ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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復活祭とチョコレート

 もうすぐ復活祭(イースター)らしい。らしい、と言うのは毎年違う日付の移動祝祭日なので、いつも直前になるまではっきりした日にちが判らないからだ。敬虔なキリスト教徒なら、前年から次の年の復活祭がいつになるかちゃんとチェックし、イースター休暇の旅行の計画を立てているはずだ。異教徒の私はスーパーやカフェに卵やウサギの形をしたチョコレートが並び始めて、ようやく復活祭が近づいていることを悟る。

 観光の仕事中、お客様から「お土産に買いたいのでポルトガルのチョコレートのメーカーを教えてください」という質問を受けることがあるが、答えに窮してしまうことが多い。ポルトガルはベルギーやスイスのようにチョコレート加工生産の伝統があるわけではないし、もちろんカカオの産地でもない。それは理解している上で、せめてポルトガルに行ってきたという証拠に職場や知り合いに配る義理土産、保存が利いて持ち運びしやすく手ごろな値段のものとして、ポルトガルのチョコレートをという気持ちはよくわかる。しかし普通のスーパーや食料品店、カフェにあるチョコレートは多国籍企業の大メーカーのものがほとんどである。ポルトガル国産のチョコとなるとなかなか見つからない。どこ産のチョコでもいいから、パッケージにベレンの塔やニワトリのイラストを印刷したものをお土産屋に置いてくれれば、日本人観光客はだいぶ助かると思うのだが。

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Imparial社のアーモンドチョコRegina、卵チョコ(中は空洞)のFantasias、コインブラで今でも作られる元祖金平糖

 では、ポルトガルのチョコレートメーカーは全く存在しないかと言うと、全生産量の何割かを外国に輸出しているチョコレート工場があるのだ。北部のヴィラ・ド・コンデという町のインペリアルという会社だ。この会社はJubileu、 Regina、Fantasias等のブランド名でそれぞれ違うタイプのチョコレートを生産している。しかしこの会社のチョコが私のアパートの下にもある全国で最も多い店舗数を誇るスーパーに並ぶのは、春の復活祭と冬のクリスマスの時期だけである。(ヴァレンタインデーはポルトガルでは今のところそれほどチョコレートの需要は大きくない。)
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一粒一粒個性的なポルトガルの金平糖

 さて、復活祭のお菓子というと日本の金平糖と語源を一にするコンフェイトと呼ばれるアーモンド菓子が代表的だ。砂糖やチョコレートでコーティングしたアーモンドはいかにも春らしいパステルカラー。殻付きゆで卵を練りこんで焼いたパン、フォラール・デ・パスコアや、チョコレートで出来た巨大な卵もカラフルな包装に包まれて店頭を賑わす。どれも卵型、または卵そのものを使ったものばかり。これはキリストが再び蘇る日である復活祭のシンボルが、生命の再生、誕生を表す卵であるからだそうだ。
 そしてもうひとつのシンボルはウサギである。生命の誕生や子孫繁栄を願う古代人の信仰をキリスト教が取り込んで、繁殖力旺盛なウサギを復活祭のシンボルにしたそうで、大小のウサギ型チョコレートもスーパーの特設コーナーにひしめいている。

 復活祭用のウサギ型・卵型のチョコやアーモンドチョコ、クリスマス用のサンタクロース型・ツリー型のチョコがインペリアル社の主力商品である。またこの種の商品を作る零細企業も意外と多い。したがって復活祭とクリスマスの前後はポルトガル産のチョコが比較的容易に手に入る。

 しかし、いつまでも伝統にこだわっていては新しい購買層の獲得は難しい。今年のイースターにはついに卵やウサギの以外のキャラクターが登場した。それは、ご存知Hello Kittyである!日本生まれの人気キャラクターがついにキリスト教2千年の伝統に殴り込みをかけた!しかも復活祭とは何の関係もない猫がである!幼児向けのキャラクターとして30数年前日本で誕生したキティちゃんは今やポルトガルの若い女性にも大人気で、リスボンのバイシャ地区にはサンリオショップがオープンし、こちらの携帯電話会社ではキティちゃんのケータイも売られている。チョコの卵と並んだキティちゃんの人形はれっきとしたライセンス商品。復活祭の伝統のない日本ではおそらく売っていないレア物だろう。ところがこのイースターエッグキティは英国の会社の商品で、純粋のポルトガル土産とは言えないところが難である。もっともキティファンにはそんなことは関係ないだろう。
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特別出演、近所の猫ゴルムさんとイースターキティ
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Commented by おっちゃん at 2009-03-29 21:09 x
もう当ブログも二周年ですね。月日のたつのの早いこと。いつも楽しい話題有難うございます。
猫とウサギは、近いですね。中国だか、どこかアジアの国の一部では、ウサギ年の代わりに猫年があると聞いたことがあるような?猫も繁殖力おおせいだしね。
Commented by caldoverde at 2009-03-30 04:25
このイースターキティを買い占めてネット販売しようかと思ったら、翌日売り切れていました。キティ恐るべし!
2年目を機に記事をカテゴリ別に分類しました。どれが面白かったか、役に立ったかアンケートを取りたいと思います。回答者の中から抽選で5名様にリスボンのカフェでのコーヒーにご招待いたします。旅費は当選者のご負担になります。
Commented by miya at 2009-03-31 07:53 x
ゴルムさん、なかなかのハンサム(性別は存じませんが・・)!
思わず見つめてしまいました。
最近のキティ人気、スペインも同じです。
Commented by caldoverde at 2009-04-01 05:54
ゴルムさんは、ときどき記事に登場していただく近所の漫画家ヤマザキマリさんの愛猫です。シリア出身のオスです。
Commented by おっちゃん at 2009-04-01 21:52 x
…ということは、ゴルムさんは日本語を解するのでしょうか?それともイタリア語を?室内猫なら、ポルトガル猫との言語の違いは問題ないのでしょうがね。
by caldoverde | 2009-03-29 02:40 | お菓子・カフェ | Comments(5)