ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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 サン・ジョルジェ島の名前は、竜を退治した伝説の聖人セント・ジョージから来ている。この島に昔恐竜が沢山棲息していた…というわけではなく、地形がドラゴンの形をしているからだそうだ。地図で見ると、葉巻のような細長い紡錘形をしていて、その中央をほぼ一直線に火山ドームが並んでいる。海面から飛び出した竜の背びれか鋸の歯のようなギザキザのシルエットである。最も高い地点は1000メートルを超える。急峻な山々が垂直に近い角度で海に落ち込む。海沿いのわずかな土地にしがみつくように点々と集落がある。島の人口は約10000人だが、なぜこんな厳しい地形の島に人は住むのだろうか。
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世界遺産となった富士山、もといピコ島が眺められるから・・・かな

 サン・ジョルジェ島には人口の2倍の牛がいると言われる。白黒の乳牛、赤牛、黒牛、闘牛、様々な牛が、海を見下ろす斜面に放されている。休みなく生産される牛乳は3、4カ所の工場に集められてほとんどがチーズに加工される。
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 太鼓型のセミハードタイプのサン・ジョルジェチーズは、熟成期間によって3ヶ月、6ヶ月、1年、2年ものがある。古くなるにつれて匂いが強く、味もシャープになる。工場では試食販売を行っており、私はリスボンではあまり見かけない古漬け1年ものを選び、薄く切ったものを買った。値段は1kg当たり6ユーロいくらで、私が買った1片はたった65セントだった。リスボンで見かけるカットチーズは200g位で3ユーロはするので、安さに驚いた。

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 この島にはコーヒーを栽培し、焙煎して飲ませるカフェがある。Café Nunes ではコーヒーの他にマラクジャ(パッションフルーツ)、バナナ、イチジクなどいろんな果樹やハーブを栽培している。店の人はこの島がヨーロッパで唯一コーヒーが栽培されている場所だと自負している。酸味が強いアラビカ種で、ポルトガルのどこでもそうであるように、エスプレッソにする。焙煎や淹れ方を変えたらもっと美味しくなると思う。コーヒーの果実からコーヒー豆にするには結構手間暇がかかるので、1杯の値段は1ユーロと相場の倍だが珍しいので立ち寄る価値がある。
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 このカフェには島の伝統工芸の手織りの工房もある。独特の幾何学模様のベッドカバーや敷物を生み出すのは、粗削りの材木を組み合わせた素朴な機織り機。女性が1日12時間機械に向かい半月かかって織り上げるベッドカバーは380ユーロと労力からすれば決して高くない。他の場所にも数台の機を持っている工芸センターがあり、サン・ジョルジェの空港に売店を持っている。手織りのテーブルセンターは値段も手頃で美しいので何枚かお土産に買った。
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 島で最も古い教会の一つ、サンタ・バルバラ教会で、もう一人タクシーであちこち回っている英国人女性に出会った。彼女の曽祖父がサン・ジョルジェ島出身者だったということで、自らのルーツを探す旅に来ているのだった。教会を管理する島の女性は、その英国人女性の曽祖父の姓を聞くと、すぐにその家族はどこに住んでいるかを言い当てた。翌日たまたまそのタクシーに乗り、彼女はポルトガルの親戚と対面できた事を知った。
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 タクシー運転手のジョゼさんにサン・ジョルジェ島の名物を尋ねたら、アサリだという。アサリというと珍しくも何ともないように思われるが、この島でとれるアサリは大きくて美味いのだそうだ。昨日はカサガイを食べたので今日はアサリと決まった。ヴェラスから南側の道を走り、あちこち立ち寄りながら4時間のタクシー観光は、2番目に大きな町のカリェタのレストランで終了。料金は68ユーロ。
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 本当に新鮮なアサリはただ蒸すだけのアメイジョア・アオ・ナトゥラルが一番美味しいというが、ポルトガルではニンニク、玉ねぎ、香草で味付けし、ワインで蒸したアメイジョア・ア・ブリャオン・ド・パトと言う調理法が一般的だ。値段は2人前20ユーロから30ユーロと結構いいお値段。

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 メインはアソーレスの郷土料理の一つ、アルカトラと呼ばれるビーフシチュー。土鍋でじっくり煮込んだアルカトラを動画で味わって頂きたい。


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by caldoverde | 2013-07-11 12:25 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
 宝くじが当たった。ユーロミリオンという数字選択式のヨーロッパ全域で発売される宝くじで、数字をぴったり当てた人がなければ賞金は次回に加算され、しばらく当選者が出ないと1等賞金はその辺の自治体の年間予算に匹敵するような巨額なものとなる。私にも遂に、今まで我慢していたものを大人買いするチャンスがめぐってきたのだ!!

 ちょうどオリーブオイルが切れかかっていたので、一番上等のヴァージンオイルを買うことにした。「GALLO」(雄鶏)というポルトガルで最も有名な銘柄の、2011年ー2012年にかけて収穫されたオリーブのみ使用したフレッシュ極まりない限定版で、値段は4.99ユーロ(約550円)である。今使っているオリーブオイルもヴァージンオイルなのだが、アラフォーのハイミスのようなトウのたった味なので、絞りたてのピチピチのオイルとどう違うのか比較してみたかったのもある。
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 GALLOのオリーブオイルは全て同じ形の瓶を使い、品質の違いはラベルで区別されるが、この2012年ヴァージンオイルは独特のくびれのあるガラス瓶全体を白地で被い、社名である雄鶏を金色でプリントした高級感溢れるデザインで、しかも立派な紙箱に入っている。雄鶏はポルトガルでは幸運のマスコットでもあるので贈答用にぴったりだ。もし日本で売られるとしたら、2~3千円くらいになるのではないだろうか。
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 オリーブオイルそのものを味わうために、パンも用意した。バターの代わりにオリーブオイルをつけて食べるのだ。白い皿に注いだオリーブオイルは緑と金を混ぜたような色で、芝を刈った後の庭のような青臭い、爽やかな香りだ。パンにオイルをたっぷり付けて食べると、ピリッとした刺激が感じられる。それは決してひりひりしたものではなく、スパイシーな心地よい辛味で、すぐに消えてしまう。この2012年版ヴァージンオイルは純真無垢な赤ちゃんではなく、鼻っ柱の強い、小生意気な娘だ。オリーブオイルの苦手な人には不向きだろうが、何にでもオリーブオイルをかけないと気がすまない地中海民族にとっては、彼らの理想の女性である聖母マリア(ヴァージン)の味に違いない。
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 もう一つ大人買いしたものは、チーズである。私は最近くじ運が強い。アパートの下にあるスーパーのはす向かいにまた別のスーパーがあり、数歩遠いためにめったに行かないのであるが、たまにここで買うとレシートと共にクーポン券が出てくる。結構利用しているにもかかわらずクーポンをもらったことがないという顧客もいるというのに、私は一つしか買わなくても、様々な商品が割引になるクーポンが2~3枚出る事があり、捨てるに捨てられずいたずらに財布を肥やしている。たまたまPASTOR社のチーズが40%引きになるクーポンをもらったので、1個500gもある大きなチーズを気前良くポンと一個買うことにした。割引後の値段は2.99ユーロ(330円)だった。直径10cm高さ6cmの淡い黄色のチーズは、指で押せば押し返すような弾力があり、塩辛くはなく、ほんのり酸味のあるクリーミーなとても食べやすいチーズだ。一人暮しなので普段は小さなサイズやカットしたチーズばかりを買うのだが、当選に気を良くした私はファミリーサイズを買い、大人食いをするのだ。
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 ちなみに私が受け取った賞金は12.25ユーロである。投資額は9ユーロなので3ユーロ25セントの利益だ。今までずっと9ユーロ分買っていたが、4回当たりが出た中で今回が一番ビッグな当選額。3ユーロ→9ユーロ→9ユーロ→12ユーロと順調に増えている。次回こそ大当たりに違いない。TVのインタビューを受けるかもしれないので、当たった時の心境を今からまとめておこう。
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ゲットしたクーポン券の中にはニベア製品を買って100ユーロ分の商品券が当たるというのもあるけど、ニベアは使わないし・・・

 宝くじとは関係なく、近々NHKラジオのインタビューを受けることになった。4月7日17時5分から始まる「地球ラジオ」に生出演。リスボンやポルトガルの食べ物について話す予定です。
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by caldoverde | 2012-04-02 07:02 | 調味料・その他 | Comments(9)

豆腐チーズ

 ポルトガルからの輸入食品がどんなに普及したとしても、多分日本では食べられないものに生チーズがある。ケイジョ・フレスコ、直訳するとフレッシュチーズという名のチーズと、リケイジョンというカテージチーズみたいなものの2種類ある。2つのチーズとも醗酵臭はなく、塩味のミルクが固まったような、淡白な味である。

 ケイジョ・フレスコは直径5cmほどの小さな円筒形のカップに入っており、滑らかな絹ごし豆腐のような舌触り。脂肪分の多いもの、中くらいのもの、少な目のものの3種類ある。ほとんどが牛乳だが、まれに山羊や羊の乳から作られるものもある。このチーズは、よくレストランで前菜に出される。日本人の中にはスプーンを使いチーズをカップからすくって食べようとなさる方もいらっしゃるが、プッチンプリンの要領でカップをひっくり返して、お皿の上に出してフォークとナイフでいただくのが正しい。ポルトガル人は塩と胡椒をふって食べる。見た目も舌触りも豆腐そっくりなのでわさびをのせて醤油をかけてもいけそう。

 リケイジョンは直径10cmほどで、ケイジョ・フレスコのようなプラスチックの容器に入ったもの、紙に包まれてるもの、小さなざる状の入れ物に入っているものなど包装の形態は様々である。食感は木綿豆腐か水分の多いおからの様な感じである。脂肪分は少ない。これも牛乳のほかに山羊乳、羊乳のものがある。リケイジョンのかぼちゃジャム添えは近所のレストランのデザートメニューだ。ポルトガル最高峰エストレーラ山系のふもとセイアという町から取り寄せた羊の生チーズにオレンジ色のかぼちゃのジャムをかけたものだ。チーズの軽い塩味がジャムの甘みを引き立て、ミルクの優しい風味と調和する。チーズもジャムもスーパーで買ったものとは味が違う。たぶん大工場製ではなく家内制手工業によるものなのだろう。凝りに凝って作られたデコラティヴなデザートにも引けを取らないおいしさだ。これは近所のワインバーのおつまみのリケイジョンのトマトジャム添え。盛り付けがおしゃれだ。
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 暑くて火を使う料理をする気が起きないとき、私はこんなズボラ料理を作る。イタリア料理のサラダによく登場するルッコラにゴマだれをあえ、真ん中に山羊のケイジョ・フレスコをでーんとおいて、その上にイチジクのジャムをかける。ルッコラはゴマのような香りがするので当然ゴマとよく合う。ゴマだれはすりゴマに醤油、砂糖、みりんを適当に合わせる。あればくるみか松の実を添えたい。前菜とデザートを兼ねた甘いサラダで、冷やした白ワインとともに食す。
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 生チーズを使ったケイジャーダというお菓子はポルトガル各地にある。有名なのはシントラのケイジャーダで、ガイドブックにもよく載っている。しかし私が好きなのはエヴォラのケイジャーダである。シントラのはチーズの味や香りより、圧倒的にシナモンの香りが勝っている。それにすごく甘い。京都の八橋の好きな方には勧める。一方エヴォラのほうはマドレーヌのようなしっとりした生地にほんのりミルクの香りがして、チーズケーキらしい味がする。エヴォラのケイジャーダには2種類あって、ふちが正円のプリンをひっくり返したような形のはケイジョ・フレスコを使い、ふちが花のようにでこぼこのある型で焼いたのはリケイジョンを使っている。エヴォラのガイドさんによるとケイジョ・フレスコを使ったものはこってりして、花形のリケイジョンのはあっさりしているということだ。シントラもエヴォラもユネスコの世界遺産の町である。美しさもお菓子の美味しさも優劣つけがたい。この2つの町を訪れたなら、ぜひともケイジャーダを食べ比べてください。
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by caldoverde | 2007-07-13 07:42 | スープ・前菜・酒肴 | Comments(0)