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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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にこごりサンド

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 その店はチリ広場のそば地下鉄アロイオス駅の階段を上るとすぐに現れる。交差点の角の小さな小さな店である。通りに面したガラスの中には、吊り下げられた生ハムや仔豚の丸焼きの下に色んな種類のサンドイッチがうず高く積み上げられている。立ち食い蕎麦屋のようにカウンターだけの店内では労働者風の男たちがビールやワインを飲んでいる。通るたびに気になっていたが、お客さんはガテン系のごついお兄さんたちが多くて、私のような上品な女性が一人で入るのはどうも憚られる。
 ところが私をはるかに上回る気品の持ち主のお友達が、この店はサンドイッチとコップのワインがおいしいのよと教えてくれた。彼女がカウンターでおっさんたちと一緒にコップのワインを飲み、サンドイッチを頬張る姿は想像し難いが、ウインドウに山積みになっているサンドイッチはどれも味が良いと想像できる。現場で働く人たちが来るのだから量的にも満足のいくものに違いない。一人では恥ずかしいので、私の2倍ほどエレガントな(購入したての掃除用バケツを持っていたため2倍に割引)同僚を誘って、ついにこの立ち食いオヤジバールに足を踏み入れた。
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上のサンドは肉と野菜が入っていて栄養的にもバランスがいいかも。
下は卵焼きのサンド。

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 サンドイッチの種類は生ハム、仔豚の丸焼き、ツナ、パタニスカス(鱈のかき揚げ)、卵焼きなど。どれも食指をそそるが、どうせなら変わったものをと私はトレズモス、同僚はモンゴウイカのフライのサンドを選んだ。
モンゴウイカはchoco(ショコ)と言う。チョコレートと間違えぬよう。
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 トレズモスとは、豚肉の切れ端を寄せ集めて固めたようなハムの1種。スーパーのハムコーナーの、真っ赤な口紅でお化粧したようなチョリソや生ハムのスライスが並ぶケースの中に、ひっそりと隅のほうに地味な薄茶色の塊があり、断面に得体の知れないものが化石のような独特の模様を作っているのがトレズモスである。華やかさに欠けるのでスライスされておらず、リクエストしないと切ってもらえない。私も食べたことがなかったのでトレズモスがどんなものか知るのに、いい機会だ。
これがトレズモス
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 このお店はただ単に、早さや安さばかりでなく、実はカロリーや素材のコンビネーションにも気を配るこだわりの店なのではないかという気がしてきた。なぜかと言うと、私の食べたトレズモスサンドのパンは結構固い田舎風のもっちりしたものであるのに対し、同僚のモンゴウイカサンドはスカスカの軽いカルカッサというパンが使われていた。彼女によると中身がフライであるにも関わらずギトギトしなくて美味しかったということである。それはパンがフライの脂分を適度に吸収し、脂っこさを感じさせなかったのではないだろうか。一方トレズモスの方は、のしイカのような歯ごたえと風味があるので、パンもそれに負けないかみ締めるほどにおいしさを感じる弾力のあるものを選んだと考えられる。

 コップのワインがおいしいと聞いていたのでこれもはずすことが出来ない。赤ワインを注文すると、フレスカ(冷えたもの)かナチュラル(常温)かと尋ねられ、一瞬「へ?」と聞き返した。赤ワインを冷やすとは不思議に思ったが、その日はやや暑かったのと好奇心から、冷たい赤ワインを頼んだ。冷えた赤ワインのビンは冷蔵庫の中に保管されているが、常温の赤ワインはカウンターの後ろの壁に据付けられた樽の蛇口から注がれる。もっともこの樽には2つ蛇口があって片方からは赤ワイン、片方からは白ワインが出るようになっているので、本ものの樽出しというわけでもないのだろうが、生ビール同様とても美味そうに見える。味は若くて軽いヴィーニョ・ヴェルデタイプなので、冷えた赤ワインもこれまたおつである。生まれはミーニョ地方ではなく、近郊のリバテージョ直送と樽に記されている。それで安くて美味いのだ。

 1坪ちょっとくらいのこの小さな店ではフルコース取るのも可能である。スープ、メインのサンドイッチ、デザート、飲み物はワインやビール、コーヒー、消化を助ける焼酎アグアルデンテ。この日はサンドイッチとワインのみで2ユーロでお釣りが来た。この近辺にはこのようなポルトガルの伝統的なファストフード店がいくつかある。東京の下町のような庶民パワーを感じるチリ広場である。
Commented by Moreia at 2008-07-13 19:58
お腹が減っているときあの前を通ると、ウインドウに目がクギヅケになってしまいます・・・・しかし、中にいるガテン系の視線に圧倒されてまだ入ったことがありません、うちの旦那は時々テイクアウトをしていますが。
灯台下暗しだったか・・・
Commented by おっちゃん at 2008-07-13 21:56
去年あたりから、日本じゃ大食いブームで、か細い大食いタレントが、活躍しています。誰かテレビ局のディレクターさん、タレントをポルトガルにやって大食いロケをして下さい(笑)。
Commented by caldoverde at 2008-07-14 08:29
ここらでTV番組などで紹介してもらい、ポルトガルに来る人が増えるといいですが。リスボン大学の先生が引率する全食事つき国内3泊4日の旅行では胃袋が破裂するかと思いました。日本人向けツアーでは量は加減してあります。
Commented by ちゅんち at 2008-07-15 02:19
精力的に食べてますねー。何だか最近、食が細くなったと聞いた気もしますが。胃袋健在のようで何よりです。また、CaldoVerdeさんの豪快な食べっぷりを拝見したいものです。
Commented by weller at 2008-07-16 22:13
始めまして。去年の今頃ポルトガルを個人旅行して以来ポに魅せられています。ポの方ってガタイは小さいのに、ホント食事量が死ぬほど多いですね。毎回食事は4人で4品(前菜2品、メイン2品)しかとれず、10日間で一度もドルチェにたどり着けませんでした。でも、お店の方は、どこかの国と違って嫌な顔ぜんぜんされなかったのが嬉しかったです。

Commented by caldoverde at 2008-07-19 04:58
昔は甘いものは別腹だったけど、今は2,3回に1度しかデザート食べてないよ。というと毎日1度は必ずデザートを食べてることになるか。
Commented by -Bom- at 2008-07-22 13:55
こんにちは…
しばらく見ない間にずいぶん更新されていましたね。
ここでまとめてコメントしちゃいますね。

ヴィラ・ド・コンデの工芸市! ん?アヴェイロだったかな??
写真を撮ろうとしたら、「日本人はすぐ真似をするから撮るな」
と、エラい剣幕で怒鳴っていたババアっ 失礼老婦人がいましたっけ…

ホットライムピクルスって、ひょっとしてインドのライムアチャールのこと?
だとすれば、当然カレーと一緒に食べるものですが違っていたらごめんなさい。興味があれば次回里帰りの時にご馳走してあげるよ。
 カレーといえば、そうめんにカレーをかけるって言う手もあります。
インド風のサラサラカレーに限りますが、リスボンでも手軽に作ることが
できると思いますよ。クミン、コリアンダー、ココナツミルクがあれば
何とかなるし。

そうそう、以前話題になっていた蛸の缶詰をゲット!
近所の酒のやまやで売ってました。
RAMIREZ社製です。TABYのオイルサーディンは
前から売ってるんだけど、まさか蛸まであるとは…
ご近所にやまやがある方は是非行ってみて下さい。

ではでは、長々と失礼致しました。
Commented by caldoverde at 2008-07-23 17:12
Bomちゃん お久しぶりです。過労死してないか心配だったのですが、
お元気で何より。
工芸市で、そういえばありましたっけねそんなこと。もう16年前になりますか。
RAMIREZの缶詰、余裕のない時のワインのつまみによくお世話になっています。タコ缶やイワシ缶美味いです。
8月に仙台に帰るのでまた飲みましょう。
Commented at 2008-07-24 07:59
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by caldoverde | 2008-07-13 00:11 | ファストフード | Comments(9)