ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カラフルな鞍でおしゃれしたロバ達


シントラはシントラ王宮、ペナ宮殿、ムーア人の城というお城御三家で有名だが、他にもあまり知られていない、滅多に観光コースに入らないモニュメントがいくつかある。


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出そうです

その一つはシントラの旧市街から歩いて15分の所にあるレガレイラ宮殿。一見中世の魔女の館のような不気味な建物は、20世紀の初頭にブラジル人の大富豪モンテイロさんが建てた個人の邸宅である。コーヒーや鉱物で巨万の富を得た彼はフリーメイソンの会員で、建物や庭には様々なシンボルが仕込まれていて、フリーメイソン会員ならば意味が分かるのだろうが、何の事だか解らない非会員でも十分に楽しめる。あちこちに秘密の通路や洞窟や階段があって、子供が隠れん坊や探検ごっこをするのに絶好の庭園だ。バブル時代は日本の某建築会社が所有していた時期があった。当時イケイケの日本はヨーロッパの城やニューヨークのビルを買いまくっていたが、その会社はレガレイラ宮殿をテーマパークかホテルにするつもりだったのだろうか。

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トンネルを歩くと2つの井戸の底に出る
これは「未完の井戸」

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洞窟の出口は池になっている

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有名な「イニシエーションの井戸」

シントラの森の中の曲がりくねった山道の奥深く入った所に、苔むした古い小さなカプショス修道院がある。庭の石や建物はしっとりとした緑の苔に覆われ、質素な修道院の内装は湿気や冷気を防ぐためにコルクが使われていた。しかし今回はしみじみと侘び寂びを味わうのではなく、隣のロバ牧場でロバと一緒にシントラの山を散歩するために来たのだ。アルガルヴェやアソーレスのグラシオーザ島やミランダ・ド・ドウロでロバを間近に見て、この何を考えているのかわからない頑固者の動物のファンになった。シントラのロバ牧場では事前に予約すれば3才から12才までの子供はロバに乗って散歩する事ができる。ただし一人の子供につき一人の大人の付き添いが必要だ。散歩を含まない見学も可能であるが、やはりロバと一緒に歩いてみたいので、ポルトガル在住の日本人ファミリーに呼びかけてドンキーライディングを申し込んだ。


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気持ちよさそうな素振りは微塵も見せずただひたすら食べる

最初にレクチャーが行われ、馬との違いや寿命、食べ物などについての話を聞いた後、参加者はロバのブラッシングを体験する。子供たちが恐る恐る背骨に沿って、あるいは胴の毛並みに沿ってブラシをかける間、モデルのロバはただひたすら食べて、箱に餌がなくなると、もっと寄越せとばかりに箱の縁をくわえて音をたてる。

講義が終わるといよいよ実際にロバに乗る。身長に合わせて小さいのから大きいのまで、体格の異なるロバが用意されている。ロバの歩みは船のように揺れ、数歩歩いては路肩の草を食べ、また歩いては立ち止まったりするので、遅々として進まない。 普通に歩けば20分程度の距離なのだろうが、約1時間のロバ散歩。よほど信頼関係を築かないとロバは言うことを聞かないようだ。


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シントラには他にも庭の素晴らしいモンセラット宮殿や、ペナ宮殿を作ったフェルナンド2世の後妻さんの別荘など、なかなか行く機会のないお城や屋敷がある。最近マドンナがシントラに別荘を買ったそうなので、また名所が増えるかもしれない。


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by caldoverde | 2018-03-30 06:25 | 動植物 | Comments(0)

ヴィアナに行こう

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ヴィアナの町の「アマリア通り」のプレートとアマリア・ロドリゲスのレリーフ。彼女が歌ったファドに「ヴィアナに行こう」という曲がある。


たまたま格安航空券のサイトを見ていたら、リスボンーポルト間が何と5€というチケットがあった。3月に何も仕事がない週があるので最小の出費で小旅行をと思いたち、数日後同じサイトを見たら、既に15€になっていた。それでも長距離バスよりも安いので、LCCのライアンエアーでポルトまで飛び、そこからポルトガルの最北部の都市ヴィアナ・ド・カステロに行くことにした。

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随分前に8月の有名なヴィアナのお祭りを見に行った事があるが、予約なしで行ったものだから「歩き方」に載っている安宿は満室か、ダブルの部屋のみでカップルでないと、と断られる始末。観光案内所で唯一空室のありそうな宿として紹介されたのが16世紀の貴族のお屋敷ホテルで、初めての日本人客という事で、オーナーに夕食を招待されるという特別歓待を受けた。今考えるとあのゴージャスな雰囲気であの値段は全然高くはなかった。今回は日帰りだが、彫刻の美しい大きな窓のある建物をもう一度見たかったのと、その頃はまだ無かった民族衣装博物館を見学するのが今回の旅の主な目的だ。

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私が最初の日本人ゲストだったお屋敷ホテル Casa dos Costa Barros 

飛行機を使おうがバスや電車だろうが、朝リスボンを発ってヴィアナに着くのはどうしても12時半過ぎになる。博物館も昼休みに入るので、まず腹ごしらえをしなくてはならない。ところが行く前にいろんな人にヴィアナの名物や良いレストランの情報提供を求めても、皆言葉に詰まってしまう。ヴィアナは観光地としてはそこそこ知られているし港町なので、直ぐに名前が出てくるかと思いきや。昔、貴族の館の当主にご馳走になった店はヴィアナ随一のレストランだったが、今は昔日の名声はなくなった模様。駅前の新しいホテルのレストランはなかなか良さげなのだが、入っても従業員も客も誰もいなくて、お値段がどれも1皿15ユーロ以上と、節約旅行の食事にしてはやや高めなのでパスし、街中の適当なところでお昼を取ることにした。数件比較したが、やはりピンとくる所はなく、魚はサーモン、スズキ、鱈とどこにでもあるものばかりなので、路地に入った小さなレストランでミーニョ地方の郷土料理のロジョンイスを食べた。ロジョンイスは角切りの豚肉、豚レバー、チョリソを下味をつけて揚げ煮し、コロラウ(パプリカ)やクミンで香りをつけた料理。田舎のおじさんはよくクミンの臭いを漂わせているが、これを食べるせいかもしれない。ミーニョの地酒といえばヴィーニョ・ヴェルデのしかも赤なのだが、この店には置いていない。ヴィアナで陶器の茶碗に注いだヴェルデの赤を飲もうと思っていただけに、少し残念だった。

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中央の指のようなものは、ゴムのように弾力のある腸詰め

ヴィアナの民族衣装はとても美しく、8月半ばの「嘆きの聖母祭」では、女性たちが赤や緑や黒の華やかな衣装に身を包んだパレードや、数十組のペアが凄い速さのステップで踊るフォークダンスが行われ、その素晴らしさは一生に一度は見る価値がある。まだハイハイをしているような赤ちゃんが同じ衣装のお母さんやおばあちゃんに抱かれていたり、小さな男の子も白いシャツに黒い帽子のいでたちで女の子をエスコートしている姿は本当に可愛く、カメラのメモリーカードやバッテリーは十分に予備を用意しなくてはいけない程。そのお祭りの衣装を集めた博物館は、旧市街の広場の一角にあるのだが、残念ながら内部は撮影禁止で、普段はもちろん民族衣装を来て歩く人はいないので、本物のヴィアネンス(ヴィアナの女性)の盛装姿を撮るにはやはり8月のお祭を見に行くしかない。


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大きなポスターとレリーフのある民族衣装博物館

民族衣装はスカーフは頭と胸用に2枚、麻のブラウス、ビロードのベスト、ストライプのスカート、ウールの変わり織のエプロン、手編みレースの靴下、エナメルのサンダル、ペチコート、ポシェットからなり、皆刺繍やレースを使ったハンドメイドなので一揃えするとかなりの金額になりそうだ。その上に金のアクセサリーを複数、イヤリングはもちろん、ペンダントは最低三本は着けないと様にならない。親子代々受け継がれたものを誇示するのだ。

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アーチの形が面白い建物

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歴史的な建物の集まるレプブリカ広場

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18世紀の豪壮な邸宅もあちこちに

オフシーズンのヴィアナも素敵だ。大航海時代のマヌエル様式や18世紀のバロック様式の建物がさりげなく銀行や商店になっている。山の上には豪華な薔薇窓のあるサンタ・ルジア教会がそびえ立ち、ケーブルカーで登ると大西洋に注ぐリマ川、クレーンの立ち並ぶ港、白い建物の集まる市街の絶景が一望できる。流石にポルトガル北部で最も美しい町の一つに挙げられるだけある。でも食べ物に決定打がないのが、色気より食い気の私には物足りない。タクシー運転手に聞いてもはかばかしい返事は得られず、別の町のポンテ・デ・リマの方が美味いと言っていた。目にはヴィアナ、舌にはポンテ・デ・リマという事か。今度はポンテ・デ・リマに行こう。


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露天の魚屋さんに集まるお客さんと猫

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町のシンボル、サンタ・ルジア教会

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夏は大賑わいの白いビーチ

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by caldoverde | 2018-03-23 00:43 | ポルトガルの旅 | Comments(8)

ジャルディネイラ

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量は半分でも十分


ペルニル(骨付き豚肉)を食べたいと思いマリア・ピア通りの「タスキーニャ」に行くも、この日も空振りだった。代わりにジャルディネイラを注文した。ヴィテーラ・エストゥファダ・ア・ジャルディネイラがフルネームだが、ジャルディネイロとは庭師のことで、直訳すると庭師風仔牛の煮込み、要するにビーフシチューである。どこが庭師風かというと、角切りにした野菜がたくさん入っていて、花いっぱいの庭のようにカラフルである点だ。日本の家庭で作るビーフシチューに近い。野菜がゴロゴロ入っているので、栄養価も高く、お腹も膨らむ。


12時ちょっと過ぎという、ポルトガルではやや早めの昼ご飯の時刻にも関わらず、席は八割方埋まっていた。ほとんどが男性である。そのうちどやどやとポルシェのロゴの入った赤いトレーナーを着た軍団がやってきた。数軒先の自動車修理工場のおっちゃん達だ。彼らが座る席はもうなかったが、立ったままカウンターでコーヒーを飲んでいった。


先日アモレイラスショッピングセンターの近くに開店した小洒落たレストランの前を通りかかったら、昼のメニューにペルニルの実物が見本としてウィンドウに飾ってあり、その美味しそうな色艶に惹かれて入ったのだが、見かけは美味しそうなのに、味がしない。

実はその日もタスキーニャでペルニルを食べたくて行ってみたら、スタッフの健康上の理由から今週は喫茶部のみ営業しますとの張り紙があり、仕方なく適当な所で適当なものを食べようとしていたので、渡りに船と思ったのだが。


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味がないとゴムみたい

多分風邪をひいて嗅覚が弱くなっていたせいもあったのだろうが、この新しい店の客層はアモレイラスのオフィスや近くの銀行に勤めているような背広姿のサラリーマンや自由業風の人が多く、それで盛り付けや味が上品だったのだろう。値段も11€と毎日ランチを外食するとしたらちょっと高め。


一方「タスキーニャ」のお得意さんは近くの工場の工員や建築現場の職人などガテン系が中心で、家族経営のこの店に長年通っているらしく、互いに挨拶したり、大声で注文を取ったりと気取ったところが全くない。値段は少し値上がりして、セットメニューが8€になったが、パン、オリーブ、スープ、メインディッシュ、デザート、ドリンク、コーヒー、全部付いている。量も現場で働く男衆を満足させるだけのボリュームは十分にある。昔ながらのやや濃いめの味付けだ。私はここでで昼御飯を食べると、夜はごく軽いもので済ませることができるので、経済的だ。北部ミーニョ地方の出身だというオーナー一家は、おそらく故郷の味を大事に守っているのだろう。これからも庶民の店として、健康に気をつけて末永く続けて欲しい。


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タコのかき揚げと豆のリゾットです

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by caldoverde | 2018-03-01 08:26 | 肉料理 | Comments(5)