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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:ポルトガルの旅( 94 )

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ファイアル島唯一の市、オルタは世界中のヨットが寄港するマリーナが有名


アソーレス諸島に行くのなら、パスポートを取ろう。日本で取得する必要はなく、現地で調達できる。これが無いとアソーレスに入れない事はないが、有るとより楽しくなる。アソーレス・ジオパーク・パスポートは、9島にそれぞれある自然系ミュージアムで2€で販売されており、入館の際にスタンプを押してもらい、その数に応じて景品が貰える、一種のスタンプラリーである。ファイアル島だけで4つのスタンプが集まりそうなので、3日目は予定していなかった隣のピコ島にも足を伸ばし、景品の出る5個のスタンプを集める事を目指した。


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アソーレスのジオパークを紹介する地図とパスポート

日曜日はオルタからピコ島のマダレーナに行くフェリーは4便しかない。10時45分の出港の前に、タクシーで2年前に仕事で行ったオルタの植物園に急ぐ。世界でも2株しか無い稀少な蘭や、アソーレスの固有種が保存されている。蘭は見られなかったが、藤の花が綺麗だった。既にカペリーニョス火山でパスポートを購入しスタンプを押してあるので、ここで2個目をゲット。


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アソーレスワスレナグサ


ピコ島は9島中最も新しい島で、洞窟が非常に多い。中でもトーレス洞窟は5kmにも及びその一部を歩くことができる。しかし洞窟見学は人数制限があり、2日前までの予約が推奨されている。いちかばちかで当日行ってみて、ダメならワイン博物館にしようと思いながら到着すると、やはり12時の回は既に一杯。しかしキャンセルがあるかもしれないので少し待ってみて、と言われ、結局、運良く潜り込むことができた。洞窟の内部では、色々な形状の溶岩を見ることができる。液状の溶岩がロープの様な模様を描いたものはパホイホイ溶岩、ギザギザの尖ったものはアア溶岩と呼ばれる。ハワイ語でパホイホイとは滑らかな、アアとは溶岩を踏んづけた時の叫び声だそうだ。アア溶岩や火山石の積み上がった場所は歩き難いので、しっかりした靴が必要だ。洞窟内にはあちこち亀裂があり、今地震が来たらやばいかも…とちょっと不安になるが、無事地上に出て3個目のスタンプをゲット。


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パホイホイ溶岩が作ったモナリザ


3時のフェリーでオルタに戻り、ホテルからも見えるピム港の水族館+ダブニー邸、鯨工場博物館を見学すれば5個のスタンプが揃う。閉館時間は水族館が5時、他の2つは6時、急がなければ。

ピム湾の水族館は鱈を干物に加工する工場だったが、気候が適さず、後に鯨油を採る工場になった。ごく小規模で飼育される魚の種類も少ないが、ここで上映される、オランダの学者チームが開発した三人乗りの潜水艦で撮影された動画は素晴らしい。実際に半球状のガラス越しに深海魚や、海底温泉に棲む色鮮やかなサンゴや熱帯魚を眺めてみたいものだ。


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水族館に行くと「うまそう」としか思えなくなった今日この頃

水族館の隣は、アメリカ領事としてファイアル島に住んでいたフランス系ファミリーの別荘だったダブニー邸である。ピコ島のワインの輸出などの事業を行い、後にアメリカ領事に任命されたジョン・ダブニーとその子孫は、島の経済や文化、科学の発展に大いに寄与したそうだ。ここで4個目のスタンプを押してもらう。


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左端の海岸から少し上に建つ白と黄色の家がダブニー邸


最後に鯨工場である。ミュージアムとしての名称は婉曲に「海の観測所」みたいな意味だが、その実は鯨を解体し加工を行っていた施設である。昔はピム港は沖で獲った鯨を引き揚げて脂や肉の加工品を作っていた場所で、湾の水は血で赤く染められた。この鯨工場のあるピム港は、タブッキの小品集「島とクジラと女をめぐる断片」の舞台である。次回はこの本を読んでから来よう。


5個目のスタンプが集まった。ところがジオパーク事務所はどうも復活祭休みで閉まっており、何が景品でどこにあるのか誰も知らない。リスボンに帰ったらスタンプのコピーを事務所に送り、請求して下さいと言われたが、果たして何がもらえるのだろうか。


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最期の夜は再びGENUINOで。一昨日は予約で一杯なのを無理やり入れてもらったので、今度はちゃんと予約を入れた。この日も食べたかったセミエビもカサガイもなかったが、ステーキは柔らかくジューシーで、アソーレスの調味料の唐辛子ペーストがピリッとパンチを効かせていた。


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クワの実のアイス。珍しい!


心残りは悪天候でカルデイラ(火山噴火口)が見られなかった事と、セミエビを食べられなかった事である。泊まったアパートホテルは非常に気に入ったので、機会があればまたファイアル島に戻りたい。


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ファイアル島は「青い島」紫陽花の青だが、他にも青い花がいっぱい。

by caldoverde | 2019-05-03 03:01 | ポルトガルの旅 | Comments(0)

午後も山道は霧で覆われ、どうもカルデイラ(火山噴火口)の中を見るのは不可能らしい。その代わりにカルデイラに通じる平坦なトレイルコースをちょろっと歩き、オリジナルに近いファイアル島の自然に触れた。細い水路に沿って歩く道の両側は苔やシダでびっしり覆われている。もし南方熊楠がアソーレスに来ていたら、新種の苔やら粘菌を見つけたのではないだろうか。


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島の北側にあるビーチは緑の砂浜だ。この辺りの火山岩の中には時々綺麗な緑や赤い小石が埋まっている。赤いのはファイアル島で発見された石という意味のファイアライト、緑のは橄欖石(オリーブ石)と呼ばれる。オリーブ石が石英のように細かくなって黒い砂の中で反射し、緑がかって見える。


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微妙に緑色の砂

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砂の緑色の元、オリーブ石

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ファイアル石。アクセサリーにするには小さい


砂を歩くとあちこちに小さな風船の様なものが転がっている。カツオノエボシ、いわゆる電気クラゲである。英語ではポルトガルの軍艦、ポルトガル語ではカラベラ(三角帆の帆船)と呼ばれる。風で帆を膨らませたカラベラ船を彷彿させる事からこう呼ばれる。死んでも虹色に輝くビニール袋の様な電気クラゲは、子供達の格好のおもちゃで、踏みつけるとポン、と音をたてて割れる。


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生きているカツオノエボシは触ってはいけません


ビーチの近くにはペドロさんと彼の弟の別荘がある。ペドロさんの別荘はエンジンが壊れたクルーザーで、トイレや台所が揃い、船室で寝泊まりし、甲板でパーティもできる。弟さんの家は小さな木造でペドロさんも手伝って建築中ということである。


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陸に揚がったクルーザーがセカンドハウス


最後に立ち寄ったのは、空港の西にあるチーズの形をした半島、モーロ・デ・カステロ・ブランコ。白い城の丘という名が示す通り、海中の噴火によって白い火山灰が玉ねぎの皮の様に何層にも重なり、独特の形状を造り上げた。この辺りは野鳥の住処となっており、道端の穴を覗くと鳥の夫婦が卵を抱いている。またアソーレスの代表的な固有植物、ヴィダリア(アソーレスツリガネソウ)が増殖しつつあり、やがては沢山の可憐な花を咲かせてくれる筈だ。


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巨大な軽石、モーロ・デ・カステロ・ブランコ

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この半島の名前をつけたファイアル島のチーズ。超美味!リスボンのアソーレス諸島物産店でも売っている。


今回は霧のためカルデイラは断念したが、砂質の異なる海岸、孤立した環境が育んだ様々な動植物、地震や噴火が残した爪痕、など地理的な観点からファイアル島を見ることができて、非常に興味深かった。なぜこんな色や形が出来るのか、それぞれ理由があるものだと感心した。


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道端の巣穴を覗くと夫婦で卵を抱く海鳥

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アソーレスツリガネソウは世界で唯一の種

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コルヴォ島で見たアソーレスツリガネソウ

by caldoverde | 2019-05-01 04:35 | ポルトガルの旅 | Comments(0)

ファイアル島2日目は、車で島を一周するツアーを依頼した。トリップアドバイザーでエージェントを探し、メールで希望する日時やツアーの種類、こちらの要望などを伝えてあった。当初はカルデイラ(火山噴火口)を降りるウォーキングツアーを考えていたのだが、上級者向けのコースで、登山どころか3階に行くのにエレベーターを使う様な自分には無理っぽいので、車によるツアーを勧められた。アソーレスの固有植物を見たいので、その分野に詳しいガイドを希望した。


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OurIsland という旅行会社でファイアル島・ピコ島の

個人ツアーを請け負います。英語OK。


人懐っこい笑顔のペドロさんはファイアル島出身の30歳、同年代の仲間と3人で、マウンテンバイクやカヌーなども含むアクティブなツアーを企画している。運動の嫌いな私にはセダンで島を案内してくれる。この日はあいにく小雨や霧のたちこめる天気であったが、昨日のバスと同じく、北回りで島の周遊をスタートした。


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まだら模様が綺麗なウツボ


オルタのフェリー乗り場の東にサラサラの黒い砂の海岸がある。砂の粒が細かいほど古い海岸で、砂の色は元の石の種類によって変わるそうだ。黒い溶岩が固まった磯もあり、天然プールになっている。岩場には蟹やウツボ、様々な種類の海藻などが見られる。ペドロさんが太い指先に長さ5mm程の細い海藻をつまみ、これは食べられるよと目の真ん前に持ってきた。こんな小さな海藻の一片から豊かな磯の香りとピリリとした刺激が口の中に広がる。信じられない!海水が浸る辺りを何かゴソゴソと探っていた彼が差し出したのは、何と私の好物のカサガイ。もう一個の殻をナイフ代わりに殻から身を剥がしてもらい、生のカサガイをいただく。牡蠣と鮑の中間のような味と歯ごたえだ。


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食べられる海藻を探すペドロさん

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バター焼も良いが生はもっと美味、カサガイ

バスの窓からも見えたが、島には廃虚になった教会や灯台がいくつかある。ファイアル島はカペリーニョス火山の噴火の他に、何度か大きな地震に見舞われている。島の東はいくつかの活断層が平行に走っており、被害の多い集落は活断層の近くにある。活断層に挟まれた土地には小川が流れ、畑が作られ人々の生活が営まれるが、地震が起これば激しく揺れる。石や鉄骨入りのブロックの頑丈な建物も自然の力には敵わなかった。むしろ日本家屋の様な木造だったら持ちこたえたかもしれない。


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地震で破壊された灯台。灯台守の家も全壊。


昼食はペドロさんの実家のあるセドロスという村のレストランで。前菜はフレッシュチーズに唐辛子ペーストと、タコのサラダ。タコサラダをちょっと食べたペドロさんは、もっと酢を効かせた方が美味いよ、とビネガーを頼んだ。彼は子供の頃から父親に付いて磯釣りをし、蟹や貝や果物を獲って遊び、親戚同士で収穫物を分け合って食べてきたので、食べ物にはなかなか詳しい。メインは私はアソーレスの白身魚フライ、ペドロさんはマグロのステーキを注文した。彼はマグロの大物を釣り上げて刺身や寿司にして食べた時のことを楽しそうに語った。食後に彼のご母堂の住む実家に立ち寄り、花いっぱいの庭を見せてもらった。


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島のフレッシュチーズ(ケイジョ・フレスコ)と
タコのサラダ

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多分アブロテイアだったと思います

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マグロも美味しいが、照り焼きだともっと…

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自家製キャラメルアイス

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名前は聞くそばから忘れる

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黒いカラー

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おしべしか無い花?

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アソーレスのバナナは美味いよ

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黒っぽい花はクロバナロウバイの様です。りんごに似た芳香があるが毒があるので注意。


by caldoverde | 2019-04-29 06:17 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
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ピム港からピコ島を臨む


今年のゴールデンウィークは10連休で、ポルトガルにも日本のお客様が怒涛の如く押し寄せて来るはずだが、その嵐の前の静けさだろうか、4月半ばは私のスケジュールは凪の様に静まり返っている。家にいるとだらだらとYouTubeなどで日がな一日過ごしてしまうので、またまたアソーレス諸島に行く事にした。2年前仕事でアソーレスに行った時に、現地ガイドから色々な情報を得ることができた。特にファイアル島の火山噴火口と固有植物に興味を持ったので、その2つを主な目的に、3泊4日の旅に出た。

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飛行機の窓から見るピコ島の山頂


リスボン~ファイアル島間はアソーレス航空の直行便。最近はイージージェットやライアンエアーなどのLCCばかり使っていたので、2時間半のフライトで軽食も出るのは新鮮だ。席を選んでも追加料金がかからない。行きは2列目、帰りは3列目のAを予約したが、素晴らしい眺めが堪能でき、飛行機に乗っただけでも十分満足する程であった。


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カラフルな家の並ぶオルタの町


空港からタクシーでオルタのホテルに行き、荷物を降ろした後、路線バスでカペリーニョス火山に向かった。火山は島の西端にあり、島を一周する路線バスが近くを通る。予算の関係もあるが、路線バスに乗るのが好きなので、既に2回訪れたカペリーニョス火山に「路線バスで」行くのが希望である。私が乗ったのは北回りのバスだったので、帰りは南回りでタクシーでオルタに戻り、半日でファイアル島を一周してしまった。途中から乗客は私一人となり、時間調整なのか、南回りのバスとすれ違うためなのか山の中の停留所で10分停車する。誰も乗らない。1時に火山センターのガイドツアーを予約していたのでさっさと出発してくれと焦ったが、火山には何とか5分遅れで到着できた。


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息を呑む光景


カペリーニョス火山は何度見ても見飽きない。その奇観には口あんぐりである。1957年に海中で噴火が起こり、火山礫や火山灰が降り注ぎ、新島とファイアル島を繋いでしまった。噴火が収束するまで、火山は形がどんどん変わり、今も風雨や波により刻々と侵食されている。一方で火山灰によって不毛の地となった周辺の土地には緑が復活しつつある。地球は生きていることが実感できるのがアソーレスの魅力である。


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灯台に登るとこれまた唖然とする景色が見渡せる。この灯台の下には建物があったのだが、すっかり灰の中に埋もれている。それが火山センターの展示室の一部となっている訳だが、やがて火山灰が吹き飛ばされて再び陽の目を見る日が来るかもしれない。


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センターや灯台の見学の後は、火山灰の丘に登ってみた。歩いてみると地面は荒い砂のようで本当にもろい。あちこちに人の拳大のヤシの実型の石が転がっているが、火山弾だ。こんなものが直撃したらひとたまりもない。センターには噴煙を上げる火山をバックにした家族や子供の写真が展示されている。危ないのに皆ニコニコ楽しそうである。その下にはやむなくアメリカやカナダに移民した人々の家や畑が埋まっているのだ。


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一泊40€で大満足


オルタの宿はまだ新しいアパートホテルで、事前にクイーンサイズのベッドの部屋を希望したら、ピム港の真ん前で、ピコ島も見えるという素晴らしい眺めの部屋だった。火山灰の丘を歩いて筋肉痛になった身体を十分伸ばせて、どんなに寝相が悪くても絶対落ちる心配のないベッドと、同じく手足を伸ばせるバスタブがある清潔な部屋だ。調理器具を備えた台所と、バーベキューのできる吹き抜けの中庭がある。町の中心部までは歩いて10分もかからない。


夜は2年前の仕事で来たことのある元ヨットマンの店「GENUINO」で食べた。当時はガイドである私の席はなかったのでリベンジだ。その時のメニューは地元名産の聞きなれない名前の海産物で、旅行会社でも何なのか調べようと一生懸命だったが、旅行後にセミエビという高級品であることを知った。茹でるのに結構時間がかかるので、10人を超えるグループには冷ましたものが出されたが、茹でたてでない、と不満を述べる方がいらっしゃった。何とかセミエビの名誉を回復させようと、去年のテルセイラ島でセミエビを食べ、あまりの美味さに感動した。あの味を再びと期待に胸を膨らませていたのだが、残念ながら4月はセミエビはなく、また旬でも予約注文が必要である。仕方なくお勧めの魚のペイシャン(大魚)という黄色い鯛のような魚を食べた。去年12月にサン・ミゲル島でも食べたが、こちらの方は更に大きく、新鮮で美味であった。さすが島民誰もが推薦する店だけある。


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前菜は島のフレッシュ・チーズと唐辛子ペースト、ワインはピコ島の白。

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付け合わせの野菜やじゃがいもも美味しい

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さつまいものプディング





by caldoverde | 2019-04-26 17:05 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
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ラボ・デ・ペイシェ村の貸別荘「キンタ・ダス・タンジェリーナス(蜜柑荘)」のオーナーのクラウディアさんは若い小学校教員で、ボーイフレンドのヴァスコさんと共に家の管理や客の送迎を行っている。敷地はクラウディアさんの祖父が持っていた小さな果樹園で、その名の通り庭には柑橘系の樹木が何本か植えてあり、迎えに来てくれたヴァスコさんは何の樹か一つ一つ教えてくれた。やけに歴史や動植物に詳しいと思ったらガイドだそうで、翌日の半日観光をお願いした。


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レストランの壁画。女性はアソーレス出身の文学者ナタリア・コレイア。


ホテルから蜜柑荘までの移動は、ヴァスコさんが12時にロビーに迎えに来て村のレストランで私を下ろし、食事が終わる頃に再びやって来て蜜柑荘まで送ってくれた。「ボテキン・アソレアーノ」は魚がメインの、おそらく村の誰もが推奨する店だ。まず島に来たら自分のお約束のカサガイを注文する。残念ながらアソーレス産ではなく、マデイラ産だが若干安いという事だ。アソーレスのカサガイは採る時期が決まっていて、冬は流通しないそうだ。魚はペイシャン(大魚)という名前の小さめの鯛のような魚であっさりした淡白な味だ。デザートはクルミのタルト。私はクルミが大好きなのだが、ポルトガルのクルミ系菓子には失望することが多かった。しかしこの店のはザクザクとクルミが使われていて食感と香ばしさが素晴らしい。カサガイや魚よりもクルミタルトの方が印象に残った。


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翌日の半日観光は通常の観光コースではなく、リクエストで2箇所を重点的に組んでもらった。一つはカペラスという村にある工房博物館。昔の店や工房を再現したテーマパーク又は田舎のキッザニアの様な施設で、消滅しつつある個人規模の伝統的な商工業を子孫に伝える趣旨で創られた。一坪程度の店舗がぎっしり並ぶ様子は昭和の商店街のミニチュアのようだ。鍛冶屋、印刷屋、タバコ屋、薬局、飲み屋、布地屋、床屋、玩具屋などありとあらゆる職種があり、昔の道具やレトロな商品が並べられている。展示物は島民からの寄贈によるものがほとんどだ。


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工房博物館を後にし、島の西側の風光明媚な海岸線に沿ってドライブし、もう一つの目的地のフェラリア温泉に向かった。ほぼサン・ミゲル島の最西端にあるこの温泉は、黒い火山岩に囲まれた天然プールの中にお湯が湧き出ており、波が静かであれば、海と一体となったワイルドな露天風呂が楽しめるが、この日は風が強く波が荒く、天然プールの入浴は叶わなかった。しかし別に塀で囲まれた浴槽があるので、デッキで日光浴をしたり山を見ながら入浴できる。客はスペイン人の女性5人と私だけで、暖かいお湯の中でのんびり泳いだり浮かんだりできた。カルデイラ・ヴェーリャもフェラリアも人里離れた場所にあり、シーズンオフならばまさに秘湯であるが、個人で行くにはタクシーかツアーでないと難しい。アソーレス諸島は掘れば必ず温泉が出てくるはずなのだが数ヶ所しかない。ボーリングに金がかかるからと言うが、そうだろうか。もったいない事だ。


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ツアーはもう一つの島民お勧めのレストラン「オ・ペスカドール(漁師)」で終了した。漁港と仲卸市場のすぐそばにあり、魚の鮮度は疑いようがない。注文したのはボカ・ネグラ(黒い口)、日本の高級魚ノドグロの仲間と思われる。脂がたっぷりのって非常に美味。アソーレスの他の場所でもボカ・ネグラは食べたが、ここのが一番美味しかった。デザートはサン・ミゲル島特産のパイナップルのケーキ。ラボ・デ・ペイシェ村で食べる魚は、値段がリスボン並みかやや高めである。貧しい村なのにと疑問に思うが、天候や季節に左右される漁や魚の品質を考えれば妥当な、むしろ安い値段かもしれない。


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by caldoverde | 2018-12-24 00:58 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
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ラボ・デ・ペイシェとは魚の尻尾という意味で、名前の由来は色々あるが、漁港のある湾の形が魚のように見えるから、というのが有力な説の一つである。しょぼい名に相応しく、村はポルトガル国内のみならず、EUで最も貧しい地域という不名誉な称号を受けている。海沿いの漁師町は手造りっぽい小さな家が連なり、ロープにずらりと吊り下がった洗濯物やゴミの散乱する道路、所在無げな男たちがたむろするバールなど、リスボン周辺に(私の家の近所にも)見られる典型的な低所得者層の多い地区の風景だ。住民の多くが漁業に従事し、子供たちは親の仕事を継ぐ。この村はポルトガルでも平均年齢が最も若い自治体で子供が多く、14~15歳で出産する少女たちは社会問題にもなっている。家族の結びつきが強く、伝統を大事にし、必然的にいとこ同士など親類間の婚姻が多い。女性達の容貌やスタイルはリスボンのジプシーの女性達と似通っている。実際、漁師達のルーツはその昔の海賊やジプシーだったらしく、他の住民達との間には格差や差別があり、昔は教会でのミサでも漁師達の席はそうでない住民(特に女性)から離されていたそうだ。


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一方海岸から離れた地区は文字通り山の手の、主に農業を営んでいた家族が住んでいる所で、3日目と4日目に泊まった貸別荘は、この山の手地区にある。18世紀迄はこの辺りはオレンジ栽培が盛んで、ヨーロッパ、特にイギリスに向けて出荷され、オレンジルートと呼ばれるほど大いに栄えていた。ところが病気によりオレンジの木はほぼ全滅してしまい、代わりにサン・ミゲル島では新たな商品作物としてパイナップルが作られるようになった。この地区はかつてのオレンジ農家や果樹園の名残の高い塀や生垣で囲まれた住宅が多く、入り口には〇〇屋敷と書かれたアズレージョ(タイル)の表札が付けられている。


私が借りた家は蜜柑荘(キンタ・ダス・タンジェリーナス)といい、生垣に囲まれた小さな果樹園の中に造られた築6年の一戸建てである。車がやっと通れる細い道の奥にあり、付近にはスーパーも飲食店も何もないので、外食するにも買い出しするにも漁師町の方に降りて行かなくてはならない。


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お一人様には広すぎる3LDK


漁師町と山の手の境目に警察署とロータリーがあり、そこから幹線道路が東西に伸びる。幹線道路を西に向かって数分歩くと、テラス席のあるカフェが現れる。ヨーロッパ最貧の村で生まれたチョコレート専門店「ショコラティーニョ O Chocolatinho」である。ベルギーで修行した若者が、アソーレス産の材料を使ったユニークなチョコを製造販売し、チョコの他にケーキやサンドイッチなどの軽食も出す。ちょっとコーヒーを飲むために立ち寄ったのだが、バナナとパッションフルーツのボンボンも食べてみた。その時は特にどうって事はない、普通のチョコレートに思えたが、地場産品なのでお土産用に9個入りの詰め合わせを一箱買った。それをトランクの中に水平にせずに立てて一晩置いたら、チョコの中の液体が流れ出てしまった様で、箱とトランクがベトベトする。しょうがないなあと自分で食べることにした。


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デザインも可愛い💕



そうしたら…美味い‼︎フルーツの味と香りが口いっぱいに広がりチョコレートと溶け合い、素晴らしい調和を醸し出す。アソーレス産のミルクがフルーツやカカオの刺激をまろやかに中和する。はっきり言ってヘーゼルナッツのプラリネばかり使ったゴディバよりも、ポルトのアルカディアよりもずっと美味しい!昨日はコーヒーの味や香りにかき消されてあまりチョコの印象が残らなかったらしい。ピンクに色付けされたホワイトチョコはてっきりイチゴかと思いきや、塩味の赤いジャム状のものが入っている。アソーレス料理に欠かせないピメントの塩漬けのペーストで、何とも不思議な美味しさである。9個入りの箱はすぐ空になった。


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アソーレスはこんなに色んなものが採れるのかと感心する種類の多さ

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青いのがアソーレスバナナ、奥はパッションフルーツ

バラで売っているボンボンは一個50~60セントから。子供達もコインを握りしめて買いに来る。品質は山の手のお金持ちを満足させ、値段は漁師の子のお小遣いでも買える。リベイラ・グランデに支店があり、リスボンではバイシャ地区のアソーレス物産専門店で若干売っている。もし近くにお店があったら、毎日通っていたに違いない。チョコラティーニョのチョコレートは、私的チョコランキング第一位に輝いた。


by caldoverde | 2018-12-14 03:32 | ポルトガルの旅 | Comments(0)

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ホテル・ぺドラス・ド・マール(海の石ホテル)は集落から離れた海岸に位置し、火山石と杉の木というアソーレス特有の建材をふんだんに使った建物で、3年前にオープンしたばかり。浴室がガラスで仕切ってあり、大きくとった窓の景色が入浴しながら楽しめる。ネットで見た写真はオーシャンビューだったので、それに惹かれて選んだのだが、安いだけあって反対側のマウンテンビューの部屋だった。海側に変更するには12€のエキストラ料金がかかる。到着日はあまり天気も良くなかったので部屋はそのままにしたが、翌日はやはり海が見える部屋に替えてもらった。


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ホテルの後ろは牧場、前は海岸


二日目は温泉入浴を含むフォーゴ湖半日ツアーを申し込んだ。ガイド兼ドライバーのペドロさんがホテルに迎えに来てくれた。客は私一人で、料金は40€である。以前は普通のタクシーに適当に名所を回るよう依頼し、3~4時間で60€払っていた。現在はツアー会社が沢山あり、グーグルマップやトリップアドバイザーなどで簡単に見つけることができる。半日、一日のコースが色々あり、値段もそれほど高くないのでお勧めだ。ラボ・デ・ペイシェ村、リベイラ・グランデの旧市街とリキュール店、カルデイラ・ヴェーリャ温泉、フォーゴ湖を周る。


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リベイラ・グランデの旧市街は白壁に黒い石で縁取った美しい建物が多い。

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アソーレス産の果物やミルクを使った様々なリキュール。可愛い陶器の人形やミニチュアボトルもある。


主目的のカルデイラ・ヴェーリャ(古釜)温泉は初めてアソーレスに旅行した時に、帰り際にタクシーで立ち寄ってもらったが、その頃はまだ温泉としての設備(入場券を売る入り口やロッカー)が無かったように思う。現在は道がきれいに整備され、敷地内にはサン・ミゲル島の自然を紹介する小さな環境センターがあり、土産やコーヒーも売っている。鬱蒼とした巨大シダや杉の木に囲まれた温泉には3つほど露天風呂があり、若いカップルや熟年夫婦が38度の赤っぽい湯でまったり寛いでいる。風は唸り声を上げて杉の枝を揺すぶるが、温泉は谷底にあるので、寒くはない。シーズンオフなので入浴客は10人もいなかったが、夏は2時間待ちだそうだ。1時間半の滞在時間はあっという間に過ぎてしまった。


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よく見ると入浴客の手や頭が見えます


ツアーはラボ・デ・ペイシェ村にある農業協同組合のレストランで終了した。月曜日は魚をメインにする店は鮮魚の仕入れがないので休みの可能性が大で、肉がメインの農協レストランが良いでしょうとのペドロさんのアドバイスに従った。アソーレスは牛肉も有名で、リスボンのアソーレスレストランで食べたトカゲステーキは今まで食べたステーキの中で最も美味しいものだった。しかし実際にアソーレスで食べたステーキにはハズレも何度かあった。店は選ばないといけない。この農協レストランRestaurante da Associação Agrícola はサン・ミゲル島内のみならず、全国的にその名声を博している。ステーキは色々な種類のソースがあり、それぞれ大きさと部位が3種類づつある。私は最もシンプルかつアソーレスらしいレジオナル・ステーキ(地元のステーキ)の小を、テンダーロインのミディアムで注文した。地元ステーキとはピメントの塩漬けとニンニクがのっているもので、ソースもピメントのペーストと白ワインが使われる。肉の旨さもさることながら、ソースの浸みたフライドポテトが激ウマで、芋の種類が違うのか中がとろけるようにクリーミィで、完食してしまった。デザートはお茶のプリン。日本の抹茶プリンを彷彿とさせるこのデザート、リスボンではアソーレスレストランにもあるかどうか微妙なので、ヨーロッパ唯一の茶畑のあるサン・ミゲル島に来たらダイエットを中断しても是非味わいたい。


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by caldoverde | 2018-12-10 04:53 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
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ラボ・デ・ペイシェ(魚の尻尾)警察署の看板


寒い日に大きな浴槽でじんわり湯に浸りたいという欲求は、私を旅へとかきたてる。気がつけばアソーレス行きのローコストの航空券とオフシーズンでかなり安くなったホテルを予約していた。エアーチケットはサン・ミゲル島往復50€弱と、電車でポルトに行くよりも安い。海の真ん前の5つ星ホテルは2泊で114€。海を見ながらプールで泳ぐ事もできる。もう一つの宿は庭付きの貸別荘丸々一戸で、2泊60€。場所はサン・ミゲル島の北側、島で2番目に大きな町リベイラ・グランデの隣にある、ラボ・デ・ペイシェ(魚の尻尾)という名の村だ。リベイラ・グランデの近くにカルデイラ・ヴェーリャ(古釜温泉)という天然温泉があるので、その辺りの宿を探していたら、ラボ・デ・ペイシェに見つかったという訳である。


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魚尻村のメインの教会にはXmasの飾りつけ


リスボンの濃霧のためにサン・ミゲル島に着いたのは予定よりも2時間遅れの昼2時過ぎで、雨も降っていたので、首都ポンタ・デルガーダの市内観光はパスし、タクシーでカルヴァン洞窟に向かい、そこで昼食をとった。今年の7月にテルセイラ島の1日ツアーで2つの洞窟に入り、火山の作る様々な造形に感銘を受けたので、サン・ミゲル島でもぜひ洞窟を見たいと思っていた。しかもすぐ隣には良さげなレストランもある。カルヴァン洞窟はポンタ・デルガーダの町外れにあり、午後に3回ガイドツアーが行われる。着いた時は2時半からの英語によるツアーが始まるところであった。ポルトガル人にもわからないサン・ミゲル弁よりはネイティブじゃない英語の方が聞きやすかったかもしれないが、まずは腹ごしらえをしてから1時間後のポルトガル語のツアーに参加することにした。


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本土のタコのオーブン焼きは足2~3本程度だが、この店のは小ぶりながら一匹まるごと、頭も付いている。柔らかくてとても美味しい。付け合わせはタコが抱きかかえた皮付きジャガイモと、青菜と豆とパンのそぼろ(ミガス)で、塩分控えめだがアソーレス料理にお約束の塩漬けのピメントがアクセントを効かせている。


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手前の白っぽいものはタコの頭

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ちゃんと脚が8本ある


カルヴァン洞窟は全長5kmに及ぶが、30分のガイドツアーで歩く距離は短いので体力が無くても大丈夫。溶岩流の造ったトンネルの地面はギザギザに尖った溶岩の塊や大小の火山礫が積み重なり、一方壁や天井はチョコレートが溶けたように滑らかで鈍く光る凹凸を成し、付着したバクテリアが様々な紋を作っている。触りたくなるが、残念ながらタッチ禁止である。


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触りたいけど我慢


サン・ミゲル島は比較的路線バスが多く、ちんたら走るバスに乗るのは私的アソーレスの旅の楽しみの一つなのだが、日曜日は本数は激減するので洞窟からホテルまではタクシーを使わざるを得ない。アソーレスのタクシーは未だにメーターがなく、走行距離に応じた料金が表になった紙を見て請求される。納得いかないが空港と街を結ぶバスもないので、空港からの移動はタクシーかレンタカーしかない。ポルトガルではだいぶUBER(白タク)が普及し、はっきり言ってタクシーより快適なのだが、タクシーの運転手たちが反UBERストを行った結果、むやみに増えないように法律ができた。アソーレスにはUBERはまだ上陸していないようだ。


by caldoverde | 2018-12-08 20:02 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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サン・マテウス港とブラジル山


宿の台所には調理器具が揃っているが、付近に食材を売る店はないし、プールのバールにはハンバーガーの類いしかない。メニューにカサガイが載っていたが、その日は仕入れがなかった。まともな食事は昨日のツアーで食べたアルカトラという郷土料理だけで、後は宿のサービスのクラッカーやリンゴ、飲むヨーグルトなどでしのいだ。という訳で食費が大いに浮いたので、少し贅沢しようと、島で最も良いと評判のシーフードレストランで昼食をとることにした。


10年前にテルセイラ島に来た時は、路線バスに乗りサン・マテウスという漁港で降りて、バス停前のタスカ・デ・サン・マテウスという居酒屋でカサガイとフジツボとウツボを食べた。フジツボは貝の中に汁を残したまま下げられてしまった。隣の客は貝の肉を掻き出した貝殻を口に持っていき汁を旨そうに飲み干していた。すごく損したような気持ちになった。何とかリベンジしたいとずーっと思っていたが、とうとうその日がやって来た!

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前菜のフレッシュ・チーズにはトウガラシペーストが付く


レストラン・ベイラ・マール(海辺)は10年前行った居酒屋のすぐ近くにあり、その名の通り漁港が真ん前で、テラスからブラジル山も見える。店内には様々な種類の魚が並び、どれも新鮮で美味しそうだ。メインは後からまた考えることにして、まずはフジツボとカサガイと白ワインを頼んだ。海藻に覆われたフジツボが計6個に、釣り針のようなものが添えてある。これで貝の中身を掻き出すのだ。身は小さいが 、海の旨味が濃縮されたような味で、牡蠣を海のミルクと呼ぶならば、フジツボは海のエヴァミルクと言ってもいいだろう。もちろん身を食べた後は汁を飲むのも忘れなかった。居酒屋よりもやや高級な店なので、一応人目を気にしながら。焼き網に載せられてじゅうじゅう音を立てるカサガイも最高だ。バターで焼いてレモンをかけて熱々のところに冷たいワインを流し込み口の中を冷ます。コリコリした歯ごたえと磯の香りがなんとも言えない。これも貝汁まできれいにいただく。

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前菜が終わり、メインを何にするか決めようと魚のケースや生け簀を見に行った。生け簀にはロブスターとぺちゃんこに潰れたような海老が入っている。ロブスターの値段を聞くとキロ当たり50€でリスボンよりずっと安い。一瞬心が動いたがぺちゃんこの海老の名前と値段も聞いてみた。カヴァコという海老で本土ではブルシャ(魔女)、日本ではセミエビと呼ばれている種類らしい。

ロブスターよりも美味で値段も60€と高い。しかしロブスターよりも小さいのでそれほど高くはつかないだろうと考え、前の大統領と同じ名前の海老を注文した。茹でるのに30分かかると言われた。港の景色を眺め白ワインを飲みながら大統領の到着を待った。


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縦に真っ二つに割られたカヴァコは、赤い殻から真っ白な身をぷりっと弾き出している。シャコエビ程度しか肉がないだろうと思っていたら、結構食べ応えがある。大味なロブスターよりも甘みと弾力がある。赤いソースが添えてあり、これをかけて食べても旨いが、シンプルに茹でたままのを食べてもいける。ソースはオリーブオイルの中にカヴァコの細かい身、ゆで卵、パセリ、パプリカなどを混ぜたもので、カリッと焼いたパンにのせて食べると、海老の本体よりも美味しいと思う私は貧乏性だ。お勘定はしめて76€、リスボンでは100€は下らないはずだ。またテルセイラ島に来たら、毎日通ってしまいそうだ、やばい…。アソーレスでは大統領と呼ばれる魔女に魔法をかけられてしまった。


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by caldoverde | 2018-07-13 09:33 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
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野山に咲く✖︎ベラドンナ◎ジギタリス

朝9時に宿泊先に迎えに来たのは、三菱の四駆車と坊主頭に髭、唇にピアスという悪役プロレスラーの様な風貌ながら、最近生まれたばかりのお嬢さんにメロメロの優しいお父さんであるガイドドライバーのギーさん。アソーレスは英語圏のお客さんが多く、特にテルセイラ島は米軍基地があるので、宿のオーナーもギーさんも英語の方が得意のようだ。というか、アソーレスのポルトガル語は訛りが強くて正直なところ半分も聴き取れなかった。しかし火山に関する基礎知識があれば、どの言語でも、あるいは外国語が全く苦手でも十分楽しめると思う。


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テルセイラ島は緑のパッチワークの島と言われる。たしかに飛行機の窓から見る景色は、つぎはぎの敷物を広げた様な牧場が広がっている。しかしそれはどの島でも見られる珍しくも何ともない風景だろうと思っていたら、その偏見は完全に覆された。沿岸からも良く見える平らに広がったクメ山地は、実は世界だかヨーロッパだかで2番目に大きな火山噴火口(クレーター)で直径15kmもあり、展望台は海抜545メートル、大した高さではないがそこから見下ろす風景は圧巻だ。広大な盆地の中の数百あるいはもっと沢山の、石垣で区切られた四角い牧場が視界いっぱい広がり、ゴマ粒の様な乳牛が点々と見える。まさに巨大なパッチワークだ。クレーターの中はさらに凹凸があり、太古の昔起こった巨大噴火による火山灰が噴火口を塞いだ後も、マグマは出口を求めて地面を持ち上げた、そんな隆起があちこちに見られる。テルセイラ島の第一の景観はどこかと問われたら、世界遺産のアングラ・ド・エロイズムの旧市街よりも、私はこのクメ山地を挙げる。


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海側に目を向ければ、割れた小火山のカブラス(雌山羊)島と、アングラの町と繋がった半島状のブラジル山が見える。カブラス島は自然保護区で船で近づく事は出来るが、上陸は禁止されている。鳥や魚が豊富で、バードウオッチングやダイビングに格好の場所だ。ブラジル山は深い森に覆われた小さな山で、やはり自然公園になっているが、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパの富が集まるアングラの町を敵国や海賊から守るための城塞の役割も果たしてきた。


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島の主要産業はやはり酪農。翌日は別の旅行社の主催する牧場ツアーに申し込もうかと考えていたが、ダメ元でチーズ工場を見たいとギーさんに言ったところ、立ち寄ってくれた。テルセイラ島で最古のチーズ工場 Vaquinha ではガラス越しにチーズの製造過程を見学でき、製品の試食もできる。リスボンではなかなか見られないちょっと違うテルセイラチーズを3種類買った。


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ツアーにはローカルなレストランで郷土料理のランチが付いている。島の西端のセレッタという集落にあるTi Choaは、トリップアドバイザーなどでも良い評価を受けている店だ。10年前に来た時も食べたテルセイラ風ビーフシチューのアルカトラを選んだ。素焼きの器にほろほろ崩れるほど柔らかく煮込んだ牛肉をご飯やジャガイモと共に食べると、実に美味しい。陶器のカラフでサービスされたワインはテルセイラ島名産のビスコイトの白。アソーレスのワインは断然白が美味しく、特にビスコイトの最高級ワインは30€以上もするが、ハウスワインでも十分に美味しい。デザートはアソーレスならではのカッテージチーズ(酢で固めたミルクに甘味を加えたもの)。


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日本の三大美林にも匹敵するような杉の巨木の並ぶ道をドライブする。アソーレスの杉は日本杉と呼ばれて日本から輸入された外来植物である。これだけ大きく育つのに100年もかかりそうだが実は30年ぐらいでこんなに大きくなる。アソーレスは湿気が多く寒暖の差が少ないので植物の生育が早く、熱帯から寒帯の幅広い植生が見られる。本来は独特の照葉樹林に覆われていたが、大航海時代に入植が始まると瞬く間に家畜や農業作物が増殖し、今や固有植物は絶滅の危機に瀕している。山道を走るとアソーレス山鳩が飛び立つ。この鳥は島固有の植物を増やすのに貢献しているそうだ。やや小さめのタカの様な鳥はミリャフレと呼ばれ、これがアソーレス(鷹)諸島の名前の由来になったと思われがちだが、イタリア人が青い(アスーリ)島々と呼んだのが語源だそうだ。でもアソーレスの旗に描かれているのはこの鳥がモデルと思われる。


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午後は2つの洞窟を見学する。ひとつはナタル(クリスマス)洞窟、もう一つはカルヴァン(石炭)洞窟。ナタル洞窟は溶岩が凄い勢いで地中を走ってできたトンネルだそうだ。黒くゴツゴツと尖った溶岩が地面に広がり、壁は溶岩の流れた跡が残っている。比較的自然の洞窟の姿そのままに保存してある。天井が低く頭をぶつける高さになる場所もあるので、ヘルメットを着用する。また靴はビーサンやヒールは避け、底の厚い足をすっぽり覆うタイプがお勧め。


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カルヴァン洞窟は世界にも稀な縦に開いたドーム型洞窟だ。火山が爆発すると地中からガスが噴出し、山のてっぺんが吹き飛び噴火口ができるが、完全に吹っ飛ばず、ドーム状の屋根を形成したのが、このカルヴァン洞窟だそうだ。いくつもの部屋があり、天井は丸いドームになっている。底は雨水の溜まった池がある。雨の少ない時期には干上がってしまう。こちらは階段が設けられ、ヘルメットなしでもヒールでも歩けるようになっているが、かなりの深さだ。


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最後は島の北部のクアトロ・リベイラスの展望台から素晴らしい海岸線を眺めた。ギーさんはここが一番好きな景観だそうだ。今回はワイナリーのあるビスコイト地区は以前も行ったのでカットしたが、初めての方には、特にワイン好きの方には必見の場所だ。1日で島の自然モニュメントをほぼ全て見られて、ランチも付くこのツアーは95€とかなりお得。チップ込みで100€払った。


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箒の様な植物はエリカ・アゾリアというアソーレス諸島の固有種

by caldoverde | 2018-07-08 17:00 | ポルトガルの旅 | Comments(2)