではたまらない。
もしこの規模の地震がリスボンで起こったら、相当な被害が出るはずだ。急斜面に建てた建物や、両隣の建物の壁を利用して床や天井を棚板状に造っただけのアパート、鉄筋も何も入っていないレンガの壁など、日本の建築基準法ではあり得ない建物が多い。私のアパートもダメだろう。持ち堪えたとしても、ライフラインに深刻なダメージを受けるのは想像に固くない。もっとまずいのは、災害に慣れていない人たちのパニックだ。なまじ気候が良くほとんど地震がない国なので、いざという時の備えや心構えを意識している人はまずいない。
しかし周知の通り、ポルトガルでは18世紀に甚大な被害をもたらしたリスボン大地震が起こっている。当時はポンバル侯爵という傑出した政治家が、非常事態に迅速かつ的確に対応し、復興の指揮を取り、瓦礫の山のリスボンを見事に蘇らせた。絶対的な権力を駆使し、政敵には情け容赦なかったポンバル侯爵であったが、純粋に国益を優先させ、独裁者にありがちな私腹を肥やすような事はなかったという。オリンピックやコロナの治療薬に関しては忖度しまくりの某国の指導者たちとはずいぶん違う。もし彼が今生きていたら、このコロナ禍でどのように手腕を振るっただろうか。
今回の地震による津波は起こらなかったが、負傷者や火事、交通の麻痺、建物や設備の損壊、土砂崩れなどの被害があり、よりによってこのタイミングで来なくても、と恨めしく思う。なにせ翌日はヴァレンタイン・デーなのに。春の到来を思わせる良い天気なのにデートを取りやめた方々もいらっしゃっただろう。私もその口だ。せっかく用意したチョコレートは自分で食べた。特に相手は決めていなかったので。
「酒のやまや」という酒の量販店で見つけた「みゃう!」というポルトガルのチョコレートはパッケージが可愛い。箱は開けやすく中身も見栄えが良いようにデザインされている。凝ったパッケージにありがちな上げ底感よりは、取り出しやすさを重視したつくりだ。猫の舌の形のチョコの味の方は、オーソドックスなミルクチョコレート。中身が100gで20本入っているので、1本5gということになり、ダイエット中の方には量を調整しやすい。
製造元の「レジーナ」は駄菓子っぽいものからクリスマスの贈答用まで幅広いラインナップを誇るチョコレートメーカーだ。不二家のパラソルチョコレートに似た商品は、どっちが先なのだろうか。子供も大人も喜びそうな、穴を突くとチョコボールが出るゲーム機型の詰め合わせも楽しい。
大人向きのダークチョコレートのタブレットもある。流行りの塩キャラメルやライムと唐辛子のフレーバーをつけた、ちょっと高級感のあるラインだ。クランベリーをチョコでコーティングしたヘルシーなイメージの商品もある。チョコレートは非常時のカロリー補給に大変有効である。もう一年も留守にしているリスボンへのサウダーデ(帰りたい病)による精神疲労回復と地震などの災害対策のためにも、ポルトガルのチョコレートを備蓄しておこう。
缶詰といい、やまや恐るべし!ですね。
先日は親方をご紹介下さり、ありがとうございました。
実は2019年に完成のはずが、2020年リノベーション途中で大工が失踪してしまい、あと300万円ほどかけて残りのリノベーションを仕上げないと住めない状態です。しかし、築70年の我が家はcaldoverdeさんがおっしゃるように「両隣の建物の壁を利用して床や天井を棚板状に造っただけのアパート」のため、ゴールデンビザでの物件保持期間が終わりましたら売って新しいアパートメントに引っ越したいです。親方は大きなリノベーションというよりはちょっとした工事がお得意のようですから、大きなリノベーションが終わり次第お願いする予定でいます。







