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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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モツ料理(トリパス)

  昔は食わず嫌いだったが、ポルトガルに住むようになって食べられるもののレパートリーがだいぶ増えた。動物の血や脚や耳や内臓を使った料理も平気になった。牛のひづめの軟骨とヒヨコマメを煮たものや豚耳のサラダなど、ぷるぷるこりこりした食感のゼラチン質が豊富で美容によさそうだ。レバーはまだ苦手だが、近所のレストランの自家製の鴨レバーのパテはすごく美味しい。同じく近所の別の店には豚の腎臓の炭焼きがある。これはまだ試していない。

  ポルトの名物料理に牛の臓物を使った「トリパス・ア・モーダ・ド・ポルト(ポルト風臓物)」という料理がある。リスボンでは「ドブラーダ」と呼ばれることもある。牛の胃に白いんげん豆、野菜、チョリソ等を加えて煮込み、ごはんを添えて食べる。日本なら甘い煮豆にする白いんげん豆であるが、こちらではホルモンと一緒のごった煮にされる。

  ポルトのトリパスの歴史は、大航海時代の幕開けとなった1415年のモロッコのセウタ攻略にさかのぼるそうな。ポルトガル軍はポルトの港から出航した。ポルトの市民は自国の海外進出と言うか他国侵略に協力を惜しまず(仕方なく?)肉のいいところは軍隊に供給し、自分たちは残り物の臓物を食べて凌いだ。そして出来上がったのがこのモツ料理だということだ。15年前コインブラの下宿屋のおばさんにこの料理の作り方を教わったが、下ごしらえになかなか手間がかかる。牛の胃はレモンで洗って臭みを取ったり、下ゆでをしたりと面倒だし、乾燥豆を使うなら戻すのに時間がかかる。でもモツは安く、豆はお腹を膨ませ、しかも味がいいので、大航海時代が終わった後も何百年も庶民に親しまれてきたのだろう。

  牛の胃なんてモー絶対ダメ!などと言わずに、ぜひトライしていただきたい。ハチノスと呼ばれるように細かい網目状のでこぼこのある、または微細な突起が密集した胃は、柔らかく茹でられているが弾力があり、味は淡白で、たんぱく質でできているきのこのようである。あっさりしているようでボリュームのある白豆は美味しいけれど食べ過ぎ注意、私にとっては腸内ガスが増える傾向を引き起こす。臓物料理といってもそんなにギトギトしたものではないので、店によってはピリピリソースを添えるところもある。淡白な味にアクセントをつけるのはニンニクの効いた赤いチョリソである。たった1枚入っていたチョリソを食べた後に撮った写真は、ご覧のようにあまりヴィジュアル的に魅力のないものになってしまったけど、ホルモン料理は旨い。

モツ料理(トリパス)_a0103335_1916368.jpg
 
  リスボン近郊のヴィラ・フランカ・デ・シーラという町で7月に「赤いチョッキの祭り」というお祭りがある。町の通りに柵を設けて、その中に牛を放して人と牛が追いかけっこをしたり、闘牛が行われる。牛追いが行われたのは午前中で、私が着いた昼過ぎにはもう終わっていたが、町の人たちが何を食べているのかのぞいて見る事ができた。この町の名物は牛のモツと豆の煮込みもしくはモツの炭火焼らしく、大抵のレストランにあった。この地方は闘牛が盛んなので、原料は本来の役目が済んだ闘牛だろうか。

Commented by ショー at 2007-07-10 08:08
確かに、この牛の胃の料理は美味!!あまりおいしかったので、昔、自分でつくってみようとやってみたがまずかった!たぶん胃を洗いすぎたんだと思う。洗うのも火加減も、もっとおおざっぱにダイナミックにやるといいのかなー。
Commented by おっちゃん at 2007-07-10 09:13
さすがに肉食の歴史の長い国は肉料理も奥が深いですね。日本では沖縄は昔から豚肉を食べる習慣があるから、やはり豚耳から臓物から料理の幅が広いです。臓物料理こそヨーロッパ料理の真髄かもしれませんね。
Commented by caldoverde at 2007-07-10 16:38
ショーさん、以前お話にうかがった牛の睾丸はどんな風に料理するのか気になります。スペインには闘牛の睾丸料理があるそうですけど。
Commented by ショー at 2007-07-11 06:57
焼くらしいでー。人によっては煮るらしいで。つるんときれいだったもんで、つい買ってしもて、包丁いれる根性も出せず、亭主にパスしたが、親爺もど根性という訳にいかず、泣く泣く捨ててしもた。残念!食べてみたかった・・・。さすがにレストランでは見かけませんね。ところで今日、カイスドソドレで旨いポルトガル料理屋発見。ワインも、ぴったりのを選んでくれて感激!テージョ河の眺めも最高!今度行きましょう!
Commented by おっちゃん at 2007-07-11 09:21
牛の睾丸って想像がつかないけど、大きいんですか?ハツを料理するのとはちがうのかしら?ハツだと脂肪やスジをとって日本だと豚の角煮みたいにまるごと煮込んじゃったりするよね。あと冷めて味がしみたらスライスするんだけど…。日本では一時狂牛病で神経質になってたけど、ポルトガルは大丈夫?
Commented by caldoverde at 2007-07-11 15:58
そりゃ、牛の大きさから推測すればそれなりの大きさになるでしょうねえ。日本料理店でバイトしてた時、この牛肉は狂牛病にかかってないだろうかと誰かが漏らしたら、働いていたブラジル人が、これはブラジルの牛だから大丈夫だと言ったところ、居合わせた全員に笑われました。ポルトガルでも何年か前に騒がれましたが、食べたい人は食べていました。
優雅なテージョ川クルーズを思い出しながら、イワシの塩焼きとかいいですね。ぜひカイスドソドレに行きましょう。
Commented by ショー at 2007-07-11 20:10
ごめん。そこは、シェフの創作ポルトガル料理が主で、イワシの塩焼きといった雰囲気のものはありませーん。しかし美味しい。かつ、美しい。前菜に注文したバカリャオのタルタルは、絶品級。これにはヴェルデのこれを飲めやと言われて飲みやした。確かにピッタシ!次にロブスターのラザーニャ。これもさっぱりしていておいしかった。通常のラザーニャとは見た目もちゃう。この時はアレンテージョの白ワインを、これにはこれだにゃと、勧められた。これがすごく美味しかった!勿論、全部コップワインです。でも、わざわざ開けていた。商売にならないから、そのうち閉まるかも。デザートのチョコレートフォフォも、極旨アイスとりんごの煮たのが程よくついていて、うまっ!やる気満々の店でした。高め。
by caldoverde | 2007-07-09 19:25 | 肉料理 | Comments(7)