メタボステーキポルトガル風
2008年 09月 07日
小国でありながら世界で最も豊かな(肉付きの人々の)国のひとつであるポルトガルでは、連日のようにこの問題がマスコミで盛んに議論されている。学校ではチョコレートバーを売る自動販売機は撤去された。スーパーには「ライト」と銘打った食品が並ぶ。コレステロールを減らすという食用油がTVでさかんに宣伝されている。いろんな人がファストフードはカロリーが高いからとりすぎに注意しろと啓発している。車で立ち寄ることができたり、電話ひとつで配達してくれるファストフードは確かに現代のポルトガル人の中性脂肪増進に寄与しているだろうが、じゃあ、伝統食はどうなんだ?
とあるビールメーカー経営のレストランでポルトガル人の友人と昼食をとった。彼は10年前知り合った時は中肉中背の好男子であった。2ヶ月に1度くらいの割合で会うが、ある時期から会うたびに太りつつあるような気がし始めた。先日1ヶ月ちょっとの帰省を挟んで再会すると、それは確信に変わった。
親日家の彼は日本食が好きでよく寿司バイキングに行く。寿司バイキングをやっている店はもちろんガイジンの寿司職人である。私も時々誘われるが、寿司は日本人の作っている店でしか食べたくないし、バイキングは作りおきだしどうも食指が動かない。第一もうバイキングで元を取れるほどたくさんは食べられないのだ。彼は寿司はヘルシーだと言っていた。ひょっとしていくら食べても太らないものだと考えているのではないだろうか?最近の日本食ブームは、日本食のほうが儲かるともくろんだ中華レストランからの転向に加え、ポルトガル人の健康志向と日本食への誤解もその要因だろう。
また友人は高校生のときアメリカに1年ほど住んでいたので味覚も微妙にアメリカンで、ワイン嫌いのビール好き、ポルトガル人の大好きなオリーブの実が苦手でステーキの類が好物だ。痛風を誘発する組合せだ。私は肉には消化を手伝う赤ワインでないと食べるのが困難なのだが。
この日もビール会社のレストランなので、飲み物は当然ビールしかない。食べ物は何種類もあるステーキが主力である。その中で友人が薦めるのはポルトガル風ステーキというものであった。何をもってポルトガル風とするのかは未だに良くわからない。メニューによると他のステーキは基本的に肉とソースだけで、付け合わせは別料金のサイドメニューで注文しなくてはならないが、ポルトガル風は生ハム、ニンニク、ピクルス、フライドポテトがついていて、ビネガーソースで味付けされている。全部付いているので他のものに比べるとお得である。2人ともこのポルトガル風ステーキにしたが、友人は更に目玉焼きを追加した。ステーキに目玉焼きを乗せたものはビトックと呼ばれ、どのレストランにも必ずあるものである。

皿ではなく鍋(!)に入ったステーキはほとんど黄金色のフライドポテトに埋まっている。堂々とした厚みの肉の上にはピンクの生ハムが覆いかぶさっている。粒のニンニクがキツネ色に揚げられている。人参やカリフラワーのピクルスがアクセントを添える。底にはボルドー色のソースが肉やポテトを浸している。相当なボリュームだ。全部食べたら何カロリーなんだろう…
肉料理を食べるときは、普通の肉用のナイフの他にノコギリのようにギザギザの歯のついた木製の取っ手のナイフが用意される。それだけ肉が切りにくいということだ。ポルトガル風ステーキもこのノコギリナイフでかなり力を入れないと切れない。ようやく切った肉片は頬張るとほっぺたがリスのように膨らむほど大きくて、噛んでも噛んでも千切れない。顎の筋肉がこわばってきたのでビールとともに無理やり流し込んだ。
いい色に揚がったポテトはビネガーソースにつけて食べると美味い。どちらかというと肉より美味い。いや、ソースが良いせいか?友人はパンにソースを付けて食べている。私も白いご飯が食べたくなる危険な味だ。私は我慢してポテトは3分の1残したが、友人は目玉焼きを別に頼んでいる。ビタミンを補給すべき野菜はゼロである。
味のほうは、残念ながら先日旅行したアソーレスのビーフや、予算不足のため数枚の薄い焼肉しか食べられなかった松坂牛には遠く及ばなかった。友よ、ごめん。しかし彼は非常に満足そうに肉とフライドポテト全て、目玉焼きも平らげ、皿に残ったソースもパンで拭った。
「ポルトガル風」と名づけているからには国民の嗜好を十分リサーチし研究を重ねて開発されたメニューに違いない。人々が慣れ親しんだ、家庭に代々伝わる伝統の味、特定の地域に偏ることなく、あらゆる年代層から支持される味、それを「ポルトガル風」と呼ぶのかも知れない。そして長年「ポルトガル風」を実践した結果、ユーラシア大陸の果てに位置するこの小さな国は輝けるヨーロッパ一のカロリー摂取国となったのだ。
とあるビールメーカー経営のレストランでポルトガル人の友人と昼食をとった。彼は10年前知り合った時は中肉中背の好男子であった。2ヶ月に1度くらいの割合で会うが、ある時期から会うたびに太りつつあるような気がし始めた。先日1ヶ月ちょっとの帰省を挟んで再会すると、それは確信に変わった。
親日家の彼は日本食が好きでよく寿司バイキングに行く。寿司バイキングをやっている店はもちろんガイジンの寿司職人である。私も時々誘われるが、寿司は日本人の作っている店でしか食べたくないし、バイキングは作りおきだしどうも食指が動かない。第一もうバイキングで元を取れるほどたくさんは食べられないのだ。彼は寿司はヘルシーだと言っていた。ひょっとしていくら食べても太らないものだと考えているのではないだろうか?最近の日本食ブームは、日本食のほうが儲かるともくろんだ中華レストランからの転向に加え、ポルトガル人の健康志向と日本食への誤解もその要因だろう。
また友人は高校生のときアメリカに1年ほど住んでいたので味覚も微妙にアメリカンで、ワイン嫌いのビール好き、ポルトガル人の大好きなオリーブの実が苦手でステーキの類が好物だ。痛風を誘発する組合せだ。私は肉には消化を手伝う赤ワインでないと食べるのが困難なのだが。
この日もビール会社のレストランなので、飲み物は当然ビールしかない。食べ物は何種類もあるステーキが主力である。その中で友人が薦めるのはポルトガル風ステーキというものであった。何をもってポルトガル風とするのかは未だに良くわからない。メニューによると他のステーキは基本的に肉とソースだけで、付け合わせは別料金のサイドメニューで注文しなくてはならないが、ポルトガル風は生ハム、ニンニク、ピクルス、フライドポテトがついていて、ビネガーソースで味付けされている。全部付いているので他のものに比べるとお得である。2人ともこのポルトガル風ステーキにしたが、友人は更に目玉焼きを追加した。ステーキに目玉焼きを乗せたものはビトックと呼ばれ、どのレストランにも必ずあるものである。

皿ではなく鍋(!)に入ったステーキはほとんど黄金色のフライドポテトに埋まっている。堂々とした厚みの肉の上にはピンクの生ハムが覆いかぶさっている。粒のニンニクがキツネ色に揚げられている。人参やカリフラワーのピクルスがアクセントを添える。底にはボルドー色のソースが肉やポテトを浸している。相当なボリュームだ。全部食べたら何カロリーなんだろう…
肉料理を食べるときは、普通の肉用のナイフの他にノコギリのようにギザギザの歯のついた木製の取っ手のナイフが用意される。それだけ肉が切りにくいということだ。ポルトガル風ステーキもこのノコギリナイフでかなり力を入れないと切れない。ようやく切った肉片は頬張るとほっぺたがリスのように膨らむほど大きくて、噛んでも噛んでも千切れない。顎の筋肉がこわばってきたのでビールとともに無理やり流し込んだ。
いい色に揚がったポテトはビネガーソースにつけて食べると美味い。どちらかというと肉より美味い。いや、ソースが良いせいか?友人はパンにソースを付けて食べている。私も白いご飯が食べたくなる危険な味だ。私は我慢してポテトは3分の1残したが、友人は目玉焼きを別に頼んでいる。ビタミンを補給すべき野菜はゼロである。
味のほうは、残念ながら先日旅行したアソーレスのビーフや、予算不足のため数枚の薄い焼肉しか食べられなかった松坂牛には遠く及ばなかった。友よ、ごめん。しかし彼は非常に満足そうに肉とフライドポテト全て、目玉焼きも平らげ、皿に残ったソースもパンで拭った。
「ポルトガル風」と名づけているからには国民の嗜好を十分リサーチし研究を重ねて開発されたメニューに違いない。人々が慣れ親しんだ、家庭に代々伝わる伝統の味、特定の地域に偏ることなく、あらゆる年代層から支持される味、それを「ポルトガル風」と呼ぶのかも知れない。そして長年「ポルトガル風」を実践した結果、ユーラシア大陸の果てに位置するこの小さな国は輝けるヨーロッパ一のカロリー摂取国となったのだ。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
うーむ。
大体このポルトガル風ステーキは、生ハムが乗って、周りが輪切りのポテトで囲まれ、ソースに浸っていると言うのが共通点と見ました。
また、ポルトガル風という言葉で共通するのが、ポルトガル風ポーク。
荒ミジンになったピクルスが(一応)色合いを添えている所がポルトガル風なのでしょうか。
でも、ポルトガル風コジードにはピクルスは入ってないしねぇ。
油気の無い赤身なビーフのレアが好きなワタシとしては、二度と生涯頼むことは無いだろうメニューでありますが、日本のアジや鮭の塩焼き定食といった定番らしいですね。
ただ、昔、何かの雑誌の記事でフランスでも定番はポテトフライ添えステーキだって読んだことがあります。
大体このポルトガル風ステーキは、生ハムが乗って、周りが輪切りのポテトで囲まれ、ソースに浸っていると言うのが共通点と見ました。
また、ポルトガル風という言葉で共通するのが、ポルトガル風ポーク。
荒ミジンになったピクルスが(一応)色合いを添えている所がポルトガル風なのでしょうか。
でも、ポルトガル風コジードにはピクルスは入ってないしねぇ。
油気の無い赤身なビーフのレアが好きなワタシとしては、二度と生涯頼むことは無いだろうメニューでありますが、日本のアジや鮭の塩焼き定食といった定番らしいですね。
ただ、昔、何かの雑誌の記事でフランスでも定番はポテトフライ添えステーキだって読んだことがあります。
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フレンチ・パラドックスというのがあって、バターやクリームをたっぷり使った料理を食べるフランス人は意外とコレストロールが少ないそうです。ワインを飲むせいだと言われています。
ポーチュギース・パラドックスとは、ポルトガルに行くと痩せられるという説です。成人の半数が肥満なので、標準体重を少々オーバーした位ならスマートに見えます。私が実証済み。
ポーチュギース・パラドックスとは、ポルトガルに行くと痩せられるという説です。成人の半数が肥満なので、標準体重を少々オーバーした位ならスマートに見えます。私が実証済み。
いつもびっくりするのが病院食です。入院中の舅のご飯をみたら、これがビーフかチキンにパラパラご飯、それにデザートですもん。野菜なんか出ませんよ。手術3日目にしてこれをモリモリ平らげる病人もすごいと思いますけど(笑)あ、ちなみに「おやつ」は紅茶にお菓子が出てきました・・・どういうカロリー計算をしているんだろうね。
フランス人はカロリーの高い食事だけど、そんなに大食ではないような気がします。生クリームを使わない地方もあるしね、むしろチーズは欠かさないで、ワインを何種類も飲むって感じがしました。
ポルトガルは塩分の取りすぎにも問題があるような感じですね。
フランス人はカロリーの高い食事だけど、そんなに大食ではないような気がします。生クリームを使わない地方もあるしね、むしろチーズは欠かさないで、ワインを何種類も飲むって感じがしました。
ポルトガルは塩分の取りすぎにも問題があるような感じですね。
いや、確かにこちらに来て住んで1ヶ月で3キロ痩せ、3ヶ月で吹き出物もなくなりました。
昔、日本に居た時はお菓子で生きてたようなモンだったのが、こちらで余りの甘さで食べられず、すっきりしてしまったのでした。
因みに今日の夕食はビトック。
ポル風ステーキとの違いは、イモが細切り、ゴハンと少しでもサラダも付いてる、ソースが無いということかと思いますが、思えば約20年前に初めてここに遊びに来たときにいわゆる名物料理が塩辛すぎて食べられず。後半は毎日ビトック食べてました。旗を立てたいメデタさですが。
当時は普通のナイフで肉が切れず、食べても噛み切れずだったのが、今は楽にナイフで切れて噛み切れます。ポル人の肉の処理が上達したのか?ワタシの指の力とあごの力が増大されたのか?
後者のような気がしてます。
昔、日本に居た時はお菓子で生きてたようなモンだったのが、こちらで余りの甘さで食べられず、すっきりしてしまったのでした。
因みに今日の夕食はビトック。
ポル風ステーキとの違いは、イモが細切り、ゴハンと少しでもサラダも付いてる、ソースが無いということかと思いますが、思えば約20年前に初めてここに遊びに来たときにいわゆる名物料理が塩辛すぎて食べられず。後半は毎日ビトック食べてました。旗を立てたいメデタさですが。
当時は普通のナイフで肉が切れず、食べても噛み切れずだったのが、今は楽にナイフで切れて噛み切れます。ポル人の肉の処理が上達したのか?ワタシの指の力とあごの力が増大されたのか?
後者のような気がしてます。
私の昨日の昼食も、息子のスポーツイベント参加の為
強制的ビトークでした。ビトークしかないって、ひどくね?
ここのビトークは、生クリーム風ソースが少々、ご飯とポテト
つき。サラダついてなかったけど、普通(今の?)
ビトークにはサラダはついてないよ。
やはり、これがあればビトークを名乗ってよし!っていう違いは、
目玉焼きだけかと・・ これだけはどこ行ってものってるもんね。
強制的ビトークでした。ビトークしかないって、ひどくね?
ここのビトークは、生クリーム風ソースが少々、ご飯とポテト
つき。サラダついてなかったけど、普通(今の?)
ビトークにはサラダはついてないよ。
やはり、これがあればビトークを名乗ってよし!っていう違いは、
目玉焼きだけかと・・ これだけはどこ行ってものってるもんね。
みなさん、ステーキに思い入れあるんですねえ。イタリアの地鶏も噛み切れない固さということですし、欧州の家畜は健康なのでしょう。日本の牛は脂肪が多くて不健康ですな。卵もそちらのは濃いのではないのですか?
卵は8月の日記「闘牛とビフテキ」の写真を見ていただくと判るように、オレンジ色に近い黄身の色です。
2,3年前は旱魃で牛が餓死した所もありました。肉の硬さと気候は関係あるのかな?
2,3年前は旱魃で牛が餓死した所もありました。肉の硬さと気候は関係あるのかな?
by caldoverde
| 2008-09-07 14:16
| 肉料理
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Comments(9)

