ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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タスカで年越し

 2009年もあと2日を残すのみとなった。遣り残したことは多い。目標に達しなかったものがありすぎる。刻々と過ぎる残されたわずかな時間で何か達成感を得るようなことはないだろうか。冷蔵庫の整理を思いついたが、既に調味料しか入っていなかった。それならいつ行っても満席だったあの店に一人で行って何か食べてみよう。そうすれば心残りなく年越しができる。午後2時半を過ぎた今ならひとつくらい空席もあるはずだ、と妙案が浮かんだ。遂に数回のチャレンジを経て念願の有名シェフの店「タスカ・ダ・エスキーナ」のテーブルに着くことができた。
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 入り口に近いところはカウンターと背の高いテーブルとスツールがあり、中のテーブル席が空くまで軽いものをつまんで待つようなスペースとなっている。大きなガラス窓のあるテーブル席は白と黒を基調としているが冷たい感じはなく、むしろ親密な感じのするスペースだ。メニューはその日のお勧めがスープと魚料理が各1種類、他に定番の前菜、魚料理、肉料理が数種類ずつある。少し離れたテーブルではカップルが嵩のあるものすごくうまそうなステーキを食べていたが、私の食欲の方は小腹がすいた程度でそれほどボリュームのあるものは必要なかった。しかし、ここでは色んなものをちょっとづつ味わうデグスタシオンが何コースかある。私は自分の胃と懐具合を見ながら、もっとも品数の少ないスープ+3品コースを頼んだ。ついでにこの店ではワインがグラスで飲める。しかも2ユーロ80セントのものからある。前菜も3ユーロ程度のものからあるので、懐をそれほど気にせず一流シェフの味が楽しめる(はずだ。)

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 本日のスープは香草のたっぷり入ったヒヨコマメのポタージュ。ビロードのようになめらかな舌触りと喉ごし、金色に光るオリーブオイルとフレッシュなハーブが香りを添える。

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 小さな器に入った鶉の卵とキノコの前菜。卵の下のプリン状のものはやはり卵の味がする。キャビアに見えるのはみじん切りにしたキノコのソテー。

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 かりっと香ばしい揚げパンの下にはガロウパと言う魚のトマトソース煮。白身魚とトマトの組み合わせは漁師料理のカルデイラーダやカタプラーナでおなじみだが、こちらはおしゃれな帽子をかぶり、地中海のリゾート地で日光浴を楽しむリッチな奥様といった風情。

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 ベルビガンという貝のニンニクオリーブ炒めコリアンダー風味。ポルトガルでは貝料理は絶対砂が入っているだろうと覚悟して食べるが、ここのは全くジャリジャリせず、しかも火を通しすぎずプリッとしている。貝は皿一杯に盛っていても可食部は少ない。しかし皿に残った貝汁をパンに付けて食べるという楽しみがある。

 ヴィトル・ソブラルは居酒屋(タスカ)の値段で気軽に創作料理を食べてもらおうと、高級レストラン主任から、住宅街の一角にこの店を開いた。その目論見は当たり、いつ通りかかっても満席になっている。大衆食堂よりはスノッブだが、高級店よりはリーズナブル。大きなガラス窓は、外からは楽しそうに飲食する人々の姿が見え、中からは市電や道を歩く人を眺めることができる、開放的で親しみやすい環境は、鰻の寝床式に奥行きのある従来のレストランと一線を画している。ただし、一般にポルトガルレストランは大人数であるほど一人あたりの値段が安くなる傾向だが、この店は量が少ないので大勢で行くと品数を多く注文することになり、ワインもグラスから頼めるので、色々飲み比べたくなる。すると高級店と変らない勘定書きが来る可能性も無きにしも非ず。それがヴィトル・ソブラルの狙いかも知れない。私はその手には乗らない。堅実におすすめ3品、グラスワイン1杯、コーヒーのみで、しめて18ユーロだった。勘定書きを良く見たら、パンとオリーブが入っていない。店の人が気づかぬうちにさっさと精算して出てしまおうと良からぬ考えを抱きながら、20ユーロ札を持って会計にいった。すると感じの良い女の子は満面の笑みを浮かべ「ありがとうございます!」と元気に挨拶した。これは当然18ユーロにチップ2ユーロを加えた金額だと解釈した笑みである。私はおつりを請求する勇気がなく、プラマイ0か~と納得しながら店を出た。
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Commented by pato at 2010-01-06 06:13 x
おお、遂に話題の店に行ったのですね。
すごいなー。
カンポ・デ・オウリケは私からすると近くて遠いので、
なんとなく行きづらい感があるのですが。

今年も食べまくってブログの更新に勤しんでください。
Commented by Moreia at 2010-01-06 22:30 x
お喉の調子はいかがですかい?
うむむ、分け合いして安く済まそうというポル人の裏をかいた値段と量設定なのですね。これでお腹一杯にはなりそうもないし、あくまでもワインのつまみ、といった風情。でも、あの熊シェフの思う壺にはまらないかルドヴェルデさんは偉い!ああ、自分ちの台所を出て、美しく美味しい料理を食べに行きたい!!
Commented by caldoverde at 2010-01-07 00:57
30日の午後2時半過ぎに行ったのが勝因でしょう。24日や31日だったら無理だったろうなあ。
この冬は2度も風邪をひいて喉をやられ、ご心配かけました。ずっと寒い仙台ではひいたことがほとんどなかったのですが。リスボンは雨が降っても空気が乾燥してるのか、暖房が要るか要らないかの微妙な気温のせいなのか、咽喉風邪になりやすいです。
「タスカ」の料理は日本料理みたいな小鉢で出てきて、フォークやナイフも小さいです。マイ箸を持っていくといいかも。
Commented by おっちゃん at 2010-01-08 05:34 x
謹賀新年です。新型インフルエンザは大丈夫でした?日本では峠を越えたようですが、やはり今期の風邪は喉にきます。お大事にして下さい。
危急に備えて冷蔵庫はいっぱいにしてたほうがいいですよ(笑)
Commented by caldoverde at 2010-01-08 09:23
賀正!何も正月らしいものは食べなかった三が日でしたが、缶詰の粒餡があるので、そのうちぜんざいを作ってみようと思います。焼ハゼを入れた仙台の雑煮もいいなあ。この前近所の市場でハゼに似た魚を見ました。
Commented by ちいこ at 2015-10-07 05:27 x
今、この店にいます。一緒に旅している母が、今50回目の「足りない」を発しました。1分前に食べた小アジのフライのトマトライス添えがとても美味しかったですが、確かに5倍の量があっても平らげるかも… カーナス(一昨年来た時にcaldoverdeさんのブログ見て行きました)で食べ直そうかなあ。
Commented by caldoverde at 2015-10-07 16:49
95%の日本人はポルトガル料理は量が多い(除団体食)と言っていますが…
確かに「タスカ」はどれもお通しの量ですよね。ガッツリご希望でしたら、ビュッフェです。ロシオ駅のそばのLeão d'Ouroの隣にランチ7€〜8€ぐらいのビュッフェがあり、ポルトガル料理、ブラジル風シュラスコ、サラダなど色々あります。安いので昼時はすぐ満席になります。

by caldoverde | 2010-01-06 03:30 | 話題の店 | Comments(7)