鱈の舌(リングァ・デ・バカリャウ)
2009年 05月 19日

ようやく整備が終わりリニューアルオープンとなったケルース宮殿の庭園を見に行った。ポルトガルのベルサイユの異名をとるケルース宮殿は現在も絢爛豪華な調度品で満たされ、各国の来賓が宿泊する迎賓館として使われている。またその庭園はポルトガルで唯一、三つのスタイル(英国式、フランス式、ローマ式)で作られた庭だそうだ。少し前までは植え込みの枝も伸び放題で荒れた印象のあった庭が、きれいに刈り込まれ、彫刻も修復され、噴水や運河にも水が流れるようになった。昔は大きく膨らんだドレスを着た女王や貴婦人が優雅に庭のバラの花を摘むふりをして用を足していたんだろうなあ、と感慨に浸りながら散歩した。
アズレージョで飾られた運河

宮殿を出て軍の建物から町の方面に伸びる道に入るとすぐ、がやがや人声のする間口の小さな大衆食堂風レストランの前を通りかかった。時刻は12時過ぎ。昼食をケルースで食べる予定はなかったが、本日のメニュー「鱈の舌」につい好奇心を抑えられなくなり、家族連れで賑わうご近所食堂にお一人様で突入した。
以前「鱈の顔」を注文し、食べるところが少なくてがっかりしたことがあったが、それを友人に話したら、私の食べ方がもったいないのだ、と指摘された。目玉や骨や皮をしゃぶりつくさなくてはいけないのだと。この「鱈の舌」なら骨や皮がなく捨てるところがないはずだ。また、頬など良く動かす筋肉の部分は美味いと言われてる。しかも1匹に1枚しかない希少な部位だ。リスボンではお目にかかったことがない「鱈の舌」はいったいどんな味だろう。
ポルトガル人は鱈料理には赤ワインを飲む。私もこの辺に住んでいる「通の」外人風を装ってコップの赤ワインを注文し、ちびちびやりながら「鱈の舌」の到着を待った。出てきたものは、モロッコいんげん、丸ごとじゃがいも、ゆで卵、ゆで人参、というおなじみのポルトガル大衆食堂の付け合せセットの中に、透明がかった白い肉のようなものが十切れほど盛られたステンレスの楕円皿。これが本日のおすすめ「鱈の舌」であった。予想はしていたものの、料理以前の、素材をただそのまま出しただけ、といった単純極まりないものだった。いや、こういうシンプルな料理こそ、料理人の素材の目利きや下ごしらえの丁寧さが顕れるものである、と気を取り直し、フォークにぶるるんとした白いかたまりを突き刺し、口の中に入れた。


舌の大きさはちょうど一口サイズだから、串に刺して炭火で焼いたらどうだろう。ネギと交互に刺して、塩またはたれで味付けした焼き鳥ならぬ「焼鱈」、ゆでた鍋ごとテーブルに運びポン酢醤油で食べる「鱈の水炊き」、甘味噌を塗ってオーブンで焼いて「鱈田楽」、醤油で煮た鱈の舌と野菜を炊き込んだ「鱈飯」、ふっくら戻した鱈の舌をバターで焼いた「鱈バター」きゅうりと一緒に酢に漬けた「鱈きゅう」etc. どなたか日本人の板前さん、または日本料理を勉強したポルトガル人のシェフの方、こんなメニューを出す居酒屋をポルトガルに作ってくれますまいか。名前は「鱈福」とか「莫迦良(バカリャウ)」などいかがでしょうか。
豊富なアイディアに脱帽。さすがリスボン随一の食いしん坊だけある!
串に刺して焼くのは魅力的だわ~。あとバター焼きもいけそうだね。
よし、次回シュラスコに舌の串焼きを追加してみよう!
串に刺して焼くのは魅力的だわ~。あとバター焼きもいけそうだね。
よし、次回シュラスコに舌の串焼きを追加してみよう!
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鮫も田楽みそで食べると美味しいそうですよ。そちらでは、淡白な魚が好まれるようですね。
年に一回、旦那の叔母さん宅で「タラ舌三昧」が開催されます。茹でたタラ舌とキャベツ、ゆで卵、茹でジャガ、フェジャォンヴェルデです。
オリーブオイルをたっぷり注いだ「タラ舌」も年に一回なら美味しくてね。タラ舌はプルプルが美味しいと思うけどなぁ、プルプル系がだいじょうぶならね。王侯貴族はコン・ナタとかエスピリチュアルとか、原型をとどめないようなのを食べていたかもね・・・
オリーブオイルをたっぷり注いだ「タラ舌」も年に一回なら美味しくてね。タラ舌はプルプルが美味しいと思うけどなぁ、プルプル系がだいじょうぶならね。王侯貴族はコン・ナタとかエスピリチュアルとか、原型をとどめないようなのを食べていたかもね・・・
by caldoverde
| 2009-05-19 04:46
| シーフード
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Comments(4)

