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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ポルト 市電とお菓子の旅

 ポルトで市電が復活した。数年前は一本しかなかった路線が、久しぶりに来てみると観光コースも含めて四本になっていた。推定平均時速10km。ダイヤは一時間に二本。交通手段としてはあまり役には立たないが、優美でクラシックな市電で世界遺産の旧市街やドウロ河沿いをのんびりと散歩するのはポルト観光の楽しみのひとつである。

サンフランシスコ教会前から発車する1番線
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 ポルトガルの大阪であるこの街は食い倒れの街でもある。トリパス、バカリャウ、タコの天ぷら、フランセジーニャ等々、大抵の料理はリスボンよりも気前よい大盛りだ。

 一方でポルトにはリスボンよりも洗練された面もある。世界的な建築家やポルトガルを代表するファッションデザイナーやメーカーはポルトを拠点としている。北部はアパレル産業の中心地なので、リスボン市民も洋服や靴・バッグは種類も豊富で比較的安いポルトで買物をするのは頷ける。
 ついでに男性モデルもポルトか北部の出身者が多いようだ。ポルトガルに初めて来た時は美男子が全然いない国だと思ったが、リスボンではなくポルトから入っていたら印象が違っていたかもしれない。
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 ある建築雑誌がポルトの海岸沿いのtaviというお菓子屋を紹介していた。創業1935年の老舗はイタリアの建築家によって、ポルトガルの民間建築の伝統を汲みながら自然とモダニズムを調和させた清潔感あふれるスペースに生まれ変わった。大西洋を望むテラス席、北部特有の花崗岩の石壁とナチュラルな木製の家具、自然光を取り入れた明るい室内、販売コーナーと飲食コーナーを大胆に分割する階段。なかなかオサレである。しかもインテリアに負けず劣らずケーキの写真が涎が出るほど美しい。まるで日本の洋菓子店のケーキのようだ。リスボンに無数にあるお菓子屋のどれひとつとしてこんなケーキを作っている店はない。ぜひこの店で大西洋を見ながら日本風(?)のケーキを食べたい。

市電に乗ってGO


 場所はドウロ河口のフォス地区に近いところで、市電1番の終点からさほど遠くもなさそうだ。taviまでは市電の旅としよう。この日は曇り空で雨が時折ぱらつくいかにもポルトらしい天気なのは残念だったが、わずか三人の乗客を乗せ、対岸のポートワインの工場群、世界最大のコンクリートアーチのアラビダ橋、可愛いアズレージョの小住宅、小さな漁船と漁師たちを眺めながらのんびりと河沿いを走る市電の旅は愉快だ。終点で降り、瀟洒な住宅や公園を見ながら古い城砦を通り過ぎ、海沿いの道から一歩入った小さな商店の並ぶ道をぶらぶら歩くと、海の見渡せる小さな芝生の広場が現れ、その隣に外観はごく普通の店舗兼住宅といったたたずまいのカフェtaviがある。
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 ちょうど雨雲が切れて青空が広がる海に面したテラス席に陣取り、ディジョンのマスタード風味ローストビーフとバナナペーストのクロワッサン、という凝ったサンドイッチを食べた。一皿に、パン、前菜(サラダ)、肉料理、付け合せ(ポテト)、デザート(バナナ)と全部揃ったフルコース。普通のカフェのてんこ盛りとは一線を画した、さすがケーキ屋と思わせる洒落た盛り付けである。
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 しかしデザートがバナナクロワッサンだけでは甘みが足りない。それに元々の目的はケーキなので、食べずに帰るわけにはいかない。冷蔵ケースには、高級レストランのデザートのような洗練されたお菓子が何種類かある。ピンクの饅頭型のバラのムースにも心惹かれるものがあったが、これまた珍しいイチジクのムースを選んだ。二種類のチョコレートを使った濃厚なガナッシェのベースに、プチプチと種が歯に心地よく感じるイチジクのムースを重ね、上にチョコレートの飾りをつけたもの。甘さは控えめだが、かなりこってり系で、小さくても十分満足できる。苦いエスプレッソの他にブランデーも欲しくなった。
 眺めの良い素敵な店で美しいケーキを味わいながら食べる、ポルトの贅沢な午後であった。
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水平線上にカステロ・ド・ケイジョ(チーズの城)が見えるtaviの前の海岸
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Commented by miya at 2009-05-16 15:02
今年、休みが取れたらポルトに行きたい!とほんとに思いました。
最後に行ったのは、確か5,6年前だったので・・
それにしても、いつも素敵な写真ですね。
Commented by caldoverde at 2009-05-17 15:36
車や電車が橋を渡る時、ドウロ河を挟んでポルトの街が徐々に現れる光景は、何度見ても感動的です。上段をメトロと人、下段を車と人が通るドン・ルイス橋は、絶対渡りましょう。橋のそばにある超スローなジェットコースターのギンダイス・ケーブルカーからの眺めも絶景です。
Commented by jojo at 2009-05-18 20:23
このムース可愛いね。
それにおいしそう。
初めてポルト行った時、カフェのショーケースの飾り(?)が
リスボンに比べてずっとどこもきれいなので驚いた記憶が。
やっぱりどこの土地でも北の人の方がやっぱり勤勉、細かいのでしょうか。どこの国に行っても南に行けば行くほど、のんびりおおらか
だらりんとした感じよね。有名リゾート地などの例外もありますが。
Commented by caldoverde at 2009-05-19 05:01
結構重いです、このムース。もっとふわっとしていればもう1つ別のケーキを食べるとこでした。
夕食はポルトの隣のレッサ・デ・パルメイラスで星鰈みたいなロドバーリョという魚を食べました。リスボンでは見ない魚です。さすが港町、新鮮で美味しかったです。
by caldoverde | 2009-05-16 00:51 | ポルトガルの旅 | Comments(4)