ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:話題の店( 20 )

シェフ・キコのポケもん

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弱冠39歳です

ある暑い日、友人のmoreiaさんに誘われてデパートのエル・コルテ・イングレスにビールを飲みに行った。地下の大衆的なフードコートで一杯1.5€を想定していたが、待ち合わせ場所は最近オープンした7階のグルメコーナーの中にある、有名シェフ、キコ氏の店だった。こういう機会でないとまず自分では行かない種類の店である。moreia さんによると、キコ氏は他にも数軒店を持ち、どれもすごーく美味しいのだそうだ。エル・コルテの店はポケ(ポキ)というハワイ風生魚料理をメインにした店である。


キコ氏はパリのコルドン・ブルーで勉強し、世界中の有名店で修行し、世界中を食べ歩き、TVの料理番組にも出演したポルトガルの若手シェフで、何冊か本も出している。めくってみるとカラフルで美しく繊細でとても美味しそうな料理ばかりだが、自分で作るのは到底無理だ。彼の料理はそれぞれの材料の特徴が際立って、一口食べる毎に驚きがあるとのmoreiaさんの評である。


メニューを見ると、一つ一つの料理の名前がやたら長い。暑くて頭がぼうっとしていたので解読をやめてボーイさんがこれはムイトボンと勧めるもの2品と黒ビールを頼んだ。一つは要約するとタコキムチ、もう一つはハンバーガーだ。


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食べ散らかした後ですみません。甘くないカステラはもう無くなっていました。


お通しに甘くないカステラのようなパンと薄い胡麻せんべいに、キムチ入りバター?と卵黄だけの酸っぱくないマヨネーズのようなものが出て来た。どれも濃厚な味と舌触りだ。



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野菜はシャキシャキ、タコはソフト、何だかよく分からない緑のピュレは滑らか


タコキムチにはタコばかりではなく新鮮な野菜と緑色のピュレがついていて、とても上品だ。上品過ぎて、キムチのパンチが足りない。よく見るとタコにポツポツ赤い唐辛子の破片が見られるので、これがキムチソースなのだろう。moreiaさんはキムチの味がしないとボーイにクレームを付けていたが、私達が慣れ親しんでいるキムチの発酵臭と辛さはポルトガル人にはおそらく耐えられない。まあ、ポルトガル人の味覚に合わせたアレンジなのだろう。でもタコキムチだと思わず、タコサラダと考えると、かなり上等のものだ。



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断面図は強烈な色彩

ハンバーガーの方はmoreiaさんは一口食べて「美味い!」と合格点を得た。まるでマカロンのように綺麗な緑色のバンズは抹茶のパンだ。その間に赤紫のビーツの千切りやら何やら色々な野菜と脂肪たっぷりの黒豚肉が挟んであって、彩りが非常に美しい。一つ一つの材料は厳選され細心の注意を払い調理され一つのまとまりに統合されている。その辺のハンバーガーとは大違いの手間暇かかったものだ。ビールよりもアールグレイの紅茶で頂いた方が似合いそうだ。


このような手の込んだ料理を食べるのは久し振りだ。しかしお金に余裕があったら食べに来るかと言うと…私はタコのぶつ切りに市販の白菜キムチを混ぜたのを白飯にのせてガツガツ食べたり、カンポ・デ・オリークの「レイタリア・コンデスターヴェル」のプレーゴやポルトの「コンガ」のビファナの方が好きかも…貧乏性でスミマセン。


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カンポ・デ・オリークいち美味いレイタリア・コンデスターヴェルのプレーゴ

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ポルトいち美味いコンガのビファナ

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by caldoverde | 2018-08-25 18:47 | 話題の店 | Comments(2)

イチゴの生クリーム添え

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生クリームのような近所の猫

最近、カンポ・デ・オリークに新しいカフェが増えたというのに、生クリーム系のお菓子を扱う店は激減している(私による統計) 。以前ブログに書いた「女公爵」も「イエズス会士」もいなくなった。生クリームっぽいものがあると思えば、植物性油脂だったり、バタークリームだったりする。騙された!ミルクの香り漂う本物の生クリームが食べたいと渇望していたら、意外な所で欲求は解消された。


ペルニル以来しばしば昼食を食べに行くようになった「タスキーニャ」は8€でフルコースの食べられるステキなオヤジ系食堂である。最初に食べて恋に落ちたペルニル(豚の脚)は土曜日のメニューで、開店30分後には売り切れるそうだ。仕方なく他のものを注文するが、ハズレは一回だけで、だいたい美味しい。しかし食べた後、次回はペルニルを食べたいなあと思ってしまう。


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これは当たりのアジのスパニッシュソース。でかいのが3匹も!


そのハズレを食べてしまった日のデザートは梨のワイン煮で、今まで食べた中で一番美味い梨のワイン煮であった。メインの残念感は、デザートで相殺された。作り方を聞こうかと思ったが、特別な秘密はおそらく砂糖の量であろうと、経営者ファミリーの体格を見るにつけ知らない方が良いかもしれないと悟った。


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酔っぱらい梨(ペラ・ベバダ)と申します



金曜日は無いのは解っていながら、心のどこかでペルニルを求めつつ「タスキーニャ」に行ったところ、豚ではなく鴨のもも肉のグリルがあったのでそれを選んだ。

まずスターターは魚のスープである。魚のスープというとトマトベースのものが多いのだが、香草の色なのか野菜の色なのか珍しく緑色をしている。臭みがなく魚の出汁が上品で、これも今まで食べたスープの中で上位に入る美味しさだが、ぬるいのが玉に瑕だ。


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熱々だったらなお美味しいのに


こんがり焼けた鴨のもも肉にはソースがかかっている。ビトック(目玉焼きつきステーキ)にも使われるソースだと思うが、私は肉よりもソースのついたフライドポテトやライスの方が好きだったりする。ダイエットのために、完食は我慢するよう心がけているが、誘惑に打ち負かされることもしばしばである。


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意志の弱い自分に追い討ちをかけるのはデザートで、焼け石に水とは解っているが、なるべくフルーツ系を選ぶようにしている。特に肉を食べた時は消化を助けるパイナップルを選ぶのだが、今日は旬のイチゴがある。ポートワインをかけたものと、生クリームをかけたものがあると言われて、躊躇なく選んだのは、もちろん生クリームのイチゴの方だ。真っ赤なイチゴの上にふんわりと山型に盛った白い生クリームを想像し、口の中は次第に潤ってきた。そして出てきたものは…




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イチゴはどこに?

全く予想を裏切る形状をしていた。イチゴの生クリーム添えではなく、生クリームのイチゴ添えだ。生クリームを食べたいという願望が現実化したのかもしれないが、普通想像されるイチゴの生クリーム添えとは違うと思う。肝心の生クリームであるが、これもかなりもったりと重く泡立てたコテコテのクリームだ。その中に小さく切ったイチゴが隠れていて、クリームとイチゴの割合は6:4くらいであろうか。初めは歓喜しながら食べていたが、次第にペースが落ちてきた。イチゴの酸味を助けにようやくクリームをクリアした。完食後は、もう当分の間は生クリームの渇望感に悩むことはないだろうと安堵した。


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イチゴというよりクリームを食べている状態

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by caldoverde | 2018-04-14 04:37 | 話題の店 | Comments(3)

食欲の秋

ご無沙汰しています。暇つぶしに始めたブログですが、最近あまり暇がなくなってしまいました。いや、暇があるにはあるのですが、ネットを見たりソファで昼寝してそのまま夜に突入したり…

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適当な和食を作るのさえ億劫で(アボカドとマグロの漬け丼)

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こんな夕食をとったり(ロブスターに似せたカニカマ)

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「小鳥の家(カーザ・ドス・パッサリーニョス)」での外食も増え(鴨煮込み、ドライフルーツ入り御飯添え)

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「美徳屋(オ・ビトック)」で茹で牛タンを食べたり

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すっかり国際的に有名になったモランゲイロ(イチゴワイン)の居酒屋で肋肉の炭火焼きを食べて、リスボンは良くも悪くも変わったなあと思ったりの今日この頃です。
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by caldoverde | 2017-09-21 18:54 | 話題の店 | Comments(5)
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羊の揚げ餃子とトマトご飯

残念ながら閉店してしまったフランス菓子店「サランボー」のあった通りに、何だか洒落た店ができていた。「ア・シャルクタリア(腸詰屋)」という店名は、以前カンポ・デ・オリーク市場と同じ並びにあったアレンテージョ料理屋と同じだ。あそこは鴨のパテが美味しくて、見ただけで歯が疼くような伝統菓子のデザートが並ぶ、ちょっと高級そうな小さなレストランだった。市場の盛況に押されて閉店したのかと思ったら、こんな通りの奥まったところに引っ越していた。郷土料理の店はその地方らしさをアピールした置物や家具を使うところが多いが、こじんまりとした店内は何の飾りもなくシンプルで都会的だ。

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小さな容器に入った鴨のパテは、以前別の場所の同名の店で食べたのと同じ味、やはり同じスタッフがやっているようだ。パンに塗って食べると止まらなくなる。両隣のテーブルではお店の人の勧める小アジのマリネを食べている。丁寧に皮や内臓を取った小アジもオリーブオイルの色も綺麗だ。色鮮やかな焼きピメントのサラダはキリッと酢がきいて夏の暑い日にはぴったり。

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この日のお供はMoreiaさんで、彼女は鮫のスープと白ワイン、私は羊の揚げパイと赤ワインをメインに頼んだ。自分でも鮫のスープを作るというMoreiaさんは、全く臭みのない上品な味と絶賛。白ワインによく合ったのだろう。羊の揚げパイは、付け合わせのトマトご飯共に、もうちょっと素朴な田舎料理らしい味だ。軽く冷やした赤ワインが一層素朴さを引き立てる。夏は赤も冷やすと美味しい。

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人通りの少ない道の奥に作ったフランス菓子屋さんは潰れてしまったが、この「シャルクタリア」は、不利な場所にもかかわらず前の店からの顧客がしっかりついているようで、親しげに店の人と話していた。値段はその辺のカフェの昼定食並というわけにはいかないが、清潔な店構えと少数精鋭のメニューは、より洗練された昼食を食べたい時にいい。カンポ・デ・オリーク地区のもう一つの有名なアレンテージョレストラン「マガーノ」もそうだが、前菜の種類が豊富で、メイン無しで小皿料理とワインだけで食べたくなる。この日は小さなミートパイはパスしたが、次回はぜひ他のエントラーダ(前菜)とともに賞味したい。

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by caldoverde | 2017-07-10 05:12 | 話題の店 | Comments(2)

イヴは食べるな

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タイルや絵皿が楽しいインテリア

今年の(も)クリスマスイヴは一人暮らしの女三人の女子会となった。このブログに時々コメントを寄せてくれるOvosMolesさんによると、リスボンから車や電車で1時間ほどのサンタレンに美味しい店があり、24日も昼は営業しているという。サンタレンの商店街にある「オ・バルカン」は伝統的な小さな建物の小さなタベルナ(大衆食堂)であるが、流行のレトロ感覚のお洒落な内装と、地元の食材を活かしたちょっと変わったメニューで、若い人にも年配の人にも人気のお店。
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ハウスワインはお店の名前入りで、4つのメダルのシールが貼られた立派なもの

ポルトガルにスペインのバルやタパスみたいなものはないのですかと訊かれることがある。バルに相当するのが「タベルナ」や「タスカ」と呼ばれる飲食店、メニューに「ペティスコス」と分類されているのが、酒のつまみになるような小皿料理(タパス)に近いと思う。それほどお腹が空いていない時や、色んなものを試したい時は「タベルナ」や「タスカ」で「ペティスコス」を何皿か頼むのも楽しい。
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おなじみのマッシュルームのソテー
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熱々のフライドポテトとピメントに卵を落として、その場でわしわしかき混ぜる

ペティスコスの種類はコロッケ、卵料理、サラダ、フライなど様々でどれを選ぼうか迷うほど。イブなので限定メニューしかないと思っていたら、ほとんど注文可能ということだった。3人で一つづつペティスコスを注文し、メインは肉と魚の料理を一品づつ頼むことにした。
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ピンぼけですみません。こんがり焼けた豚脚
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スプーンでバラバラになりました

肉料理は豚の骨付き脚肉のロースト(ペルニル)に、さっぱりしたレモン風味のクリーミィなリゾットを添えたもの。
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魚料理には聞いたことのない名前の魚のメニューがあった。すぐそばのテージョ河で採れる川魚だろうか、どんな味か興味があったが、その日は無かったのでお店の人お勧めのマテ貝のリゾットを選んだ。
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磯の香りたっぷり

デザートは、クッキーを砕いたものとクリームを交互に重ねた「ドース・デ・カーザ」(お店のデザート)と「マルメロのコンポートとイチジクのアイスを添えたカリカリしたメレンゲ状の菓子」
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料理も内装も、昔からあるものを大事にしながら若々しい感覚に溢れている。リスボンのタスカやタベルナよりもずっとセンスが良い。サンタレンという田舎にこんなお洒落な食堂があったんだと大いに感心した。

美味しい食事を更に盛り上げたのは、もう一人の参加者patoさんのこんにゃく作りの話題である。手造りこんにゃくの素を頂いて、説明書に沿って作ろうとしたがどうもうまくいかない、説明書によく解らない文章があり、どう解釈したらいいのだろうかと相談を受けた。私にも想像がつかない。こんにゃくがキョロキョロするなんて…心配する必要はないんだそうだが。
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by caldoverde | 2015-12-28 02:22 | 話題の店 | Comments(4)

近くにあったマデイラ島

マデイラ島に行ったのは、何年前になるだろうか。真冬にもかかわらず25度の暖かさ、極彩色の花や見たこともない果物で賑わう市場、世界名庭100に選ばれた植物園、谷底にある尼僧たちが隠れた村、山の斜面にへばりついた白い家々を見下ろすケーブルカー、スリルあふれるトボガン(籠ぞり)、魅力に溢れた島だ。食べ物、飲み物も独特だ。この島で私は初めてカサガイを食べた。魚ならマグロと太刀魚。肉だって負けていない。月桂樹に刺したバーベキュー。甘いものなら巨大なチェリモヤや可愛いマデイラバナナ、お菓子はどっしりした黒いサトウキビ蜜のケーキに巾着型のケイジャーダ(チーズケーキ)。スモーキーな香りの甘美なマデイラワインに爽やかでパンチの効いたカクテル、ポンシャ。例によって格安ホテルに宿泊し、移動は路線バスというケチケチ旅行だったが、次回はチャーチルの泊まったホテルで優雅なアフタヌーンティーを楽し…まなくてもいいか。周りがスノッブなイギリス人ばかりだったらなんだか場違いだし。だいいち、飛行機でマデイラ島に行かずとも、歩いて5分のところにマデイラ関係の店が3つもあるんだった。

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30年前、リスボンの新名所になったアモレイラス・ショッピングのビルは周りの景色を一変させた。

すでにオープンして30年も経つ老舗のショッピングセンター、アモレイラスには、オ・マデイレンス(マデイラ島民)というレストランがある。フードコートの一角に派手な合掌造りの民家をデザインした入口があり、中に入ると重厚な木のインテリア。値段も少々高めかも。

しかしシックなアモレイラスショッピングから歩いて5分、かつて工場の労働者たちが住んでいた長屋のひしめくカンポ・デ・オリーク通りに、イーリャ・ダ・マデイラ(マデイラ島)という郷土料理店がある。この通りには私の愛するカーザ・ドス・パッサリーニョス(小鳥の家)や、シーフードレストランなど数店の飲食店が集まり、近所の人々で賑わっていて、しかも私の住むアパートと同じ通りである。マデイラ料理だけでなく、普通のポルトガル料理もあり、そちらの方は値段も手頃だ。14、5年前に2度ほど入ったような記憶があるが、その時は特に変わったものがあるとも気付かず、それっきりになっていた。久々に「マデイラ島」に立ち寄ったのは4月3日の聖金曜日。この日は仕事が長引いてまともな食事が取れなかったので、夜は外食することにした。ところがどの店も休みでお気に入りの「小鳥の家」も閉まっていたが、その並びにある「マデイラ島」がたまたま開いていたので、時を経ての再会となった。

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コリコリです

各テーブルには鉄のカギに串焼きの肉を吊るすバーベキュースタンドがある。奥のテーブルの客も長い串から肉の塊を外してもらっている。私も一瞬香ばしい月桂樹に刺した牛肉を頬張ろうかと思ったが、前菜にカサガイ(ラパス)がある。アソーレス諸島に行った時くらいしか食べられないだろうと思っていたカサガイがこんな身近に!数を尋ねると20個ぐらいという。アソーレスでは50個食べた私だが、リスボンではこれでよしとすべきだ。メインは一口大に切った牛肉を煮込んだマデイラ風ビーフにした。歯ごたえのある貝の身や肉もさることながら、貝殻に残されたエキスやシチューの汁をパンやご飯につけるとより美味い。はじめはフォークでカサガイの身だけを取って食べていたが、手で殻を持って口に持って行き汁ごと食べると、貝を余すことなく味わえることがわかった。マナー的にOKかどうかは不明だが。

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ピカディーニョ(つついて食べる一口大の肉料理) ソースが美味。

マデイラのパンは、ボーロ・デ・カコという嵩のあるホットケーキのような形のモチモチしたもので、焼きたてにニンニク入りバターをつけて食べると非常に美味しい。最近これまたアモレイラスショッピングから歩いて5分程度の、やはりカンポ・デ・オリーク地区のフェレイラ・ボルジェス通りに、ボーロ・デ・カコの専門店がオープンした。カコ・オ・オリジナルというファストフード店は、細く裂いた肉やツナのパテを挟んだもの、ヌテラというチョコクリームを挟んだもの、ソーセージやチーズを巻いて棒状にしたものなど、色々なボーロ・デ・カコを提案している。むっちりと食べ応えのあるマデイラ島のパンは本土のポルトガル人を征服できるだろうか?

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by caldoverde | 2015-04-09 03:23 | 話題の店 | Comments(6)

ダンワインとベイラ料理

檀一雄がポルトガルで愛飲していたというダンワインは、ポルトガル中部のベイラ地方で生まれる。海から遠く離れたベイラ地方の食べ物は、やはり肉やチーズが中心となるが、意外なことにタコが名物であるという。

数年前訪れたベイラ地方のファームレストランで食べたプリプリのタコやラムチョップ、ヤギのローストが忘れられず、リスボンでもあのようなものが食べられる店があったら良いのになと思っていたら、割と近所にベイラ地方のレストランができたというので、よくコメントを寄せてくれるちゅんちさんとjojoさんとの3人で行ってみた。

ネラスという町のBem Haja(ベン・アジャ)という店がミシュランで紹介され評判となり、リスボンにも支店を出したのだそうだ。
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ミシュランの店(の支店)での食事は年に一度あるかないかの稀な機会なのに、家の近くなものだから、つい無印良品で買ったパーカーを引っ掛けてきてしまった。お店のある通りは全くシックでもオシャレでもないのだが、後から入った客の服装を見ると、上品でお金持ちそうな人々ばかりだった。値段も私が普段行くような大衆食堂の倍くらいである。

日本の覆面審査員3人が3種類の料理を注文し、それぞれ味見をした。私が頼んだのはタコのてんぷらミガス添え。タコはとても柔らかくジューシーだった。しかしてんこ盛りのポルトガル式盛り付けを見慣れた私には、タコは薄く小さく上品すぎるように感じた。だって18€だよ!
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パラパラしたミガスよりリゾットの方がいいかな

ちゅんちさんは脂肪の少ない牛ヒレ肉のグリルキノコリゾット添えを選んだ。こんがりと焼いた肉にはタタキのように切れ込みが入れられて赤身がのぞく。おろしポン酢が合いそう。キノコのリゾットは可愛い三脚鍋でサーブされ、いい香りをあたりに漂わせる。できれば3人分持ってきて欲しかった。日本人にはやっぱりご飯だね。
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これが一番日本人の口に合いそう
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jojoさんは牛の骨つき肉ステーキ、ファリニェイラ入りアソルダ添えを注文。タコとは反対に、見ただけで満腹しそうなほど巨大、しかも脂肪の多い部位でボリューム満点。付け合わせのアソルダも結構ズシンとくるものである。タバスコのようなピリピリソースが添えられていたが、jojoさんは市販のピリピリソースは料理の味を殺してしまうと不満。ミシュランに載ったからには、ソースはスーパーで売っているものではなく自家製を使うべきだと。
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皿からはみ出そうな凄い大きさ
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人と比べると益々大きい。写真提供patoさん

デザートは5€でビュッフェ形式。甘いものは別腹のポルトガル人にとっては大きな喜び。しかし私達日本人にはここまで行き着くことは困難で、すっ飛ばしてコーヒーに。
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種類はあるが、特に食指をそそるものがなかったのも事実

ワインはフルーティな酸味のある2012年のものとスモーキーな香りの2011年物を選んだ。軽く甘いアレンテージョワイン、重厚で渋いドウロワインと比較してダンワインはバランスの取れた真面目な感じだろうか。このお店はダンワインのリストが充実していて、ほとんど知らない銘柄ばかり。檀一雄の愛したダンワインをリスボンで味わいたいならこのベン・アジャに行くと良い。

気になるお勘定は、3人でワイン2本、水、前菜のチーズ、料理3品、コーヒーで、計80€弱、一人当たり26€也。フランスや日本のミシュランのレストランなら1人80€でも足りないだろう。美味しいものを安く食べられるポルトガルは良い国だ。ドレスコードもうるさくないけど、次回は無印のパーカーでないものを着て行こう。
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by caldoverde | 2015-03-11 18:22 | 話題の店 | Comments(13)
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悲惨な状態のビフォア

市電28番のターミナルにもなっているエストレーラ大聖堂のそばに、ボロボロに朽ち落書きされた小さなキオスクがあった。通るたびにもったいないなあ、お金があったら買い取ってお店を開くのになあと考えていた。ある日キオスクが忽然と消えてしまった。とうとう撤去されたのか…と少し寂しく感じていた。ところがある日、白く綺麗に塗り直され補修されたあのキオスクが元の場所に戻っていた。近日オープンの看板とともに。
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美しく蘇ったアフター

近くにあるカンポ・デ・オリーク市場のリニューアルが成功し、それに勢いづいた市場がこのキオスクを買い取り、小さな分店を作ったらしい。そんな訳で新しい名前は「市場のキオスク Quiosque de Mercado」となったが、昔は「雌ロバ公園キオスク」だった。優美な姿にそぐわないが、私はどっちかと言うと古い名前を残して欲しかったかな。
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奥にひっそりとロバと親子3人の彫刻が。隣が教会なのでキリストのエジプト逃亡?いやどうもポルトガル人家族のようです。

このキオスクは20世紀初頭に作られた、現存する唯一のアールヌーヴォー様式のキオスクだ。屋根の上には流麗な装飾が施され、支える支柱は白鳥の首をかたどっている。人が一人中に入れる程度の大きさで、白鵬関が働くのは難しい。もちろん厨房設備はなく、電気が引いてある程度。だからメニューといってもコーヒー類とワインなどの飲み物、2〜3種類のお菓子とサンドイッチという決まり切ったもので、特にここならでは、というものではない。
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トマトとスモークサーモンのサンドイッチ。フツーにおいしい。

天気の良い日に市電25番か28番に乗ってエストレーラ公園まで来たら、ここで降りてエストレーラ大聖堂の素晴らしい白亜のドームを眺めながらキオスクでフツーのコーヒーやワインを飲み、そこからカンポ・デ・オリーク市場まで散歩する、というコースはフツーのリスボン市民生活を垣間見る楽しい経験になること請け合いだ。何しろカンポ・デ・オリーク地区はミドルクラスの若いポルトガル人に人気のリスボンで一番住みよい地区と言われている。私が住んでいるという点からも、今後の地価の上昇が予想されているのである。
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市電の広告はカンポ・デ・オリーク市場。日本のTVでも紹介されました。
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by caldoverde | 2014-11-25 00:31 | 話題の店 | Comments(2)

星の山脈チーズ

カンポ・デ・オリーク地区に、人気シェフのヴィトル・ソブラルが「タスカ・ダ・エスキーナ」に続いて2店目のレストラン「セルヴェジャリア・ダ・エスキーナ」を出店ししばらく経つ。住宅地のど真ん中で探すのが難しいし、駐車場はないし、不景気だし、難しいんじゃないかと思っていたが、さすが本を何冊も出している一流シェフだけのことはある。高いから私は自腹では行かないが、舌の肥えた固定客をつかんでいるようだ。
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窓の向こうの黒い車の止まっている店が「セルヴェジャリア・ダ・エスキーナ」

その斜向かいに、尖った三角形の頂点を切り落としたような変な敷地に建てられた小さな家があった。ずっと売りに出されていたが、久々に通りかかったら可愛らしい飲食店になっていた。不揃いの家具にキッチュな小物、石の壁にレトロな照明と、今流行りのヴィンテージ・カフェのスタイルだ。「オフィシーナ・コン・シャ」(お茶のある工房)という店名が示すように、2人の子供のお母さんである女性オーナーは、古い家具の修復をしているそうだ。
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赤い謎の照明器具とおばあちゃんが作ったようなレース編みの敷物が良い感じ。

お茶とお菓子ばかりでなく、彼女の故郷のベイラ地方の名産のチーズや肉の加工品をワインとともに味わうこともである。ポルトガルで最も有名で高価なチーズと言えば、ケイジョ・ダ・セーラ・ダ・エストレーラ(星の山脈のチーズ)。トロトロのクリーム状のチーズをスプーンですくい、パンやクラッカーに塗って食べる。これがエストレーラ・チーズの一般的なイメージだ。しかしこの小さな工房では、有名なクリーミーなチーズに加え、ハードやセミハードなど異なったタイプのエストレーラ・チーズを盛り合わせたプラトーがある。添えられた黒いパンはそれ自体甘みを感じてとても美味しいが、チーズと一緒に食べると、お互いの旨みをより際立たせる。
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エストレーラ山脈はポルトガル唯一の積雪のある地方。厳しい冬を越すために、様々な肉加工品が発達したのだろう。この地方で作られる腸詰の盛り合わせもある。ピリッとした味、プリッとした歯ごたえの赤いチョリッソ、黒いスパイシーなブラッド・ソーセージ、フニャッとして酸味のあるファリニェイラ、ニンニクのきいた柔らかいアリェイラが、カットされ軽く焼かれ、木の皿で香ばしい匂いを放つ。アリェイラを口に入れて思わず目を見張ると、オーナーが「私の故郷の、手造りのいいものだけ選んで取り寄せているんです」と誇らしげに言った。確かに他のレストランで出される腸詰よりも美味しいものばかり。
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2人の子供たちを見ながら一人奮闘する女性オーナーの、故郷の味をリスボンにと開いた小さな店が、スターシェフの店の前に、どこまで地域に根付くことができるだろうか、見守りたい。
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by caldoverde | 2014-10-24 23:48 | 話題の店 | Comments(3)
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国鉄カスカイス線 カイス・ド・ソドレ駅の向かい側

 長年リスボン市民の台所として親しまれてきたリベイラ市場も、寄る年波と全国に展開する大手スーパーには勝てず、往時の活気はすっかり失われていたが、5月18日突如リニューアルオープンした。
 確か夏に改装工事が終わると聞いていたのだが、このポルトガルで予定より数カ月も早く工事が終わるというのは奇跡に近いことなので、この情報を提供して頂いたMoreiaさんと一緒に奇跡を見に行くことにした。
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だだっ広い空間はこれからどうなる?

 昨年カンポ・デ・オリーク市場が装いを新たに再開したところ、連日の盛況で大成功を収めたので、リベイラ市場も当然同じ路線を狙うはずである。
 しかしカンポ・デ・オリークは住宅地の中にあるので、地域住民との繋がりを重視し、青果や精肉、鮮魚部門はそのまま生かされているが、一方リベイラ市場の周辺は商業地区で、またカイス・ド・ソドレ駅という交通の要のすぐそばとはいえ、定住している住民はそれほど多いとは思えないので、ターゲットは国内外の観光客が主になるだろう。
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白木の椅子やテーブルは日本の鮨屋をイメージしたのかな?

 世界中の主要都市の最新情報を発信するTime Outという雑誌が仕掛け人らしく、あちらこちらに雑誌のロゴの看板や旗が見られる。市場の半分はフードコートになり、巨大な空間をぐるりと取り囲む店は昔ながらの八百屋や肉屋ではなく、Time Outに載るようなオサレな店の支店ばかりだ。
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海鮮丼だと思ったらシーフードサラダでした
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生ガキもあります

 ポルトガル料理界のスターシェフの監修によるグルメハンバーガー屋とか創作(変態)寿司などが大勢を占める。シェフのこだわりと価格をぎりぎりまですり合わせた料理を大衆的な環境で気軽に味わって頂き、そのうち本店にもぜひどうぞという意図なのだろう。
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何と開店日にシェフが遅刻したタルタルステーキ専門店に水曜日に行って食べることができた。味は悪くないが…ミキサーでタルタルって反則じゃね⁈
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日本のチーズケーキのようなものが食べたいと思えども…これが限界


 バイシャ地区の缶詰屋や、ポルトのチョコレート屋、カンポ・デ・オリークの「リスボン一うまいエッグタルト」、カスカイスの行列のできるジェラート屋もあって、カイドブック片手にあちこち探し回らなくとも、リベイラ市場に行けばいっぺんに名物うまいもの巡りができるようになった。
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整然と棚に並ぶ鰯の缶詰
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カラフルなマカロンや卵黄プリンも並ぶチョコレート屋
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わたしはゴクっと生唾を飲み込みましたが・・・生ハム屋

 願わくば、生まれかわったリベイラ市場には、移り気なマスコミに依存せずに「ポルトガルの食文化」のフラッグシップショップとしての役割を地道に継続して欲しいものだ。
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生簀のあるシーフード料理店でゆでたてのエビやカニを
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日本の何とか横丁みたい
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黒豚トロ握りサビ抜きで・・・そんなお寿司はまだないです
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by caldoverde | 2014-05-19 21:10 | 話題の店 | Comments(3)