ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ペルニル

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家の前の坂道を降りて行くと、リスボンで最も番地の多い通りであるマリア・ピア通りに出る。19世紀にポルトガルにお嫁入りしたイタリア出身の王妃様は、有名なポルトの橋の名前にもなっているのだが、リスボンのこの王妃通りはあまり品が良くない。

昔は悪名高いバラック地区があり、今も昼間からカフェにたむろしている職業不詳の男性が多く、女性はもちろんその連れである。

そんな人たちが出入りするレストランはあまり入る勇気はないのだが、最近同じ通りにある「地震階段」の向かいをたまたま通りかかったら、ある食堂の中から顔見知りの内装屋さんが出てきて、ここは良いぞ、と薦めた。入ってみると客筋はマリア・ピア通りの住民とガテン系の男であるが、中は意外と明るく清潔な感じだ。


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紙のテーブルクロスに書かれた本日のメニュー


現在の国連事務総長である元ポルトガル首相のグテーレス氏にちょっと似た恰幅の良い兄さんとその多分ファミリーが切り盛りする「タスキーニャ(小さな居酒屋)」の本日のメニューは、豚の骨付腿肉のグリル(ペルニル)であった。こんがり良い色に焼けて、脂肪や軟骨の部分も柔らかくカロリーを忘れて食べた。付け合わせは菜の花の炒め物と皮付きのジャガイモで、どちらも美味い。夜までお腹いっぱいになった。


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豪快です

軽いものを食べたい時に選んだメニューはアンコウのリゾットで、普通に美味しい。スープは要るかと聞かれ、汁物が重なるので断ったが、リゾットを食べた後に野菜が欲しくなったので、サラダを注文した。


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サカナ(変態)という名のピリピリソースを数滴入れると更に美味しく



牛・豚・鶏・ソーセージのグリル

3回目に行った時は、ペルニルを食べるつもりだったが既に売り切れだったので、現場のおじさんたちが食べていた焼肉盛り合わせを頼んだ。私も現場で働けるのではないかと力がみなぎってきたが、500mlの赤ワインの酔いの方が力よりも早く体に回った。

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ラクダのよだれ(ババ・デ・カメーロ)というどろどろのデザート

メインの料理の他に、ワインやビールなどの飲物、追加のサラダやデザートやコーヒーも頼み、10ユーロで間に合うかなと思いながら勘定を頼むと、いつも7ユーロ幾らしかかからない。セットメニューのようだ。だったら安い。でも毎日この店に通っていたら国連事務総長のようになってしまう可能性があるので、気を付けないと。


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世界の平和のために働くタスキーニャの主人

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ペルニルを食べたくて行ったらこの日も空振り。でも本日のメニューのドブラーダ(白豆とモツの煮込み、ポルトのトリパスとほぼ同じ)も美味かった!看板に「ポルトガル伝統料理」と銘打っているだけある。最近流行りのオシャレ系よりやっぱりこっちだね。

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by caldoverde | 2017-11-26 20:58 | 肉料理 | Comments(10)

アンコウ(タンボリル)

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 市場やスーパーの鮮魚コーナーにいくと、世の中には自分を凌ぐ容貌の生き物がたくさん存在することを確認し安堵する。ギザギザの歯をむく黒太刀魚、ピカソの絵のような平目系、そしてだらしなく開けた口から内臓が飛び出して、体全体がべったりと潰れたような格好のアンコウ。数ある魚の中でも、とりわけ私に自信を持たせてくれる顔をしているのがこのアンコウである。

 日本ではアンコウは捨てるところがないといわれ、特に肝は美味とされている。私は魚も動物も肝臓は得意ではないので積極的に食べないが、昔ナザレの魚市場でアンコウをさばく人が皮とかヒレと一緒に大きなアン肝を惜しみなくバケツに捨てているのを見て、あ~もったいないと思ったものだ。ところが最近はポルトガル人の間でも、アン肝のおいしさが認知されてきたようである。市場でひっくり返っているアンコウは、腹の真ん中に穴が開けられ、大きな肝を見せびらかしている。アン肝だけを使った料理があるのかどうかは知らないが、ポルトガル料理の人気者アンコウのリゾット(アロース・デ・タンボリル)は(本格的なレシピでは)アン肝を白ワインと混ぜたものを味付けに使う。一般的なレストランでは多分そこまで凝っていないと思うが、ぷりっと弾力のある淡白なアンコウが入ったリゾットは、ポルトガルの米料理の御三家に入れていいと思う。
マッサーダ・デ・タンボリル(アンコウとパスタの煮込み)小さく切ったピンク色のものがアン肝。スープが美味い!
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 他にアンコウの料理というと魚介類のシチューであるカルデイラーダやカタプラーナなど、トマト系の味付けで煮込んだものが主だ。日本風に刺身やしゃぶしゃぶや水炊きにしてもおいしいと思うのだが、日本料理店でも見かけない。でもポルトガルにあって日本になさそうな食べ方は、アンコウのバーベキューである。世界遺産の町シントラから少し離れたところにある田舎風の一軒家のレストラン、クラル・ドス・カペリーノスでは牛肉、豚肉の他にイカや海老、そしてアンコウを野菜とともに炭火で焼いたエスペターダ(串焼き)が名物である。給仕がテーブルにやってきて特殊な台に50cmはありそうな長い金属製串を吊るして、刺された肉、魚、野菜をめいめいの皿にサービスする。表面は香ばしい焦げ目がついて、中身はジューシーな肉や魚の炭火焼は単純にして美味しい。アンコウ本来のあっさりした味が楽しめて、トマト味に飽きた舌には新鮮だ。
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by caldoverde | 2008-05-30 23:29 | シーフード | Comments(8)