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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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スープの話 その3 アレンテージョ風スープ

スープの話 その3 アレンテージョ風スープ_a0103335_730421.jpg
 
エストレモス、ポザーダの塔から見た景色

 アレンテージョ地方の料理というと、旨いものまたは貧しいものという両極端のイメージがあるらしい。確かにこの地方はポルトガルで最も貧しい地方と言われ、気候は穏やかなようで夏は40度を越える気温となり、慢性的な水不足に悩まされている。土地はやせており、灌漑設備もまだ十分ではないようで、生産性は低く、農作物の種類は限定される。日本式の狭い面積に手間隙かけて様々な作物を育てる集約型農業とはだいぶ違う。だから、この土地の人々は、限られた食材を大事に無駄なく利用し、美味しくて腹持ちのする料理を考案し、生活してきたのだろう。

 アレンテージョ地方のパンは崩れかかった雪だるまのような、巨人の拳骨のような、丸いパンの上にさらに突起が突き出た独特の形をしている。皮は硬く、バリッとしているが、中身はモチモチと弾力があり目の詰まった、食べごたえのあるパンだ。マルバォンという城壁に囲まれた中世の面影を残す村には昔ながらのパン窯で焼くパン屋がある。焼きたてのほかほかの大きなパンを買い、ペンションでパンにバター、チーズ、ワインという超シンプルかつ極上のディナーを取った。煎餅のように硬い皮は香ばしく、小麦本来の味を楽しめるが、あごの弱い人、歯の悪い人には辛い。モチモチの中身だけ食べて空洞にしたパンをさてどうしよう。捨ててはいけない。アレンテージョの郷土料理には、硬いコチコチになったパンも上等な、美味しい料理に生まれ変わらせるレシピがあるのだ。

 その中の1つに、日本のお茶漬けに匹敵する、簡単で旨いソパ・アレンテジャーナ(アレンテージョ風スープ)がある。ほとんど包丁を持ったことのない男性でも子供でも作れるメニューなので、ポルトガルの味を日本で試していただけるように、ここに作り方を紹介する。

材料(分量は全て適当)
●パンの薄切り
(フランスパンなど歯ごたえのあるもの。ふにゃふにゃの食パンは向かない)
●卵
●塩(天然塩)
●オリーブオイル(ヴァージンオイルなど良質のもの)
●ニンニク
●生のコリアンダーの葉
作り方
1、鍋に湯を沸かし、落とし卵を作る。
2、スープ皿に適当に切ったパンを並べる。
3、ニンニク、コリアンダーをみじん切りにする。
4、スープ皿に好みの量のオリーブオイル、塩を入れる。
5、みじん切りにしたニンニク、コリアンダーも好みの量をスープ皿に入れる。
6、卵が好みの硬さに茹で上がったら、茹でたお湯とともにスープ皿に入れる。
スープの話 その3 アレンテージョ風スープ_a0103335_23264932.jpg

はい、できあがり。これは昔2ヶ月ほど住んだコインブラの下宿屋の料理上手のおばさん直伝のレシピなのだ。この下宿屋には偶然にもポルトガルレストランを開きたいという夢を持つ仙台の友人夫婦も滞在していた。えっ、スープストックは要らないの?せめてコンソメスープの素は使わないの?と疑問を感じる向きもあろう。我々三人は、スープは単なる塩水なのにこんなに美味しいものが出来るのか、と感心したのを覚えている。ものの本によるとこのスープには干鱈の戻し汁を使うと書いてあるものもある。普通は捨ててしまうものもリサイクルしようという先人の知恵なのだろう。でもこのスープを作るためにわざわざポルトガルから干鱈を輸入する必要はない。水道水に、食塩じゃない天然の塩、ちょっと奮発してヴァージンオイル、エスニック食品を扱う店でコリアンダーを買って、作ってみてください。
Commented by おっちゃん at 2007-05-01 09:49
スープのレシピありがとう。さっそく作ってみよう。いつも地図を片手に読ませてもらってます。ポルトガルがとても身近に感じますよ。
Commented by caldoverde at 2007-05-02 17:15
コリアンダーは簡単に手に入りますか。独特の香りなので嫌いな人もいると思うけど、一度好きになると病みつきになります。ポルトガル料理、特にアレンテージョの料理には欠かせないエレメントです。
Commented by ショー at 2007-05-02 20:39
そっ、これ、美味しいですよねー!!! 仰るとおり、塩、オリーブオイル、パンにこだわるのが秘訣なんでしょうねー。パンでもだいぶ左右されますよねー。バターや脂入れてないパン、日本でも買えるかなー。こっちの小麦粉は何も入れなくても美味しいパンになるもんね。にんにくも香と歯ごたえが違うし、コリアンダーも、ここまで日本のは甘み柔らか味あるかなー。自然の恵みって素晴らしいねー。
Commented by caldoverde at 2007-05-04 05:06
ポルトガルのパンってほんとに美味しいですね。スーパーで、包装しているビニール袋が湯気で曇ったあったかいパンを見ると、もうダメです。焼きたてのパンにバターかオリーブオイルにワインがあれば、どんな手の込んだ料理にも匹敵するご馳走ですね。
by caldoverde | 2007-05-01 07:39 | スープ・前菜・酒肴 | Comments(4)