農家ホテルでパン・デ・ロー
2009年 04月 16日
最近新しいデジカメを購入したので、景色の美しいところで気兼ねなくパチパチ撮りたいと思い立ち、緑豊かなミーニョ地方に二,三日遠出することにした。

ポルトガル北部には貴族の邸宅や農家を改装した宿泊施設が多い。大きな看板を出しているわけでもなく風景の中にしっくり溶け込んでいる。規模は10室前後で、施設によっては屋敷または離れを丸ごと一軒家族や友人と借りることも可能である。ただし、交通の便は良くないところが多い。観光の拠点としてのホテルではなく、施設やその周囲の環境そのものを楽しむためのホテルなので、貴族の館(turismo de habitação)なら格調高いインテリアや美しい庭園、農家(agro turismo)なら自然の美しさやアウトドアスポーツが楽しめることがセールスポイント。オーナー手作りの食事などアットホームなサービスが魅力である。

ブラガの町から車で15分ほど走った山あいの村に「キンタ・デ・カショパンイス」という農家ホテルがある。キンタとは農場または豪農の屋敷の意。建物はこの地方独特の灰色の花崗岩を使った総二階建てで、作業場や納屋に使われていた一階には厨房、食堂、集会室、倉庫などがあり、二階が客室になっている。カショパンイス農場の広大な敷地にはオレンジやレモンがたわわに実り、様々な花が庭を彩り、馬・羊・豚・ニワトリが放し飼いにされていて、カントリーライフが満喫できる。プールやテニスコート、自転車もある。近隣には乗馬クラブやゴルフ場もある。ボン・ジェズス教会やペネダ・ジェレース国立公園など有名な観光地も遠くない。
しかし移動は自家用車かタクシー。宿泊客が使えるインターネットの設備はない。テレビ室はあるけど客室にテレビはない。ラジオの電波は届かない。近くにはスーパーもレストランもない、というふうに都会生活から隔絶した環境にある。でもたまにはパソコンから離れ、カフェの甘いものも絶ち、山道を歩いてデトックスするのは健康面でも精神面からも良いことだ。


部屋はポルトガルの伝統的な家具でまとめた簡素なインテリア。窓を開けると広いベランダの向こうにはミーニョ地方の豊かな緑のパノラマが広がる。深呼吸をするとどこからかいい香りが。オレンジの花の匂いだ。早速庭に散歩に出て、花や動物の写真を撮る。


この日の宿泊客は私とスペイン人の家族四人だけで、私が今年初めての泊り客だそうだ。しかも初の日本人である。特に何も出なかったけど。スペイン人家族は車で外へ食べに行ったらしく、がらんとした食堂で私一人の夕食をとる。食事は事前に注文すれば庭に放し飼いになっているニワトリをしめてもらうことも可能だが、一人だけなので何か軽いものを適当にと頼んで出てきたのが、羊肉のミンチの入った揚げ餃子。冷凍食品だろうが量もちょうど良く、付け合せのご飯やサラダもバランスが取れていて満足である。ワインはドウロ地方の良い年のものを取り寄せているそうで、普段自宅で飲む安酒とは違う、濃厚な紫色のボディのある上等なものだ。

朝食は卵料理などのつかない簡素なコンチネンタルブレックファストだが、特筆すべきは奥さん手作りのパン・デ・ローがサービスされることだ。いかにも地鶏の卵を使いましたと言わんばかりに黄金色に輝く元祖カステラは、リスボンのお菓子屋のものよりもずっと味が濃くて美味しい。
昼食も兼ねるつもりで朝食を全部平らげて、近隣の村を散歩する。これで過剰カロリーと運動不足を一気に解消(だといいけど。)


もっとひなびた過疎の村を想像していたが、まだ新しく、庭もよく手入れされた立派な邸宅が多い。スペイン人客も同じ感想を述べていた。この辺の人たちは見栄っ張りで競うように家にたくさんお金をかけるんだ、というのがホテルのオーナー夫妻やタクシー運転手の意見である。
ポルトガル北部の人々は勤勉で、出稼ぎしてお金を貯め故郷に家を建てる。オーナー夫妻も親から引き継いだこの地所を整備し維持するため、5年ほどアメリカで働いたそうだ。

家で飼っていた豚を二日前にしめましたが、夕食にいかがですかと言われれば、それはぜひとも食べてみたい。庭を元気に走り回り、のんびりと昼寝し、土の中の何かや菜っ葉を食べて育った豚ならきっとうまいに違いない。ここで飼われているのは白地にグレーのまだらのあるビザボー種という北部特産の豚だそうだ。
骨付き皮付きのかたまり肉をニンニクやワインで漬け込んで煮込んだ素朴な郷土料理は、生前野原を駆けまわっていたせいか、ちょっと硬かった。正直に言うと、生姜や葱で臭みを取って醤油と砂糖と酒でホロホロに柔らかく煮た角煮にしたほうがよほど美味しいだろう。
今度来るときは台所を借りて日本風豚肉料理を伝授することにしよう。

Quinta de Cachopães www.cachopaes.com/


しかし移動は自家用車かタクシー。宿泊客が使えるインターネットの設備はない。テレビ室はあるけど客室にテレビはない。ラジオの電波は届かない。近くにはスーパーもレストランもない、というふうに都会生活から隔絶した環境にある。でもたまにはパソコンから離れ、カフェの甘いものも絶ち、山道を歩いてデトックスするのは健康面でも精神面からも良いことだ。






朝食は卵料理などのつかない簡素なコンチネンタルブレックファストだが、特筆すべきは奥さん手作りのパン・デ・ローがサービスされることだ。いかにも地鶏の卵を使いましたと言わんばかりに黄金色に輝く元祖カステラは、リスボンのお菓子屋のものよりもずっと味が濃くて美味しい。
昼食も兼ねるつもりで朝食を全部平らげて、近隣の村を散歩する。これで過剰カロリーと運動不足を一気に解消(だといいけど。)


ポルトガル北部の人々は勤勉で、出稼ぎしてお金を貯め故郷に家を建てる。オーナー夫妻も親から引き継いだこの地所を整備し維持するため、5年ほどアメリカで働いたそうだ。


今度来るときは台所を借りて日本風豚肉料理を伝授することにしよう。

Quinta de Cachopães www.cachopaes.com/
初めての日本人! 日本人って何を食うんだべ?確か生魚を食うんでは?米をださねば…、ポルトガル語通じるかしら?英語でしゃべらないと… などといった葛藤があったことでしょうね。きっと。
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ビザボー種・・・Visavoだったから硬かったんじゃないの?(笑
この宿のHP見てみましたが、なかなか立派ですね。プールサイドでハンモックに揺られて読書、なんていいだろうなぁ。動物がいっぱいいるのも癒されますね。今夜どれを食べるか決めさせてくれると、なお良しですね。芳名帳に日本語でサインしてきましたか?
この宿のHP見てみましたが、なかなか立派ですね。プールサイドでハンモックに揺られて読書、なんていいだろうなぁ。動物がいっぱいいるのも癒されますね。今夜どれを食べるか決めさせてくれると、なお良しですね。芳名帳に日本語でサインしてきましたか?
昔ヴィアナ・ド・カステロの貴族の邸宅ホテルに泊まったときも、初の日本人客でした。当主に町の有名なレストランでごちそうになりました。息子の嫁に・・・とは言われませんでした。
昼間元気に庭で遊んでいた動物が、夜お皿の上で湯気を立てているっていいですねえ。石造りの建物は冬寒そう。暖房代わりの猫もいます。
昼間元気に庭で遊んでいた動物が、夜お皿の上で湯気を立てているっていいですねえ。石造りの建物は冬寒そう。暖房代わりの猫もいます。
野生(?)の動物の肉ってやっぱり固いものなのかね。
野生の鳩も、ウサギも店で売られてるものよりは固かったもんね。
あ、でも鹿やいのししはイメージよりずっと柔らかいなぁ。
あ~それにしてもこの鶏ざっくり〆て作ったcabidela、食べたーい!
野生の鳩も、ウサギも店で売られてるものよりは固かったもんね。
あ、でも鹿やいのししはイメージよりずっと柔らかいなぁ。
あ~それにしてもこの鶏ざっくり〆て作ったcabidela、食べたーい!
このホテルの名物料理にpica no chãoというメニューがありますが、jojoさんの言うとおり、たぶんこのニワトリを血と一緒に煮たcabidelaになるんでしょう。
by caldoverde
| 2009-04-16 06:12
| ポルトガルの旅
|
Comments(5)

