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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ウツボバーガー

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 ポルトガル南部、アルガルベ地方は今や国際リゾート地として、ホテルやマンションが林立し、英語が幅を利かせ、ポルトガル語の話せない人間が「パブ」と称する飲み屋で働いているという。(すいません、私英語が話せないもんで)田舎くさい、素朴なポルトガルの好きな私にとってはあまり魅力的なところではない。それでも大西洋と地中海を結ぶ位置にあるこの地は、魚介類が豊富で食べ物に関してはまだ伝統的なものが残っているようだ。イワシはやはりアルガルベものが旨いそうだ。リスボンの日本料理店はこの地方の卸屋さんからマグロを買っている。

 このアルガルベ地方はポルトガル建国後もしばらくアラブ人が留まり抗戦していた土地で、アラブの影響が色濃く残っているという。アラブ人はヨーロッパに米や砂糖、様々な果物等の農作物を伝えた。そのひとつにアーモンドがある。1月になると桜に良く似た、淡いピンクの花を咲かせる。
 伝説によると、昔この地方を治めていたアラブ人の王様が、ヨーロッパの北国から王妃を迎えた。ところがこの美しい海と温暖な気候のアルガルベにやってきた王妃はなぜか日に日に元気を失くしていく。心配した王が理由を尋ねたところ、王妃は、自分の故郷で見られた雪がここには降らなくて寂しいと言うのだ。いくら権勢を誇る王といえどもアルガルベに雪を降らすことはできない。しかし王は一計を案じ、冬の間に王宮の庭にアーモンドの木を植えさせた。そして春先のある日、王妃を高い塔の窓辺に呼び、下を見るように言った。見下ろした庭には雪が降ったように一面に白いアーモンドの花が満開となっていた。そして王妃は健康を取り戻し、幸せに暮らしたという。

 そんな美しい伝説のある美しい花を愛でながら飲食するという習慣はポルトガルにはない。どんな見事な満開の時期でも、アーモンドの木の周りにはビニールシートやロープは見当たらない。カラオケの音もない、静かなお花見が独占できる。真に花の美しさを愛する人はぜひポルトガル、アルガルベ地方にどうぞ。アーモンド林がリゾートマンションに変わってしまう前に。

 そのアーモンドを使ったお菓子が、マジパンである。和菓子のねりきりのような、粘土状の柔らかいアーモンドの粉で作ったペーストに色をつけて野菜や果物をかたどった可愛いお菓子で、見るだけで楽しい。ポルトガル人も器用じゃないか(失礼)と感心するものも。マジパン菓子は、アーモンドの甘いリキュール、アマルギーニャとともに遠い国から嫁いできた王妃の心を和ませたに違いない。
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 さて、そんな雅な話から、本題の食いしん坊な話題に戻る。アルガルベに住んでいた日本人の知人に教えてもらったこの地方の名物は、ウツボである。あの蛇のように長く、白黒まだら模様の、凶暴な顔をしたグロテスクな魚である。水族館やドキュメンタリー番組で見る、岩の下に隠れながら餌になる魚を虎視眈々と狙っている、醜い魚である。ぎざぎざの鋭い歯はダイバーや漁師の指も噛みちぎってしまう恐ろしい魚である。勇猛果敢なアルガルベの漁師たちはそんな危険な魚と格闘し、勝利した(たまたま魚網に引っかかっただけなのかもしれないが)そして凱旋の旗を揚げた。クリーニング店で使う針金ハンガーに広げられ、潮風になびいているのは、ウツボの開きだ!ぺらぺらのほとんど皮1枚の薄さになったウツボの干物を油で揚げて、パンに挟んで食べるのがアルガルベ名物ウツボバーガーである。中身のウツボのてんぷらは、よく駄菓子屋で売っているイカ天みたいな感じだった。味はイカ天ほど濃くないので、とんかつソースなどをつけて食べるともっと旨いと思う。

 この地方の有名な料理は、細長いマテ貝のリゾットである。一般的なシーフード、タコ、アンコウのリゾットはトマト味だが、アルガルベのある町で食べたマテ貝のリゾットは珍しく白っぽい色ですごく美味しかった。バターを使うのか店の人に聞いたら、バターは全く使っておりません、オリーブオイルだけですという回答だった。それでもどこか乳製品の存在を感じさせる香りと味がある。それがマテ貝の旨味なのか?もう一度食べたいが、残念なことにどの町の何と言う名前のレストランか覚えていない。幻の味である。リスボンの闘牛場の地下にマデイラに本社のあるスーパーが開店し、そこにマテ貝も売っているので、そのうち自分で再現しようと思う。

 またまた超簡単なアルガルベ料理のレシピを紹介する。ティボルナという。材料:焼きたてのパン、オリーブオイル、ニンニク、塩の花。作り方①ニンニクを皮がついたままつぶす。②皿に、オリーブオイル、つぶしたニンニク、塩の花を入れる。③手でちぎった熱々の焼き立てパンを②に浸して食べる。簡単でしょ。でも美味しさは材料の質に大きく左右される。
Commented by おっちゃん at 2007-05-10 23:24
日本でもウツボは乳の出が良くなるとかで食べる地方があるそうですよ。天麩羅やマジパンも日本料理とつながりがありそうですね。日本にはポルトガルから伝わったものが結構あるけど、ポルトガルには日本から伝わったものが残っていますか?
それから今は本来の苺の季節ですが日本ではハウスものが一般的で路地ものはあまり見られません。苺は早春のものと思っている子供も沢山います。ポルトガルの果物事情も教えてほしいですね。やっぱり桜桃や苺を食べるのでしょうか?
Commented by caldoverde at 2007-05-11 04:29
今が旬のビワは日本からマデイラ島に伝わったそうです。柿も多分日本から渡ってきたものだと思います。ポルトガルの果物は甘くて美味しいです。メロンや洋ナシ、オレンジはほとんど1年中あります。イチゴはこちらでもハウスものが増えています。サクランボの季節には田舎の街道で露天のお店が大粒のサクランボを量り売りで売ってます。イチジクは日本よりも早く出回ります。イチジクのこと、ポルトガル語でフィーゴといいます。サッカーでも果物でも最高です。
Commented by Mari at 2007-05-15 00:00
ウツボバーガー、意外に巧そうですけどね。一度南の海でシュノーケリングをして、さんご礁のあたりをうろうろ潜ってみてたら、ウツボと対面したことありますが、魚屋で死んで売られている様子よりかわいかったです。
今度是非食べてみます。
Commented by おっちゃん at 2007-05-20 04:14
年をとると、ほんと食べられなくなりますね。眼では食べたいのに体が受け付けないというか…。ダイエットなんていわずに若いうちに食べたいものを食べればよかったと年をとって思うのですよ。おっちゃんは。
しかしポルトガルにも日本の人結構いるんですね。若いうちに海外へいって、美味しいもの沢山食べるのがいいですね。
Commented by caldoverde at 2007-05-21 05:48
以前は好き嫌いが多くて肉はほとんど食べなかったんですが、食事付きのポルトガルツアーに参加したのを契機に、食べられるものが飛躍的に増えました。しかし年とともに胃腸の働きは鈍り、代謝機能は衰え、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら付け合せのフライドポテトをパスしています。これがうまいのに・・・
by caldoverde | 2007-05-10 19:30 | シーフード | Comments(5)