パン雑炊(アソルダ)
2007年 12月 06日
昼食を食べるおじさんたちで賑わう大衆食堂

アソルダという料理はカチカチに硬くなったパンを残さず美味しく食べられるように工夫して出来上がったものだろう。焼きたてのホカホカのパンを敢えてぐちゃぐちゃのどろどろにしなくてはならぬ理由はない。日本の雑炊と同じ、残り物料理に違いない。しかし、突然アソルダが食べたくなった時、パンを買ってそのまま2~3日放置して硬くなるのを誰も待ってはいられない。そんなわけでアソルダはその卑賤な出自にもかかわらず、結構高級な料理店でも出される立派な1品料理となっている。リスボンにはパパソルダというアソルダ専門店があるくらいである。高そうなのでまだ行ったことはないが。
私の初アソルダ体験は某ポザーダ(昔は国営の宿泊施設)のレストランであった。歴史的ポザーダというカテゴリーに入る、有名な観光地の有名なポザーダであったが、一人旅の日本人の女にはなんだか冷たい、慇懃無礼な雰囲気が感じられた。そこで海老のアソルダを注文した。陶器のキャセロールが黒服の給仕によって丁寧に運ばれてきた。キャセロールのふちにむき海老がぐるっと輪を描いて並べられている。きれいに並べるのは多少手間がかかるのかもしれないが、余り芸のない盛り付けである。おもむろに給仕は生卵を割ってぼとっと中央に落とすと、2本のスプーンでぐちゃぐちゃにかき回し始めた。生卵の嫌いな私は心の中で「あ"~っ」と叫んだ。アソルダに生卵が付物であることを知らなかった。知っていたら、注文時に卵は要りませんと対策を立てることができたのだが。きれいに並べられた海老の輪は跡形もなく、キャセロールの中はカオスとなった。こうなっては卵をより分けるのも不可能である。一気に食欲を失くした状態で食べ始めた。しかしスプーンで一口食べると、一条の希望の光が差した。けっこううまいじゃん。ニンニクがきいている。コリアンダーだかパセリだか知らないが香草も彩と香りを添えている。海老も表面に飾られていたものだけでなかったらしく、パン雑炊の中にごろごろ入っている。
ところが食べているうちにだんだん飽きてきた。肉や魚なら副菜に野菜やポテトがついてくるのだが、アソルダはどこをとっても同じ内容である。薄味ならソースをかけたり醤油をかけたりして調整できるが、味もしっかりついているのでこれ以上いじりようがない。キャセロールに半分ほど残し、せっかくのリサイクル料理もその理念を完全に実現しないまま下げられた。もともと1皿2人前だったのかもしれない。だとすれば従業員の丁重だが冷ややかな態度も納得できる(わけないって。)
上の写真のレストランのアソルダ。卵が固まってて良かった。

あるポルトガル人がポルトガル料理を評して盛り付けに工夫がない、特にアソルダのどこに美学があるのかという趣旨のことを言っていた。然りである。今火から下ろしたばかりの小鍋にど~んと盛られてくるのは、ぺこぺこにお腹が空いているときには大いに有効だが、逆に多すぎて見ただけでげっぷが出てくるというのも有り得る。もっと食欲をそそるような美的な演出もあるはずだ。例えばパンをくり抜いてその中にアソルダを詰めれば、歯ごたえのあるパンと、どろどろに溶けたおかゆ状のパンの2つの食感が楽しめて飽きないと思う。あるいは海老などの具は別に盛り、その付け合せとして海老のスープで調理したアソルダを添えるとか。そんなことを考えていたら、もともと残り物料理なんだからそんなに気取ることはないんだよ、と言う大衆食堂のおばちゃんシェフのがらがら声が頭の中で聞こえてきた。
そう、アソルダは1人で食べるものではない。みんなでわいわい取り分けながら、色んなものと一緒に食べるのが美味しいのだ。

私の初アソルダ体験は某ポザーダ(昔は国営の宿泊施設)のレストランであった。歴史的ポザーダというカテゴリーに入る、有名な観光地の有名なポザーダであったが、一人旅の日本人の女にはなんだか冷たい、慇懃無礼な雰囲気が感じられた。そこで海老のアソルダを注文した。陶器のキャセロールが黒服の給仕によって丁寧に運ばれてきた。キャセロールのふちにむき海老がぐるっと輪を描いて並べられている。きれいに並べるのは多少手間がかかるのかもしれないが、余り芸のない盛り付けである。おもむろに給仕は生卵を割ってぼとっと中央に落とすと、2本のスプーンでぐちゃぐちゃにかき回し始めた。生卵の嫌いな私は心の中で「あ"~っ」と叫んだ。アソルダに生卵が付物であることを知らなかった。知っていたら、注文時に卵は要りませんと対策を立てることができたのだが。きれいに並べられた海老の輪は跡形もなく、キャセロールの中はカオスとなった。こうなっては卵をより分けるのも不可能である。一気に食欲を失くした状態で食べ始めた。しかしスプーンで一口食べると、一条の希望の光が差した。けっこううまいじゃん。ニンニクがきいている。コリアンダーだかパセリだか知らないが香草も彩と香りを添えている。海老も表面に飾られていたものだけでなかったらしく、パン雑炊の中にごろごろ入っている。
ところが食べているうちにだんだん飽きてきた。肉や魚なら副菜に野菜やポテトがついてくるのだが、アソルダはどこをとっても同じ内容である。薄味ならソースをかけたり醤油をかけたりして調整できるが、味もしっかりついているのでこれ以上いじりようがない。キャセロールに半分ほど残し、せっかくのリサイクル料理もその理念を完全に実現しないまま下げられた。もともと1皿2人前だったのかもしれない。だとすれば従業員の丁重だが冷ややかな態度も納得できる(わけないって。)
上の写真のレストランのアソルダ。卵が固まってて良かった。

あるポルトガル人がポルトガル料理を評して盛り付けに工夫がない、特にアソルダのどこに美学があるのかという趣旨のことを言っていた。然りである。今火から下ろしたばかりの小鍋にど~んと盛られてくるのは、ぺこぺこにお腹が空いているときには大いに有効だが、逆に多すぎて見ただけでげっぷが出てくるというのも有り得る。もっと食欲をそそるような美的な演出もあるはずだ。例えばパンをくり抜いてその中にアソルダを詰めれば、歯ごたえのあるパンと、どろどろに溶けたおかゆ状のパンの2つの食感が楽しめて飽きないと思う。あるいは海老などの具は別に盛り、その付け合せとして海老のスープで調理したアソルダを添えるとか。そんなことを考えていたら、もともと残り物料理なんだからそんなに気取ることはないんだよ、と言う大衆食堂のおばちゃんシェフのがらがら声が頭の中で聞こえてきた。
そう、アソルダは1人で食べるものではない。みんなでわいわい取り分けながら、色んなものと一緒に食べるのが美味しいのだ。
どろどろの上に生卵…。私も生卵はちょっと今ひとつ。スキヤキに卵は使わないし、旅館の朝ごはんの定番、卵かけご飯も出来ればパスしたい。カルボナーラは何とかなるが、途中で飽きてきて後半がつらい、風邪をひいたときの卵入りのおじやは、薬と同じ。もちろんロッキーのように、そのままのどへなどは言語道断!!しかし、やはり一度食べてみなければ答えは出せないということですよね。「けっこううまいじゃん」コレが新しい味覚の世界を開く第一歩?味覚の冒険は、なにより恐ろしいと思うこのごろです。caldoverde さん、エライ!!
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はじめまして。リスボンの美味しいものを探していたらこちらにたどり着きました。「アルソダ」は知りませんでした。ポルトガル料理なら一度は食べてみようかな、何事も挑戦ですからね。
過去の日記を読んでも「ふむふむ」と思うような情報がいっぱいですね。これから始まるポルトガル生活の『食のバイブル』にさせていただきまーす♪よろしく。
過去の日記を読んでも「ふむふむ」と思うような情報がいっぱいですね。これから始まるポルトガル生活の『食のバイブル』にさせていただきまーす♪よろしく。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
子供の頃は好き嫌いが激しくて肉は全く食べなかった私ですが、大人になって判断力がつき(?)どんなもんでも、これは人類の長き歴史にわたり食されてきたものだと納得すれば大抵のものは食べられるようになりました。でもその頃には胃腸の機能はすでに衰えていました。
お久しぶりです、お元気に食べ歩いてるようで、何よりです。
アソルダと言えば、来ポして間もなく、フィゲイラ広場で身なりのいいオジサンにナンパされ、おごってもらったんがアソルダでした。
誰でも、アソルダ初体験の時は、生卵をかき混ぜる瞬間「わっ!」とか「ぎゃっ!」って思いますよねー。けったいな食物です。
非常に美味しかったのを覚えていますが、その店はもうありません。
ちなみに「一度アジアの女性とおつきあいしたい」というオジサンのお誘いを丁重にお断りして帰ってきました、ッテ食い逃げでしたね・・ワハハ・・・・ドロン!
アソルダと言えば、来ポして間もなく、フィゲイラ広場で身なりのいいオジサンにナンパされ、おごってもらったんがアソルダでした。
誰でも、アソルダ初体験の時は、生卵をかき混ぜる瞬間「わっ!」とか「ぎゃっ!」って思いますよねー。けったいな食物です。
非常に美味しかったのを覚えていますが、その店はもうありません。
ちなみに「一度アジアの女性とおつきあいしたい」というオジサンのお誘いを丁重にお断りして帰ってきました、ッテ食い逃げでしたね・・ワハハ・・・・ドロン!
私も最近身なりのいいオジサン(自分もオバサンですが)ナンパされ、5ユーロのタコリゾットを奢られました。100ユーロの食事ならブログのネタになったし、その後のお付き合いも考えないこともなかったのですが・・・
パン粥は離乳食のイメージですね。ミルクでパンをふやかし、砂糖をくわえたり、卵をからめたりして、子供に食べさせたものでした。
Praia das Maçãs に、アソルダで有名なお店があるよ。
大きなパンの中に、ごんろごんろえびが入ったアソルダが入って
でてくる。パンがまたおいしい。
私はアソルダあんまり好きじゃないから、すぐ飽きてエビだけ
食べたけど。
ちなみに、今までで初めておいしいと思ったアソルダは、魚卵の
アソルダです。
大きなパンの中に、ごんろごんろえびが入ったアソルダが入って
でてくる。パンがまたおいしい。
私はアソルダあんまり好きじゃないから、すぐ飽きてエビだけ
食べたけど。
ちなみに、今までで初めておいしいと思ったアソルダは、魚卵の
アソルダです。
魚卵のアソルダ、どこで食べられますか。種類はたらこ?すじこ?それともキャビア?
あれは、Alvegaというテージョ河沿いにある街の側の、
ダムのほとりの小さな街で食べました。たらこ入り。
ちなみに、このアソルダはAlvegaのレストランにもあったので、あのあたりでは一般的なのかも。
もうキャビアは耳から出てくるほど食べたのでいいです。おほほ。
ダムのほとりの小さな街で食べました。たらこ入り。
ちなみに、このアソルダはAlvegaのレストランにもあったので、あのあたりでは一般的なのかも。
もうキャビアは耳から出てくるほど食べたのでいいです。おほほ。
近所の食堂でもたらこのサラダや焼いたたらこを出すところがあるんですが、コレステロールが気になって手を出せません。でもたらこのアソルダなら大部分はパンだから大丈夫かなあ?
by caldoverde
| 2007-12-06 06:06
| パン・ご飯
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Comments(11)

