ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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皆様は2月14日の聖ヴァレンタイン・デーはいかがでしたか?
ポルトガルではこの日を「恋人の日」と呼んでいるので、プレゼントは男性から贈っても女性から贈ってもかまわないのだが、今年は生まれて初めて年下のイケメンからハート型のチョコレートを贈られた。亜麻色の髪、薔薇色の頬の美形の彼の愛に応えたいが、体力がついていかない。彼の若さが眩しい。何しろ8歳だから…
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近所にChocolate, Café & Cultura (チョコレート、カフェ&カルチャー)と称する茶店がオープンした。経営者は2人の男性。多分恋人どうしである。ホットチョコレートや、チョコレートを使ったスイーツを、落ち着いたインテリアと心地よい音楽の流れる環境で楽しんでもらおうという趣向で、地下のサロンでは展覧会や講演会も行われる。なかなかアンビシャスなプロジェクトなのだが、一般的には、個人の趣味や理想を追求したお店はあまり長続きしない。居心地が良いと私のように長っ尻の客が常連になり回転率が落ちる。このカンポ・デ・オリーク地区ではカフェは飽和状態だし、住民は大体行きつけの店を持っている。変わった趣向のお店ができると一度は覗いてみるものの、また元の古巣に戻るのである。
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パッションフルーツのムース。お皿も美しい。

私の好きだった茶店はどれもセンスの良いインテリアで、新聞や雑誌が読め、スイーツもその辺のカフェとは違ったものがあったので、よく通っていたのだが、どこもさっぱり新しいお客さんは来なくて潰れてしまった。不思議である。ポルトガル人はダサくて、何十年も代わり映えしない菓子を並べ、知り合いがいそうなところにしかコーヒーを飲みに行かないのかもしれない。

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野菜とカマンベールチーズのキッシュ、フムスというひよこ豆のペースト。パリざます。

別の通りにはフランス人の旦那さんと旧ソ連何とかスタン(すみません、国名忘れました)人の奥さんのカップルによるフレンチ・ペストリー・ショップ La Patisserie Salambôが出来た。パリパリのパイ菓子や本格的なクロワッサンやバゲットのある小さな店だ。店内には馥郁としたバターの匂いが漂い、私の後に入ったマダムはフランス語で注文し、リスボンに小さなパリが出現したみたいだ。テーブルが4つ程しかないので、ゆっくりコーヒーを飲みながら読書を楽しむ余裕はなく、テイクアウトが主体となる。ここではフランス人が作る本格的なキッシュの他に、ロシア南部の何とかスタンの肉入りパイもスペシャリティだ。繁盛すればもっと客席のある物件に引っ越すべきだ。ヴァレンタイン・デーに恋人たちが仮想パリの小粋なビストロでおしゃれな食事をとりながら愛を語らえるように。
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焼鳥もおしゃれです。

容赦ない甘さの本格的ポルトガル菓子の店 Doc&Mel は開店して2年目だが、斜め向かいに既に長年の顧客を獲得しているカフェがあるので、あまり忙しそうではない。ここには探すと以外と見つからない生クリーム(植物性に非ず)系のケーキがあるので、猛烈に生クリームが食べたくなると行くのだが、普段はあまりお客さんが入っていない。そこそこ人がいるときは、サッカーの試合のある日曜日などで、行きつけの店が閉まっているのでここに来たという雰囲気がありありである。そういうお客はこの店自慢のケーキなどは食べず、ビールばかり注文する。
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いい仕事をしているのだが…
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プリンシペ・レアル地区には本格的なフランス菓子店があったのだが、ポルトガル人には高すぎたのか、残念ながら潰れてしまった。どうもポルトガルで商売を始めようとする人々は、マーケティングが不十分だったり、開店資金だけで店を開いて運転資金は考えていないのではないかと思われる。人口60万の中都市リスボンで生き残るには、既にある繁盛店とそっくり同じものを隣に作って従業員もそっくりな人を雇い、客が間違って入るように誘導した方が良い、と私は思う。
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by caldoverde | 2015-02-18 02:45 | お菓子・カフェ | Comments(10)
 私の住むカンポ(原っぱの意)・デ・オリーク地区に、最近新しいベーカリーが立て続けに2軒開店した。ほとんど斜向かいといって良いほどの至近距離である。
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ここに限らず、ポルトガルの公園は爺さん広場

 地区の中央には、日本と逆でママ友よりもジジ友が幅を利かすパラーダ公園がある。この公園の周りには既存のカフェが三店、そこから半径500mの間には、思いつく限り十軒ほど似たような喫茶店やパン屋が集中するカフェ激戦区なのだが、その中のまさに公園に面した、一年程ずっと「健康上の理由で休業します」という張り紙をつけていたスナック&バー(ポルトガルではきれいなママさんやこだわりのマスターのいる夜専門の飲み屋ではなく、大衆食堂)で改装工事が始まったと思ったら、あっという間にオサレなベーカリーに変わっていた。その名はパダリア・ポルトゲーザ(ポーチュギース・ベーカリー)。
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オレンジとブラウンが基調カラーのパダリア・ポルトゲーザ

 5月のとある週末、公園に面した新しいパン屋には期待に胸膨らませ、店員の手際の悪さに頬を膨らませた住民が群がっていた。客を効率よく捌くための番号札が、逆に研修を終えたばかりか或いは全く研修を受けていない店員の混乱を招き、それに対して申し訳なさの微塵も感じられない接客にもかかわらず、従来の店にはない品揃えに惹かれた人々は続々と店に入って来て、やっと自分の番が来ると今度は選択に窮し、店員に商品の説明を求め、店内はより混迷の度を深めるのだった。

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外装は白、インテリアはナチュラルのデグスタ

 しかしその数日前にはわずか数10メートル離れたところにベーカリーカフェがオープンしたばかりであった。ブラウンを基調としたナチュラルなインテリア、通りに面した窓には木箱にクッキーやパンを木箱に入れたディスプレーと、ポルトガルパン屋と非常によく似ている。名前はデグスタ(デグスタサオン=試食、試飲)というグルメを連想させる店名で、ウッディな広々とした店内(というか、テーブルが少なすぎ)の奥にパンやお菓子を並べたカウンターがあり、こちらも思わず選択に迷うような多彩な品揃えだ。

 パダリア・ポルトゲーザは一部上場の大手スーパーのベーカリー部門にいた一社員が、大企業で培ったノウハウを生かし独立した店だそうだ。大企業のバックがあるので、商品や店のイメージなどのマーケティングはしっかりしている。店のロゴやオリジナルグッズのデザインなどは洒落ている。しっかりしていないのはやる気と手際が足りない若い店員である。
 一方デグスタ・ベーカリーは義務教育を終えてから長年カフェで働いてきた1従業員がその働きぶりを認められ、ついに店を任せられることになり、妻や息子とともに一家総出でがんばっているという雰囲気である。店のおじさんは手際が良いわけではないが、一人ひとり愛想よく応対し、一回の買物につき2回はありがとうと言うので、こちらこそこんな小さな買物ですみませんね、と申し訳なくなる。もっともポルトガルの飲食店は客一人の売り上げがコーヒー1杯50セント(60円)は別に珍しくない。

 では品揃えはどうか。パダリア・ポルトゲーザはふわふわ系のパンが得意分野のようだ。特に「パン・デ・デウス(神のパン)」という表面にココナッツをのせて焼いた丸いパンが主力商品である。ほとんど全てのカフェやベーカリーにはパン・デ・デウスがあるが、ここのはココナッツが惜しみなく使われていて、パン生地がふんわりと柔らかいのが特徴だ。日本で流行った「ハイジの白パン」みたいな、焼きの甘い、歯ににちゃっとくっつくようなタイプだ。甘みの少ないふわふわのものもある。表面にゴマやけしの実、オートミールなどをまぶした丸いパンは、見た目も楽しくバターやジャムなしでもそれ自体で美味しい。
 菓子はパン・デ・ローとナッツやフルーツを混ぜたバターケーキタイプのものが揃っている。生フルーツを使ったタルトは日本では珍しくないが、このポルトガルではかなり洗練されたほうである。
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 一方デグスタ・ベーカリーは田舎風のどっしりしたパンに力を入れているようだ。噛めば噛むほど味の出るトウモロコシのパンや、皮は固焼きせんべい、中はむちむちの弾力のあるアレンテージョタイプなど大きなパンがガラスケースの中やカウンターの後のかごの中に鎮座している。食事系のものとしては野菜やチキンを巻いたクレープがある。野菜のクレープはおじさんが「ムイト・ボン(すごくうまいよ)」とお勧めするだけあって、ふんわりした皮に色とりどりの野菜がたっぷりのヘルシーな軽食だ。
菓子系も充実していて、マフィンタイプのものが数種類、ホームメイドタイプのケーキも食指をそそる。チョコレートやアーモンドをふんだんに使ったちょっと重そうなお菓子が多い。
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生クリームを薄いスポンジで挟んだ、サン・マルコスというケーキ。おじさんは切るのに失敗した。

 店の面積はデグスタのほうがポルトゲーザより1.5倍は広いのになぜか席は少なくがらんとしている。やたらと空間が多い。また道路に張り出したテラス席がないのはやや不利である。分煙設備のない店ではテラス席が喫煙席になるので、タバコを吸う人は中でゆっくりとコーヒーやパンを味わうことができない。もっとテーブルを増やさないと長っ尻のポルトガル人は入り口から中を覗いて通り過ぎてしまう。店の人の感じは良いので、応援したいのだが…。

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砂糖を使わないチョコタルト。見た目より軽くて甘さ控えめで美味い。

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粉よりドライフルーツの割合のほうが多いヘビー級ケーキ
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by caldoverde | 2011-06-06 23:22 | パン・ご飯 | Comments(10)

ポルトガル人とカフェ

 先の日記で「グロッソ」という名前のお菓子について書いたが、実は重大な間違いがあることが発覚した。速やかにとは言えないが(知ってから三日後に書いている)訂正してお詫びする次第である。正しい名前は「ニーニョ(鳥の巣)」と言う。どう見たってこれは鳥の巣だ。それ以外に考えられない。いかにして私はninhoをgrossoなどと聞き違えたのだろうか。どなたかこのカフェで「グロッソ下さい。」と注文しては店の人に「はあ?」と何度も聞き返され、目的を達成することができなかったのではないかと心配している。
グロッソ改めニーニョと申します。
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 私も三日前よほど「グロッソ下さい。」と注文するところを一抹の不安と言うか、何か私を制止する直感みたいなのものが働き、おじさんに「これ下さい。」と頼んだ後「これは何と言う名前ですか。」と確認した。そうしたら「に~にょ」とにちゃにちゃした答えが返ってきた。「へ?」「に~にょ」「へ?」「に~にょ」と押し問答が繰り返され、見かねた隣のご婦人が私に「ほら、鳥が卵を産むあれよ。」と教えてくれた。おじさんは紙切れにninhoと書いてこの訳の分らぬ東洋人の女に渡してくれた。私は親切なこの二人に日本人の特技であるごまかし笑いを最大限に振りまいた。
我輩はお菓子である。名前は知らない。
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 ポルトガルに住むようになって10年でこの始末、何とかしなくては。それでも最近は集中すればポルトガル人の会話をなんとか傍受できるようになった。しかし気を緩めると雑音にしか聞こえない。ブラジルポルトガル語から入った私にとってヨーロッパのポルトガル語は東北弁のような訛りの聞き取りにくい言葉である。日本には初級ブラジルポルトガル語の教材は沢山あるのだが、中級以上の、そしてポルトガルのポルトガル語を対象にした教材は少ない。先日近所の本屋でCD付きのポルトガル語のテキストを購入した。これが結構面白い。CDは一般の人々がノーマルスピードで自分の体験や意見を述べたもので、日常生活においてよく話題になるようなテーマが取り上げられている。中にはポルトガルに住んでいる外国人の文法上あやしいスピーチもあって興味深い。まるでカフェで普通の人々にインタビューしているようだ。
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左がCD付きポルトガル語教材「PORTUGUES em DIRECTO」 Helena Lemos著 出版社www.lider.pt 右の「CUIDADO COM A LINGUA」www.oficinadolivro.ptはTVのポルトガル語の語源やことわざなどをテーマにした5分間番組を収録し、活字化したもの。生きたポルトガル語を学びたい方は参考になると思う。

 カフェで人々はどんなことについて話しているのだろう。仕事、恋愛、政治、サッカー、故郷、子供、趣味。カフェはわずか50~60セントのコーヒーで時間と空間を提供してくれる。ランチタイムを除けば1時間や2時間読書しても、パソコンを使って仕事や勉強をしてもほとんど誰も咎めない。有名人であっても特別気を使われたり干渉されることはない。先日は私が映画を見るためによく行くリスボンのごく一般的なショッピングセンター内のカフェでポルトガルの首相が軽食をとっているのに遭遇した。総理大臣も映画を見に来たのだろうか。ジョゼ・ソクラテス首相は離婚しているが数年間お付き合いしている女性がいて、最近彼女と一緒にいる写真が週刊誌の表紙になったのであるが、その日は恋人と友人の女性と三人で特に人目憚ることもなくお茶していた。店の人も他のお客さんも知ってか知らずか、無関心な様子であった。
外国では「アルマーニのスーツの似合う首相」と言う評価あり。この黒いジャンパーもアルマーニかな。
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 ポルトガルにいれば、誰かとコミュニケーションをとりたいとき、逆に一人になりたいとき、勉強や仕事に集中したいとき、逆にリラックスしたいとき、甘いものが大好きな人に、逆に苦手な人に、カフェはすぐ傍にある。年末のニュースで、コメルシオ広場のアーケードで雨露をしのぐホームレスに、売れ残ったお菓子やパンを届けるカフェの経営者の家族の姿が映し出された。30代半ばの主人と奥さん、二人の子供たちはお店が終わるとお菓子の入ったプラスチックの箱を抱えてコメルシオ広場に通う。不況の真っ只中、工場の閉鎖や大量解雇のニュースが連日のように報道される今日この頃であるが、どんなに苦しくてもポルトガル人の心を温めるカフェがなくなることはないだろう。
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これは例のカフェにある「鹿の蹄」と言うお菓子。シロップに浸したスポンジの周りを黄身クリームで覆い、側面はココナッツをまぶし、上部にシナモンで一筋の線を描く。
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by caldoverde | 2009-02-05 21:11 | お菓子・カフェ | Comments(12)