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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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リスボン、シネマの都

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 ポルトガルではクリスマスと元日はお店はどこも休み。ポルトガル人の生命維持装置であるカフェでさえ、この日に開いているところを探すのは困難を極める。街は閑散としている。唯一営業しているのは映画館だ。

 ポルトガルは比較的映画が安い。ショッピングセンターには映画館があり、5ユーロから6ユーロで最新の映画が見られる。また、シネマテカという映画の博物館では非常に安い料金で珍しい映画や歴史に残る名作を見ることができる。月ごとにテーマが設けられ、それに関連する映画が日替わりで上映される。日本の監督の特集も時々行われる。私はここで初めて小津安二郎や黒澤明の映画を見た。リベルダーデ大通りからちょっと入ったところにある、瀟洒なお屋敷を改装した建物で、素晴らしいアラブ風の吹き抜けと、古い映画のポスターが壁に飾られたお洒落なカフェがある。

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 残念なことにリスボンの名画座はこの10年間の間に次々と姿を消してしまい、皆同じようなハリウッド娯楽映画を上映するシネコンばかりになってしまった。館主がこだわりを持って選んだ良質の作品を見せていた、古くて汚いが格安の入場料の映画館はほぼ絶滅した。

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 街には映画の黄金期に作られた歴史的な映画館のいくつかが、他の用途に転用されたり、廃墟となって残されている。エストレーラ大聖堂から市電が坂を上っていく途中、板塀に囲まれ、窓をレンガで塞がれたPARISという昔の映画館の残骸がある。落書きだらけで朽ち果てて今にも倒壊しそうだ。こんな状態になってもう何十年も経っている。なぜ市は放置しているのだろう。1930年代のアールデコ様式のこの建物は、市の文化財のひとつとして捉えられているらしく何度も保存改修の話が出ているが、未だ手付かずのままである。かなりいい場所にあるので、マンションを建てれば高く売れるはずなのだが。こんなになるまで取り壊しが行われないのは、法律や権利に関する問題のほかに、リスボン市民のこの古い映画館に対する愛着がよほど深いのだろう。おやつや弁当を持ち込み家族連れでやって来る庶民、スーツを着た男性に手を取られて自家用車やタクシーから降りる毛皮の女性、市電の外側に掴まってただ乗りし他の観客に紛れ込んでただ見するいたずら小僧たちで賑わい、まさに「ニューシネマ・パラダイス」の世界だったに違いない。ヴィム・ベンダースの映画「リスボン・ストーリー」にもこの映画館が登場する。



音楽はマドレデウス。日本の車のCMソングに使われたのが、この「海と旋律」




 このパリ座の廃墟の向かいにカフェがある。一日に一度はバスの窓から見たり、近くを通りかかったりするのだが、特に入る気の起こらない超平凡なカフェだった。ところが昨年改装し、シックでノスタルジックなお店に変身した。看板は映画の一場面らしき男女の写真。道に面したガラス窓には、古いブリキの菓子箱。店内には映画のスチール写真が飾られ、内装は木を使い(普通は新建材やプラスチック)いかにも古い映画に出てくるバーのようである。シネマが再建され、その前を市電が走るのを眺めながらコーヒーを飲むのはどんなに素敵だろう。リスボンの名物カフェになれるのだが。ところがせっかく改装したこのカフェ、クリスマス休暇を延長中で、何の張り紙もなく閉まったままである。誰かシネマ・パリスとカフェ・ルア・ノヴァを救ってくれないだろうか。

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直径15cmはある特大クッキーはもう食べられないのだろうか。

Commented by jojo at 2009-01-07 19:07
そんなカフェあったんだ。シネマパリスも全く知りませんでした。
222が閉まった時は悲しかったけれど・・
この間閉まっちゃったのはNIMASだっけ。本当に、
ああいう小規模な素敵な映画が見れて、落ち着ける映画館どんどん
なくなっちゃうね。
バイロ・アルトの、ノルテ通りに、鳥かごがいっぱい下がった、
きったない老人達の憩いの場みたいなカフェがあったんだけど、
これも改装されて、小奇麗になっちゃって・・好きだったんだけどなぁ。
私にとってのリスボンの良さって、そういう古くて、味のあるところ
なんだけど・・洗練されたお洒落な場所を求めてたらこんなとこ
おらんわい。
Commented by caldoverde at 2009-01-07 21:39
nimasは最近設備をグレードアップして再オープンしました。私も222好きでした。日曜はインド映画をやっていて、バングラ人の同僚と観に行ったことがあります。ボリウッド映画、長いけど面白いですね。
そうなんですよ。古くてダサくて緊張感のないところがいいんですよ、ここは。
Commented by Moreia at 2009-01-08 01:55
残るはKingのみですかね・・・地下の本屋さんも好きです。
最近は若いアーチストなどが数人でカフェを始めたりして、結構話題になってますが、やっぱり素人なんでメニューがいまいちだったりします。
むしろ外国人がはじめたカフェに行列ができたりしてますよね。(シアードや大聖堂裏のオーストリアカフェとかね・・・)
去年、バイシャの裏道にすごく綺麗なアールヌーヴォーのLeitariaを見つけましたが、出してるものは他のカフェと同じでした。絞りたての乳でも出してくれればいいのになぁ・・・リスボンて、やっぱりレトロに責めてほしいですよねぇ。
Commented by miya at 2009-01-08 15:54
リスボンとマドリツドの街の変化の様子、似ていますね。
古きよきものがなくなって残念な事ばかりです・・
映画館も郊外の大きなものばかりで街中の古いけど趣のある映画館は軒並み閉館となりました。
Commented by caldoverde at 2009-01-08 19:46
リスボンにスターバックスが出来たけど、あんなの邪道だと思います。コーヒーはやはりポルトガルかブラジルのカフェが正しい!私は日本ではドトールコーヒーですね。でもオーストリアカフェでザッハートルテは食べたいかも・・・
Commented by jojo at 2009-01-09 19:18
え~!スターバックス、どこにできたの??
全然知らなかったよ~。
私好きなの~スターバックス(あ、最初のコメントは
忘れてください。)!
ところで、ドトールと言えば、むか~しCARMO通りに、スペル
忘れたけど明らかに「ドトール」と読める、通り沿いに面して
ガラス張りになったカフェがあったんだけど、アレってドトール
だったの?もう何年も前に閉まって今も廃墟だけど。
どなたか記憶にない?
Commented by Moreia at 2009-01-09 22:26
横レス失礼しますが・・・スターバックス、べレンのパステイスの並びにあるよね・・・私もceldoverdeさんと同じで、カフェに関しては保守派(伝統主義者)です。JoJoさんの言うドトールだったかもしれないカフェって、ZARAの並びでしたよね?あっという間に潰れたような。チェーンぽかったのは覚えています・・・
Commented by おっちゃん at 2009-01-10 08:01
映画館がシネコンになっているのは、日本も同じです。しかし、この頃のハリウッド映画はつまらないですね。日本ではすっかり人気がなくなりました。リメイクやシリーズものばかりで…。そういえば、リチャード.ギアが忠犬ハチ公をハリウッド映画にするそうです。ギアのお父さんを待ち続けるアメリカン秋田犬のHatchの話らしいです。
初売りで子供がドトールの福袋を買ってきました。やはりコーヒーはコーヒー屋、スーパーの挽き売りより格段に美味しいです。
Commented by caldoverde at 2009-01-11 00:52
学生時代は、よく仙台の一番町の「名画座」に行きました。ぼろいけど安くて良い映画やってました。リチャード・ギアって、「シャル・ウィ・ダンス」のリメイクにも出てましたよね。絶対オリジナルの日本版の方がいいと思います。ハチ公の映画なんて、全然楽しみじゃないなあ。
Commented by ちゅんち at 2009-01-11 02:25
Zaraの並びのガラス張りのカフェ。万博の前か後の冬に入った覚えが。
でもそれだとGarrett通りなのだが。
すぐに閉店、名前は失念。
ところで、このシネマParisの並びにある居酒屋のつまみが美味い。
しかし、それも6年前の話で今もあるのか不明です。
光陰矢のごとし。
Commented by Moreia at 2009-01-11 11:23
池袋文芸座、馬場の早稲田松竹で三本立てとか見る体力が昔はありましたよねぃ。たいてい「天井桟敷の人びと」とか「灰とダイヤモンド」とかの古典は、そういうとこで網羅したもんです。
リチャード・ギアっていい人の役が多すぎて飽きませんか、悪役ができないのか?
Commented by caldoverde at 2009-01-11 19:55
Paris のそばの居酒屋、まだあります。以前は夜遅くまでビールを飲む若者とおじさんで賑わっていましたが、女一人では入って行けない雰囲気でしたので食事したことはないです。
Commented by jojo at 2009-01-12 21:42
>ちゅんちさん
そうだそうだ、garret通りだった。

caldoverdeさん、ゲイバーにすら一人で行ったあなたが
なに言いますか!
でもおいしいのなら今度一緒に行こう。
Commented by ちゅんち at 2009-01-12 23:30
Parisそばの居酒屋、名前にBotaってついてたかしら?なんか生ビールが長靴型のグラスで出てきたようなおぼろな記憶。
何せ、1回目と2回目のフラメンコ発表会の後に立ち寄ってるのだった。
Commented by caldoverde at 2009-01-13 19:03
当たり。居酒屋はBOTAS ALTAS(長靴)とかそんな名前。
こらこら、私はゲイバーには行ったことないよ。バイロアルトのゲイグッズを売る店に入ったことはあるけど。
カフェLUA NOVAは2月に再開するようです。
Commented by ミチル at 2009-09-08 09:26
リスボン行き決めましたのでアドバイスしてください。
リスボン三日間フリータイムの計画では、アヴェイロ、カスカイス
リスボン市内メトロとトラムで廻りたいです。
映画資料館もあるらしいけど、ご存知ですか?
Commented by ミチル at 2009-09-08 09:36
愛と旋律、大好きです。『リスボン物語』に出演しててファンになり、
来日コンサートも聴きました。ここで聴けるなんて思いもしなかった!
ありがとうございました。
Commented by caldoverde at 2009-09-08 15:10
ミチルさん、ダウンロードした「海と旋律」の動画は観られなくなってしまいましたので、上のバーにマドレデウスと入力して画像を検索してください。
映画資料館とは上の写真のCINEMATECA PORTUGUESAのことだと思います。
ポルトガルを3日間フリーで過ごすなら1日目リスボン、2日目カスカイス+シントラ、3日目思い切ってポルトに行ってみては如何でしょう。
2日間リスボンでダラダラ過ごすのもいいと思います。
Commented by caldoverde at 2009-09-08 15:13
カフェLUA NOVAは経営者が代わって再開しました。
巨大クッキーはもうありませんが。
Commented by ミチル at 2009-09-08 20:26
早速のコメントありがとう!シネマを観てリスボンに行ったのが10年前でした。
マノエル・デ・オリヴェイラの『階段通りの人々』でした。アルファマ地区でリスボンに魅了されたわけです。
シントラとポルトはツアーで行きましたから、アヴェイロとカスカイスに二日
費やし
最終日にリスボンをゆっくり巡ろうかと考えてます。
ただ、今回は一人なので少し不安もあります。
エールフランスでパリ乗り継ぎでまいります。
ホテルの位置が直前まで決定しませんので空港からタクシーに乗ろうか?
大丈夫でしょうか?
マドレデウスはCD持ってますから聴いてます。
いろいろありがとう!
Commented by ミチル at 2009-09-08 20:32
海と旋律、聴けてます。この映画にオリヴェイラ監督が出演してたのですよ~
また、伺わせてくださいね。
by caldoverde | 2009-01-07 08:50 | カルチャー | Comments(21)