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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ポルトガル空想旅行 チーズの旅①セーラ・ダ・エストレーラ

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ポルトガルのスター(エストレーラ)は僕です。

まだまだ気軽に海外旅行ができる状況ではないが、本やネットでイメージを膨らませ、脳内トランクに荷造りし、コロナ明けの出発に備えよう。最近素敵な本を見つけたので、これを元に、妄想グルメ旅を楽しんだ。「美しい世界のチーズの教科書」(パイ・インターナショナル)という本には私が知らなかったものも含めて、12の代表的なポルトガルチーズが挙げられている。図版は写真でなくイラストであるが、これが実に素晴らしく、色や形ばかりでなく、チーズの固さ、テクスチャーまでリアルに表現されていて、見ると涎が出そうになる。原料はほぼ共通なのに、なぜあんなに多種多様なものが生まれるのだろう。生きているうちに可能な限り色んなチーズを食べてみたいが、残念ながら食べ過ぎると吹き出物が出てくるし、値段が結構張るので、ついつい同じものをちょっとだけというのが現状だ。せめて地域限定で、ポルトガルのチーズを制覇したいものだ。


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ワインの本も出ました。


まず、ポルトガルが世界に誇るチーズといえば、なんといっても「ケイジョ・ダ・セーラ・ダ・エストレーラ(エストレーラ山脈チーズ)」である。直径15cm前後、高さが5cm前後の円盤型で、側面にガーゼが巻いてある。外側はやや硬い皮に覆われているが、中身はトロトロなので形が崩れたり中身が流れ出ないように周りをガーゼで囲っている。当然、このチーズは普通にナイフで切り分けるのではなく、上部をくり抜き、中身をスプーンですくってパンやクラッカーに塗りつけて食べるのが一般的だ。


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イラストでは中身がクリーム状なのがわかるように表現



このチーズの生産地は、ポルトガルの大陸における最高峰、エストレーラ山脈周辺だ。エストレーラとは星、星の山々だ。富士山に比べるとだいぶ低い(1993m)比較的なだらかな山で、国内唯一のスキー場があり、滅多に雪を見ないポルトガル国民にとっては人気の高いリゾート地である。私が実際にエストレーラ山脈を訪れたのははるか昔、ただ一度きりだったので、ほとんど怪しい記憶になっているが、5月にまだ雪があちこちに残る星の山は、まるで別の星に降り立ったような不思議な風景だった。木はほとんどなく、大きな花崗岩がゴロゴロ転がった不毛の地、という印象が残っている。最高地点のトーレには売店があり、もちろんチーズがあったので買って帰った。


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ずっしりしたチーズを日本に持ち帰り、冷蔵庫に入れるも表皮に青カビが生えてきた。はるばる遠い国から連れて来たチーズを捨てるには忍びなく、青カビはブルーチーズに不可欠だしペニシリンの材料だし、と無理やり自分に納得させて、青い斑点のある外皮をクリームに溶かしてパスタに絡めて食べてみたら、激ウマだった。しかし、家族からは臭い、なんだこの匂いは?とブーイングを受けた。匂いはカビのせいだけでなく、このチーズ特有のものだと思う。原料は羊乳なので、独特の味や香りがあり、羊を食するのにあまり慣れていない日本人には少々きつく感じるかもしれない。いや実際、ホテルの朝食会場のテーブルに果物やジャムなどに囲まれて鎮座していた黄色い鏡餅のようなケイジョ・ダ・セーラ・ダ・エストレーラは、確かに古くなった糠床から出した沢庵のような強烈な匂いを放っていた。でも食べてしまえば納豆と同じで匂いは気にならなくなる。


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地元の生ハムとエストレーラチーズのサンドイッチは最強


お土産はチーズだけではない。エストレーラ山脈の麓にあるコヴィリャンは、昔は毛織物が重要な産業だった。しかし機械化の進んだ英国製のウールがポルトガルに入ると粗野なポルトガルの毛織物産業は衰退していった。しかし21世紀に素朴で温かみのある手織りウールの生地の服や小物が洗練されたデザインになって蘇り、リスボンにも専門店がある。


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羊を守る賢い星山犬


もう一つ、モフモフするものに犬がある。ポルトガルを代表する牧羊犬のエストレーラ・マウンテン・ドッグは、主にこの辺を勤務地としていたが、現在はポルトガルのみならず世界的に引き手数多な大型犬だ。子犬は正に生きた縫いぐるみ!本物を連れて帰るのは難しいが、縫いぐるみなら土産物店で見つかるだろう。


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エストレーラ山地はポルトガルでスキーやスノボが楽しめる唯一の場所であるが、スポーツよりのんびり過ごしたい方は温泉へ。その名もH2otelという水とホテルをミックスしたネーミングの素敵なホテルがある。大きな屋外プール、スパ設備やクリニックを備えた建物は、風光明媚な山の中にある。入浴やスポーツの後の水分補給には、当然、水。エストレーラ山脈の雪解け水は、コインブラを流れるモンデゴ河の源流となり、ミネラルウォーターも生産されている。


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ポルトガルの最高峰で、最高のチーズと水をご賞味あれ!ビーチとサーフィンだけではない、内陸のリゾート地も知っていただきたい。私も知りたい。



Commented by fernandapessoa at 2021-07-08 14:36
ポルトガルの至宝、山のチーズ! !! !!! しかし、実は食べた記憶が希薄です。むしろ馴染みはケージョ・フレスコ(それもスーパーで、ケースごしに店員さんにたのんで出してもらうやつ)。大・中・小とサイズがあって、ひとりだから、と小さいのを選ぶとき、必ず昔話の「舌切り雀」の教訓が頭をよぎったものでした。
Commented by caldoverde at 2021-07-08 16:29
出来立て(フレスコ)のケイジョ・フレスコはミルキーな冷奴ですね。日本では食べられない。早くポルトガルに戻りたいです。
by caldoverde | 2021-07-08 10:13 | ポルトガルの旅 | Comments(2)