ペルニル2
2023年 10月 12日
近所のマリア・ピア通りやカンポ・デ・オリーク通りはどんどん開発されて、かつての長屋はきれいなマンションに変わりつつある。あちこちにあった安食堂も閉めたり値段が街中のレストランと大して変わらなくなった。何よりも8€で満腹度150%だった「タスキーニャ」が無くなったのは悲しい。あそこで土曜日に出していたペルニル(豚の脚の骨付き肉)をもう一度食べたいと渇望するも、メニューにペルニルのある店がそもそも少ないのである。しかし遂にペルニルを見つけた。マリア・ピア通りからアモレイラスショッピングセンターに向かう路地のような通りに。
ミーニョ地方のオーナーが多いこの辺の店にしては珍しく、アレンテージョの郷土料理をフューチャーしたその店は、お昼のセットメニューとしてパンとオリーブ、スープ、メインディッシュ、飲物、デザート、コーヒーを11.90€ で提供している。今日のメインはサメのスープや黒豚のグリル、鱈料理など数種類の料理に混じってペルニルもある!まだ12時前だったので、アモレイラスショッピングでぶらぶらし、12:15ごろに店に入ると既に7割方席は埋まっていた。店内は土産物屋によくある素朴な絵皿が飾ってあるが、田舎風ではなく都会的なすっきりしたインテリアだ。アレンテージョ人はのんびりやだと揶揄されることが多いが、若いスタッフはきびきび動き、次々と客の注文を受けては料理を運んでいる。
まずはメルトラ産のオリーブとパンのスライスが数枚、そして赤ワイン250ml入りのカラフが運ばれてきた。ハウスワインは意外に重厚な感じで、つまみのオリーブがどんどん減っていく。パンはぎゅっと目の詰まったタイプで、お腹が膨れるので一枚だけ。スープも頼んだが忘れたらしく先にペルニルが来た。飴色に香ばしく焼けた皮、皮の下や骨の周りのねっとりしたゼラチン質、程よく脂ののった柔らかい肉、そして煮汁の染みたご飯とフライドポテト。やや塩気が強いが、昔ながらの味を忠実に守りこれぞポルトガルの味!といった風である。
既にお腹がいっぱいになったが、スープのお味を拝見しないことには。本日のスープは人参のポタージュ、かなり濃厚で野菜の旨味たっぷり。結局全部平らげた。甘いものは別腹で、デザートもチョコレートムース、カスタードクリーム、チーズケーキ、フルーツサラダなど数種類あり大いに迷う。ペラ・べバド(酔っぱらい梨)と呼ばれる梨の赤ワイン煮は、程よい酸味と甘味で肉の消化の助けになるような気がする。
入店からコーヒーを飲み終わるまで45分ほど。外には10人ほどのサラリーマン達が席を空くのを待っているので、早々に店を出た。昔の牛丼屋のように美味い、安い、早いと3拍子揃ったこのお店は、時間のないビジネスマンにもお金のない近所のおじさん達にも大変ありがたい。でも毎日この店でお昼を食べたら、血圧やコレステロール値が上がるだろうな…。
しかしこれを45分で完食とは、胃袋にも精神にも、酷ではありませんか。それこそアレンテージョの果てしない原っぱを前に、のんびり食べたいメニューです。






