テルマエ・ロマエ in ポルトガル その1
2024年 11月 23日
大変ご無沙汰しています。長らく放置しておりましたが、ご心配には及ばず至って健康です。不在理由としては、寄る年波には勝てず消化に時間がかかり、食べる量や回数が少なくなった、昨今のインフレにより外食を控えている、家で作るものがパスタばかり等、色々ありますが、一番の理由は「めんどくさい」全てのやる気を削ぐ悪魔の囁きです。なるべく頑張って更新したいと思いますが…。
アーチの美しいローマ橋
今月は暇だ。時間があるとネットサーフィン三昧で目や足腰がショボショボになるので、外に出て身体を動かさなくては。温泉に浸って、自然の中を散歩しようと、久しぶりにサン・ペドロ・ド・スルに2泊3日の予定で出かけた。昔友達と行った時は、ホテルの宿泊プランでスパや4輪駆動車ツアーを楽しんだが、食事付きだったので町の中はあまり見なかった。今回はいつものように節約旅行なので、安宿に泊まってそこから温泉施設に通い、町歩きを楽しむつもりだ。
リスボンからバスに揺られて4時間、テルマス(温泉)・デ・サン・ペドロ・ド・スルに着くと、かつての鄙びた温泉町の印象とはずいぶん違って、ホテルや川沿いの公園がきれいに整備されて驚いた。泊まったのは、現役で使われているローマ橋の袂にある昭和風ペンションで、朝食付き2泊68.40€、その日の客は私だけ。橋を渡ればすぐに温泉があるので、ロケーションは問題ない。今回は利用しなかったが、レンタル自転車や4輪駆動車ツアーも手配できる。
リスボンを7時に出たバスは11時半頃テルマスに到着し、荷物を置いて観光案内所で温泉に関する情報を仕入れた。温泉はドナ・アメリア浴場と、ドン・アフォンソ浴場の2つの公衆浴場がある。メニューは治療目的のコースもあれば美容目的のコースもある。単純に温泉を楽しむのであれば、マッサージ付き温水プール+蒸し風呂+サウナの1時間コース25€、またはプールのみ30分10€がある。予約が必要で、プールのみは時間が午後6時からに限定される。水着とスイミングキャップが必要だが、キャップは5€で買う事ができる。
この辺の地酒は檀一雄が好んだダンワイン
初日はプールだけにしたので、昼食をとり、6時まではその辺を散歩して過ごした。この辺りの名物は仔牛肉だそうだ。ドン・アフォンソ浴場に隣接したカフェの昼定食は仔牛ではなく豚肉の骨付き肉だったが、脂肪とゼラチンをたっぷりまとった肉は完全に消化するまで次の日までかかりそうな程ボリュームがある。もし小腹が空いたら地元の名物菓子を食べて凌ごう。
ご当地土産ヴォウギーニャ。ウェハースのような皮にアーモンドか胡桃を混ぜた黄身餡を詰めて焼いたもの。
11月中旬にしては暖かいヴォウガ川沿いの並木は赤や黄色に色づき、橋や建物が川面に映えてとても綺麗だ。あまり季節感のないリスボンと違い、秋の日本のようである。昔来た時はただ石が転がっていただけだったローマ時代の浴場は立派なミュージアムになっている。遊歩道も整備され、数メートル歩く度に写真を撮りたくなる様な素敵な風景が続く。浴場の背後の坂道を登るとトンネルがあり、潜り抜けると地面には自転車の絵が描かれている。廃線となった鉄道を利用したエコピスタと呼ばれる自転車道である。20世紀の初めに敷かれたヴォウガ線は1990年代に廃線となり、現在はアスファルト敷きの立派な自転車道となっている。シーズンオフなので歩いているのは殆ど私だけだったが、「どこまで行くの?ヴォーゼーラまでは3kmあるよ」と隣町のご婦人たちに声をかけられたり、道端のキノコを携帯で撮影しながら犬を散歩させる若い女性たちとすれ違った。東洋人は珍しいらしく、どこから来たのか尋ねられた。日本が温泉の宝庫であることは、全く知られていないようだ。
実は、当方でもポルトガル行きあれこれ計画中だったのです、が。ここしばらくの激しい寒暖差で体調崩すわ、おまけに家のお風呂まで調子崩してリフォーム計画急浮上するわで頓挫しております。くっ。ポルトガルの温泉、うちまで来ておくれえ。










