ポルトガル 湯治の旅 その1
2008年 01月 04日
突然巨大な花崗岩が道に突き出すヴィゼウの旧市街

よく探すと実はポルトガルには温泉が沢山ある。ローマ帝国の支配下にあったこの地にはローマ人の作った公衆浴場の遺跡があちこちにあるし、カルダス・ダ・ライーニャには大航海時代に作られた温泉病院がある。19世紀まではセレブのリゾートといえば温泉で、温泉の湧くところには豪華なホテルやカジノがあり、お金持ちは養生しながら楽しんでいたそうだ。
ポルトガルに来て間もない頃、北部のシャーヴェスという町に温泉があるという情報を得て、バスで何時間もかかるトラス・オス・モンテス地方まで温泉に浸かりたさ一心で出かけた。果てしなく続くオリーブやブドウの段々畑になっている山をいくつも越え、シャーヴェスに着いた。温泉、温泉と呪文のように唱えながらようやく探し当てたそれは、町の人がコップにお湯を汲んで飲んでいる小さな泉だった。夏の強烈な日差しに照らされて汗だくになった体をさっぱりと洗い流した後ビールを一気飲みするという計画は無に帰した。
それでも諦めきれず、どこかに体を浸せる温泉はないかと数年間捜し続けたが、なかなか見つからなかった。ポルトガルでは温泉は病気の治療のためのもので、日本のように銭湯感覚で誰もがいつでも入れるものではなく、基本的に医師の診断書が必要で、しかも温泉が恋しくなる冬に閉めてしまうところがほとんどである。それでも最近スパがブームになっているらしく、リスボンのショッピングセンターに美容やストレス解消を目的としたスパが何軒か登場し、スパリゾートを前面に押し出して改装するホテルも現れた。ついにポルトガルでも温泉が手軽なレジャーとして脚光を浴びる時代が到来したのだろうか。
ブームの先鞭をつけるつもりで、2007年のクリスマスはポルトガル中部のサン・ペドロ・ド・スルという古い温泉町のホテルで日本人の女友達と過ごすことにした。インターネットでこの町のホテルを調べると、あるホテルに週末特別プラン「冒険と誘惑」なるプログラムがある。2泊3日で全食事付、四輪駆動車で付近の村や山をドライブするエクスカーションが付いて、ホテルのスパの4種類の風呂やプールが使えるというものである。これなら湯治場で医者の処方箋がないことを理由に断られても平気である。料金はツインの部屋1人当たり186ユーロ。4つ星ホテルでこの内容ならかなりお得である。週末プランというからには土日を含むことが必須条件ではないかと思ったが、23日の日曜からスタートし、24日のイブ、25日のクリスマスの3日でも可能ということで、このプログラムを利用することにした。
私は1日早くリスボンを発ち、サン・ペドロ・ド・スルから20kmほど離れたヴィゼウという古い町に一晩泊まった。この地方は壇一雄が愛飲したというダンワインの産地で、代表的な銘柄は「グラン・ヴァスコ」。ポルトガルの偉大な画家の名前をいただき代表作をラベルにしている大衆的なワインである。この絵はカテドラルの隣のグラン・ヴァスコ美術館で見ることができる。カテドラルも美術館も、そして旧市街の民家もリスボンとは全く違う、灰色の花崗岩を使ったどっしりとした印象の建築物が多い。旧市街の商店街は駆け込みでプレゼントを買いに来るお客さんを当て込み、土曜だというのに夜の7時を過ぎても営業している店がある。蛍光灯に照らされた商店街から分かれる小道は中世さながらの灰色の石造りの薄暗い建物が並び、馬に乗った甲冑の騎士が現れても不思議ではない雰囲気だ。
その晩は旧市街の商店街から少し引っ込んだ石造りの小さな古い建物のレストランで食事をした。観光局のお姉さんも推薦するこの店は、伝統的なレシピで作る郷土料理を売り物にしている。店の人に何がお勧めですかと尋ねたら、ヤギのグリルと鴨ご飯(アロース・デ・パト)を勧められた。どちらもポルトガルでは特に珍しいものではないが、この地方、あるいはこの店独自の味を出しているの鴨(すみません)と期待し、鴨ご飯を頼むことにした。ハウスワインはワイン樽のミニチュアのような木製のジャーでサービスされる。前菜にはこの地方のチョリソ(ここではなぜか女性形のチョリサと呼んでいる)と血のソーセージがフライパンごとサービスされ豪快である。鴨ご飯はたっぷりと鴨肉が入っていて、干しブドウや松の実も混じっていて香ばしい。田舎の料理にありがちな塩辛さはなく、あっさり目の味付けだったせいか、かなりの量にも関わらずほぼ平らげてしまった。

よく探すと実はポルトガルには温泉が沢山ある。ローマ帝国の支配下にあったこの地にはローマ人の作った公衆浴場の遺跡があちこちにあるし、カルダス・ダ・ライーニャには大航海時代に作られた温泉病院がある。19世紀まではセレブのリゾートといえば温泉で、温泉の湧くところには豪華なホテルやカジノがあり、お金持ちは養生しながら楽しんでいたそうだ。
ポルトガルに来て間もない頃、北部のシャーヴェスという町に温泉があるという情報を得て、バスで何時間もかかるトラス・オス・モンテス地方まで温泉に浸かりたさ一心で出かけた。果てしなく続くオリーブやブドウの段々畑になっている山をいくつも越え、シャーヴェスに着いた。温泉、温泉と呪文のように唱えながらようやく探し当てたそれは、町の人がコップにお湯を汲んで飲んでいる小さな泉だった。夏の強烈な日差しに照らされて汗だくになった体をさっぱりと洗い流した後ビールを一気飲みするという計画は無に帰した。
それでも諦めきれず、どこかに体を浸せる温泉はないかと数年間捜し続けたが、なかなか見つからなかった。ポルトガルでは温泉は病気の治療のためのもので、日本のように銭湯感覚で誰もがいつでも入れるものではなく、基本的に医師の診断書が必要で、しかも温泉が恋しくなる冬に閉めてしまうところがほとんどである。それでも最近スパがブームになっているらしく、リスボンのショッピングセンターに美容やストレス解消を目的としたスパが何軒か登場し、スパリゾートを前面に押し出して改装するホテルも現れた。ついにポルトガルでも温泉が手軽なレジャーとして脚光を浴びる時代が到来したのだろうか。
ブームの先鞭をつけるつもりで、2007年のクリスマスはポルトガル中部のサン・ペドロ・ド・スルという古い温泉町のホテルで日本人の女友達と過ごすことにした。インターネットでこの町のホテルを調べると、あるホテルに週末特別プラン「冒険と誘惑」なるプログラムがある。2泊3日で全食事付、四輪駆動車で付近の村や山をドライブするエクスカーションが付いて、ホテルのスパの4種類の風呂やプールが使えるというものである。これなら湯治場で医者の処方箋がないことを理由に断られても平気である。料金はツインの部屋1人当たり186ユーロ。4つ星ホテルでこの内容ならかなりお得である。週末プランというからには土日を含むことが必須条件ではないかと思ったが、23日の日曜からスタートし、24日のイブ、25日のクリスマスの3日でも可能ということで、このプログラムを利用することにした。
私は1日早くリスボンを発ち、サン・ペドロ・ド・スルから20kmほど離れたヴィゼウという古い町に一晩泊まった。この地方は壇一雄が愛飲したというダンワインの産地で、代表的な銘柄は「グラン・ヴァスコ」。ポルトガルの偉大な画家の名前をいただき代表作をラベルにしている大衆的なワインである。この絵はカテドラルの隣のグラン・ヴァスコ美術館で見ることができる。カテドラルも美術館も、そして旧市街の民家もリスボンとは全く違う、灰色の花崗岩を使ったどっしりとした印象の建築物が多い。旧市街の商店街は駆け込みでプレゼントを買いに来るお客さんを当て込み、土曜だというのに夜の7時を過ぎても営業している店がある。蛍光灯に照らされた商店街から分かれる小道は中世さながらの灰色の石造りの薄暗い建物が並び、馬に乗った甲冑の騎士が現れても不思議ではない雰囲気だ。
その晩は旧市街の商店街から少し引っ込んだ石造りの小さな古い建物のレストランで食事をした。観光局のお姉さんも推薦するこの店は、伝統的なレシピで作る郷土料理を売り物にしている。店の人に何がお勧めですかと尋ねたら、ヤギのグリルと鴨ご飯(アロース・デ・パト)を勧められた。どちらもポルトガルでは特に珍しいものではないが、この地方、あるいはこの店独自の味を出しているの鴨(すみません)と期待し、鴨ご飯を頼むことにした。ハウスワインはワイン樽のミニチュアのような木製のジャーでサービスされる。前菜にはこの地方のチョリソ(ここではなぜか女性形のチョリサと呼んでいる)と血のソーセージがフライパンごとサービスされ豪快である。鴨ご飯はたっぷりと鴨肉が入っていて、干しブドウや松の実も混じっていて香ばしい。田舎の料理にありがちな塩辛さはなく、あっさり目の味付けだったせいか、かなりの量にも関わらずほぼ平らげてしまった。

おいしそーおいしそーおいしそー!
表面のパリッと固くなったご飯が大好きです。
たまにオーブンで焼かないやつとかだとがっくり、ご飯が
おいしいんだよね。鴨はだしの素だもん。ぱさぱさになってて
あんまり好きじゃない。
表面のパリッと固くなったご飯が大好きです。
たまにオーブンで焼かないやつとかだとがっくり、ご飯が
おいしいんだよね。鴨はだしの素だもん。ぱさぱさになってて
あんまり好きじゃない。
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by caldoverde
| 2008-01-04 05:02
| ポルトガルの旅
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