ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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トカゲステーキ ミゲル風

 アソーレス諸島はとても美しいところだと言う話だが、嫌いな飛行機で行かなくてはならない。天気予報を見るといつも雨が降っているような気がする。「地球の歩き方」に載っていない。地震が多い。お金がない、暇がない、一緒に行く恋人がいない等の理由で未だ訪れたことがない。背中を押してくれるものが必要だ。それにはまず地元リスボンで情報を収集し、その魅力の一端に触れ、もっと知りたいという欲望を喚起させる。その具体的な方法として、アソーレスの料理を食べてみるというのは大いに有効に思われる。

 テレビのニュースで紹介していたアソーレスレストランのサイトを見ると、なかなか良さそうに思えたので、市バスの742番に乗ってアジューダ宮殿近くの市場に隣接したこのお店を訪ねた。この辺はチンチン電車の市電18番が行き交い、タイルのはがれた、壁の崩れかかった建物が並び、ジプシーが闊歩し、外を歩く男女の推定平均年齢67歳という、いかにも鄙びた過去の栄光の街リスボン情緒をかもし出している地区であるが、そのような所にありそうな郷土料理店といった雰囲気とはまったく違う、入り口のガラスのドアに大きな青い地球の写真が貼られた、モダンでクリーンな感じのレストランである。店内からはテージョ川が見える。

 バリトンのいい声の恰幅のよい支配人がメニューを持ってきた。知らない食べ物ばかりである。それでもアソーレスの名物はタコとまぐろという知識はあり、とりあえず重要なポイントは押さえることができた。3人のうち2人は決まり。残ったのは私で、肉料理から選ぶことにした。アソーレスにも私の好きなうにゃっとした腸詰、アリェイラがある。これにしようかなと心が動きかけたところに、衝撃の文字が目に飛び込んできた。LAGARTO MICAELENCE ミゲル風トカゲと書いてある。遠くヨーロッパ大陸から離れたアソーレス諸島のサン・ミゲル島にはコモドオオトカゲのような巨大な爬虫類がいて、食用にしているんだろうか?いったいどんな味か?どんな調理法なのか?疑問はつのる。バリトン支配人にこれはどんなものですかと尋ねると、ビフテキだという回答だった。なぜ牛肉がトカゲなのかは分からなかったが、アソーレスでは牛乳やチーズが生産されていることは知っていたので、牛は間違いなくアソーレス牛だと確信し、これを選んだ。焼き加減はミディアムを注文した。後から考えると、サン・ミゲル風に調理したステーキという可能性もないわけではないが。
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 さてトカゲ、もといステーキが来た。差し渡し10cm、厚みが5cmほどのいい焼き色のついた肉の上にはニンニクがのっていて、香ばしい匂いを漂わせている。付け合せはサツマイモのから揚げ。普通はジャガイモなので、ひょっとするとこれが「サン・ミゲル風」なのかも。肉にナイフを入れると意外なほど柔らかく、断面はピンクから赤の微妙な色合いが美しい。脂肪は見当たらない。牛のたたきのようなあっさりとした味わいだ。今まで食べたステーキの中で上位1,2位を争うおいしさだ。じわっと肉汁が滴り落ち、このソースをサツマイモにしみ込ませて食べるとまた美味である。サツマイモ自体は実は大して美味しくない(甘くない)もしこれがササニシキのご飯だったら激うまもんである。ワインはアソーレス産の赤ワイン。軽めの飲みやすいタイプで、マグロにも合いそうだ。

 デザートもめいめい3種類注文した。直径20cmくらいの赤土のキャセロールで焼いたプリンのようなお菓子。牛乳に酢を加えてカテージチーズ状にしたものに卵の黄身クリームとシナモンで味付けしたもの。写真のアソーレス特産の紅茶を使ったねっとりしたプリン。これが一番ユニークで気に入った。
 家に帰り辞書を引くとlagartoにはトカゲの他に牛のもも肉という意味もあった。これで納得。リスボンで美味しいアソーレス料理が食べられるので、わざわざ危険をおかして、彼氏を調達してまでアソーレスに行く必要はなくなった。
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Commented by おっちゃん at 2007-04-20 22:47 x
一週間ぶりの更新まってました。ポルトガルは大分南のほうだから、南米みたいにサボテンやらトカゲやらほんとに食べるのかと思いきや(笑)しかし暑い国にありがちの辛い料理はどうなんですかね?
Commented by caldoverde at 2007-04-21 02:34 x
リスボンと仙台は緯度が同じなんですよ。でも街中には大きなやしの木があったり、ハイビスカスが咲いていたりと南国ムードあふれるところです。ポルトガルは大航海時代にインドの香辛料で大儲けしたのに、辛いものは苦手です。寿司はサビ抜き、カレーは王子様じゃないとダメな人が多いかも。ところでこの店のお通しに、以前写真に載せたカップに入った豆腐みたいなチーズの上に激辛とんがらしソースががかったものが出てきました。今まで食べたポルトガルの食べ物で最も辛いものです。
Commented by おっちゃん at 2007-04-21 05:41 x
へー、「君よ知るや南の国」とゲーテだか誰かが言うように南欧というととても南のイメージがあったけど、意外だなぁ。そういえばポルトガルも縦にながいんですよねぇ。他のみなさんはどう思ってましたか?
Commented by caldoverde at 2007-04-22 01:01
昔、日本の職場の同僚に、ポルトガルに旅行に行くつもりだと言ったところ、「ええっまだあったのそんな国!?」と言われました。もう存在そのものが希薄になっているんですね。スペインの一部だと思っている人も結構いるらしい。でもこれからはポルトガルですよ~!「何が?」うっ・・・そうねえ、クリスチアーノ・ロナルドとか、あとは・・・
Commented by yuko at 2007-04-25 00:40 x
えぇ~、調達しようよw
おいしそうだ!絶対行くわよ~
Commented by caldoverde at 2007-04-26 05:02
アソーレス出身パウレタ選手のような人がいたら紹介してください。
Commented by miwakof at 2007-04-26 07:26 x
ふむ、確かにトカゲに似ている、かも。
Commented by caldoverde at 2007-04-27 02:42
タコのシチューだと思ったものは、実はトカゲの尻尾のシチューでした。
Commented by miwakof at 2007-04-28 15:22 x
いやいや、煮ているのは、じゃない、似ているのは、パウレタ=トカゲ、です。ちょっと風貌が…。蛸足とトカゲの尻尾も、いろんな意味でよく似ているけれど。
Commented by yuko at 2007-05-11 20:43 x
Pauletaって・・
まぁ真面目そうではあるがw
でも、Socratesよりはましか!
Commented by caldoverde at 2007-05-12 00:45
ヌーノ・ゴメスでもいいです。
by caldoverde | 2007-04-20 20:36 | 肉料理 | Comments(11)