ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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野山に咲く✖︎ベラドンナ◎ジギタリス

朝9時に宿泊先に迎えに来たのは、三菱の四駆車と坊主頭に髭、唇にピアスという悪役プロレスラーの様な風貌ながら、最近生まれたばかりのお嬢さんにメロメロの優しいお父さんであるガイドドライバーのギーさん。アソーレスは英語圏のお客さんが多く、特にテルセイラ島は米軍基地があるので、宿のオーナーもギーさんも英語の方が得意のようだ。というか、アソーレスのポルトガル語は訛りが強くて正直なところ半分も聴き取れなかった。しかし火山に関する基礎知識があれば、どの言語でも、あるいは外国語が全く苦手でも十分楽しめると思う。


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テルセイラ島は緑のパッチワークの島と言われる。たしかに飛行機の窓から見る景色は、つぎはぎの敷物を広げた様な牧場が広がっている。しかしそれはどの島でも見られる珍しくも何ともない風景だろうと思っていたら、その偏見は完全に覆された。沿岸からも良く見える平らに広がったクメ山地は、実は世界だかヨーロッパだかで2番目に大きな火山噴火口(クレーター)で直径15kmもあり、展望台は海抜545メートル、大した高さではないがそこから見下ろす風景は圧巻だ。広大な盆地の中の数百あるいはもっと沢山の、石垣で区切られた四角い牧場が視界いっぱい広がり、ゴマ粒の様な乳牛が点々と見える。まさに巨大なパッチワークだ。クレーターの中はさらに凹凸があり、太古の昔起こった巨大噴火による火山灰が噴火口を塞いだ後も、マグマは出口を求めて地面を持ち上げた、そんな隆起があちこちに見られる。テルセイラ島の第一の景観はどこかと問われたら、世界遺産のアングラ・ド・エロイズムの旧市街よりも、私はこのクメ山地を挙げる。


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海側に目を向ければ、割れた小火山のカブラス(雌山羊)島と、アングラの町と繋がった半島状のブラジル山が見える。カブラス島は自然保護区で船で近づく事は出来るが、上陸は禁止されている。鳥や魚が豊富で、バードウオッチングやダイビングに格好の場所だ。ブラジル山は深い森に覆われた小さな山で、やはり自然公園になっているが、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパの富が集まるアングラの町を敵国や海賊から守るための城塞の役割も果たしてきた。


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島の主要産業はやはり酪農。翌日は別の旅行社の主催する牧場ツアーに申し込もうかと考えていたが、ダメ元でチーズ工場を見たいとギーさんに言ったところ、立ち寄ってくれた。テルセイラ島で最古のチーズ工場 Vaquinha ではガラス越しにチーズの製造過程を見学でき、製品の試食もできる。リスボンではなかなか見られないちょっと違うテルセイラチーズを3種類買った。


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ツアーにはローカルなレストランで郷土料理のランチが付いている。島の西端のセレッタという集落にあるTi Choaは、トリップアドバイザーなどでも良い評価を受けている店だ。10年前に来た時も食べたテルセイラ風ビーフシチューのアルカトラを選んだ。素焼きの器にほろほろ崩れるほど柔らかく煮込んだ牛肉をご飯やジャガイモと共に食べると、実に美味しい。陶器のカラフでサービスされたワインはテルセイラ島名産のビスコイトの白。アソーレスのワインは断然白が美味しく、特にビスコイトの最高級ワインは30€以上もするが、ハウスワインでも十分に美味しい。デザートはアソーレスならではのカッテージチーズ(酢で固めたミルクに甘味を加えたもの)。


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日本の三大美林にも匹敵するような杉の巨木の並ぶ道をドライブする。アソーレスの杉は日本杉と呼ばれて日本から輸入された外来植物である。これだけ大きく育つのに100年もかかりそうだが実は30年ぐらいでこんなに大きくなる。アソーレスは湿気が多く寒暖の差が少ないので植物の生育が早く、熱帯から寒帯の幅広い植生が見られる。本来は独特の照葉樹林に覆われていたが、大航海時代に入植が始まると瞬く間に家畜や農業作物が増殖し、今や固有植物は絶滅の危機に瀕している。山道を走るとアソーレス山鳩が飛び立つ。この鳥は島固有の植物を増やすのに貢献しているそうだ。やや小さめのタカの様な鳥はミリャフレと呼ばれ、これがアソーレス(鷹)諸島の名前の由来になったと思われがちだが、イタリア人が青い(アスーリ)島々と呼んだのが語源だそうだ。でもアソーレスの旗に描かれているのはこの鳥がモデルと思われる。


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午後は2つの洞窟を見学する。ひとつはナタル(クリスマス)洞窟、もう一つはカルヴァン(石炭)洞窟。ナタル洞窟は溶岩が凄い勢いで地中を走ってできたトンネルだそうだ。黒くゴツゴツと尖った溶岩が地面に広がり、壁は溶岩の流れた跡が残っている。比較的自然の洞窟の姿そのままに保存してある。天井が低く頭をぶつける高さになる場所もあるので、ヘルメットを着用する。また靴はビーサンやヒールは避け、底の厚い足をすっぽり覆うタイプがお勧め。


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カルヴァン洞窟は世界にも稀な縦に開いたドーム型洞窟だ。火山が爆発すると地中からガスが噴出し、山のてっぺんが吹き飛び噴火口ができるが、完全に吹っ飛ばず、ドーム状の屋根を形成したのが、このカルヴァン洞窟だそうだ。いくつもの部屋があり、天井は丸いドームになっている。底は雨水の溜まった池がある。雨の少ない時期には干上がってしまう。こちらは階段が設けられ、ヘルメットなしでもヒールでも歩けるようになっているが、かなりの深さだ。


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最後は島の北部のクアトロ・リベイラスの展望台から素晴らしい海岸線を眺めた。ギーさんはここが一番好きな景観だそうだ。今回はワイナリーのあるビスコイト地区は以前も行ったのでカットしたが、初めての方には、特にワイン好きの方には必見の場所だ。1日で島の自然モニュメントをほぼ全て見られて、ランチも付くこのツアーは95€とかなりお得。チップ込みで100€払った。


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箒の様な植物はエリカ・アゾリアというアソーレス諸島の固有種

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by caldoverde | 2018-07-08 17:00 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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世界遺産の町、アングラ・ド・エロイズモは新世界と旧世界を結ぶ要衝だった


昔はヨーロッパの主都市並みに高くついていたアソーレス諸島の旅も、最近はイージージェット(既に撤退)やライアンエアーの乗り入れにより、SATA(アソーレス航空)とTAP(ポルトガル航空)の寡占状態の時代に比べると随分航空券の値段が安くなった。またしょぼいペンションがリスボンの3つ星ホテルの値段とほぼ同じだったのが、今ではbooking.comやAirbnbのような宿泊施設紹介サイトによって選択の幅がかなり広がった。アソーレス諸島ももはや秘境ではなく、気軽に行ける所になった。嬉しいような、寂しいような…

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本当はSATAの鯨飛行機に乗りたかった


今回は3泊4日(正味2日)でテルセイラ島に行ったのだが、実は昨年末にフローレス島とコルヴォ島を旅行した時に、トランジットで行き帰り数時間ほどテルセイラ島に立ち寄ったし、既に10年前、2度目のアソーレス旅行としてテルセイラ島を訪れていた。なぜまた?昨年のわずかなトランジット時間を利用してアングラの街を歩いている内に、島の中心部にあるアルガール・ド・カルバォン洞窟の存在を知った。アソーレスの訪問も回を重ねるうちに、火山の造った不思議な景観に心惹かれるようになり、教会や宮殿よりもそちらの方が面白く感じられるようになった。そんな訳で今回は洞窟を中心に島の内部に重点を置いた観光をしようと考えた。いつもは空港で拾ったタクシーに適当に観光コースを回ってくれるように頼んでいたのだが、今回はネットで見つけた個人ツアーを請け負う会社の「ジープで周る火山と自然ツアー」に申し込んだ。値段は95€で宿泊先までの送迎と昼食付きで、約8時間。同じようなツアーを組む会社は他にもあるが、催行人数は2人からのところが多く、参加者一人でも出してくれるこの会社を選んだ。


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テルセイラ島に着いたのは午後4時過ぎで、Airbnbで見つけた宿の主人のフランシスコさんが空港に迎えに来てくれた。宿は空港から車で15分ほどの、村はずれの小さな家だ。廃墟になっていたフランシスコさんの親が建てた家を改装し、AL(Alojamento Local 民宿)にし、Airbnbにも登録したそうだ。面積は60平米ちょっとの小さな建物で、昭和の文化住宅くらいの大きさだが、意外と広いロフトがあって、小さな子供2人を持つ夫婦などは余裕で泊まれる。私は一人で貸切だ。


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芝生の広い庭があり、向かいは牛が数頭いる牧場、家の前の通りは直ぐに行き止まりで、その奥には鬱蒼とした森の中に黒い石垣で区切られた極小の畑があって、ちょっとミステリアスな雰囲気。少し歩けば黒い磯の海岸に出て、海岸沿いに歩くと突き当たりにプールとスナックがあり、村人たちが一杯やっている。付近には他に飲食店らしいものはない。滅多に車も来ないし、窓は二重ガラスになっていて静かである。Casa Rustica(田舎風の家)という名前の通り、室内は昔ながらのダサ可愛いインテリアで、オーナーの郷愁と愛がひしひしと感じられる。


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by caldoverde | 2018-07-05 02:42 | ポルトガルの旅 | Comments(0)

年末年始の仕事がキャンセルになり、たまたま安い切符が売られていたので、今年の最後もアソーレスで過ごす事になった。フローレス島(花島)とコルヴォ島(烏島)は2010年の夏にパッケージツアーで訪れた時は非常に楽しめたが、コルヴォ島はフローレス島からボートでの日帰りだったので、ぜひ宿泊してみたいと常々思っていた。最近はポルトガルは異常なほどの観光ブームで、ユネスコの自然遺産に指定されたコルヴォ島のカルデイラン(火山噴火口)も、このまま観光客が増え続ければ入山が制限されるかもしれない、その前に、という危惧も大きな理由だ。

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烏島ことコルヴォ島

リスボンとフローレス島、コルヴォ島を結ぶ直行便はない。サンミゲル島あるいはテルセイラ島での乗り換えとなる、今回はテルセイラ島で約6時間のトランジットがあるので、ユネスコ世界遺産にも指定されているアングラ・ド・エロイズモの町を散策する事にした。

以前訪れた時は、世界遺産にしては、派手な描き割のような街だなあという印象だったが、現在は更にポップ感が増している。

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窓から大きな瞳で見つめられる
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壁だけ残った建物はカラフルにペイントされ、内側が駐車場になっている
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コマドリが至近距離までやってきた

公園で小鳥と仲良くなり、猿の腰掛けやら苔などリスボンでは滅多に見ない植物を観察した後、隣接の博物館を見学した。建物は18世紀のフランシスコ会の教会で、白壁に濃いピンクの縁取りというテルセイラ島ならではのデザインだ。他の島の建物は白壁に黒い溶岩の縁取りというモノトーンがほとんどである。色彩の派手さはかつての島の繁栄を表しているのだろう。オレンジや小麦の輸出、それに付随する運送業などで財を成したヴァスコンセーロス家という島の有力者についての展示コーナーもあった。


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空港からアングラまで運んでくれたタクシーの運転手は、2軒のお勧めレストランを紹介してくれたが、クリスマス時期なのでどちらも閉まっていた。仕方がないのでその辺の開いている喫茶店兼食堂で、ビュッフェの昼食を食べた。好きなものを好きなだけ取って量りで料金を取るシステムで、豚肉の薄切り(ビファナ)にご飯と野菜、グラスワインで5.55€だった。味は悪くなかった。

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アソーレスの島々を結ぶコミューターは、ボンバルディア社のプロペラ機で、フローレス島までの飛行時間は約1時間。座席は自由席である。窓から見るテルセイラ島は緑の格子模様の敷物をふんわり広げたような、なだらかで穏やかな地形なのに、フローレス島は周りが黒い溶岩の切り立った崖で、海岸線からさほど離れずに急に起き上がったような山が迫る。


今回はまずフローレス島で一泊し、翌日コルヴォ島に飛び2泊し、再びフローレス島に戻り2泊というスケジュール。冬は気候が不安定なので、欠便になった場合も考えて、1月の初めの週は仕事を入れていない。最初の宿泊は、空港から徒歩5分、海が目の前というロケーションは最高であるが、設備はイマイチの3つ星ホテルである。一泊だけなら、以前泊まった4つ星のオーシャンビューの部屋をとりたかったのだが、年末年始は休業ということで、必然的にイケテない方を選んだ。現在は民泊も増えたようだが、やはりクリスマス時期は選択肢がせばまる。

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カリッと熱々のアソーレスの白身魚のフライ

フローレス島に着いたのは午後4時過ぎだったので、ミュージアム関係は翌日以後に回し、周辺を散歩しながら夕食をとるレストランを探したが、閉まっている店が多く、結局ホテルで食事する事にした。何の期待もせずアブロテイアという魚のフライを頼んだ。冷凍と思われるが調理や盛り付けがホテルのレストランらしく上品かつ美味しく仕上がっていて、付け合わせがさつまいもという地方色もプラスされ、大いに満足した。



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by caldoverde | 2017-12-29 04:20 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
テルセイラ島独特の飴細工で作られた闘牛
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 アソーレス諸島の中で特にテルセイラ島は闘牛の盛んなところである。テルセイラの闘牛には、闘牛場で牛と馬と人が戦う普通の闘牛と、道に牛を放して人が牛と一緒に走るスペインのパンプローナ式の闘牛(トウラーダ・ア・コルダ)の2種類ある。コルダとは綱のことで、5人ほどの男性が牛につけたロープを引いて牛の方向転換をしたり暴走を牽制するので、パンプローナのように死者が出ることはない(と思う。)アングラ滞在の3日目は市内でトウラーダ・ア・コルダが行われるので、走るのが大嫌いな臆病者の私も珍しいもの見たさで、町外れの闘牛会場に出かけた。

 闘牛が行われる場所近くになるとこの町にこんなに人がいたのかと思うくらい集まっている。ポップコーンや菓子を売る若者の威勢のいい掛け声、ビールを片手にアドレナリンを上昇させる男たち、昔はワシも牛の前を走って、寸でのところであの塀に駆け上って牛は塀に激突したんじゃよと自慢話をする老人たち、民家のベランダにはその家で一番きれいなベッドカバーを掛け、意識して?肩や胸が開いた服を着た女たちが始まるのを待ち、祝祭気分が盛り上がっている。沿道の住民は牛の衝突や見物人の侵入を防ぐため、ベランダや玄関の周りを板で囲っている。

 花火がパンパンと鳴り雰囲気が一瞬張り詰め、ざわめきのトーンが変わり、人々は後ずさりし始めた。広場の方を向いていた人々は、広場に背を向けて走り出した。さあ、闘牛の始まりだ。私は沿道の何段か階段を上った玄関のたたきの様なところで高みの見物のつもりだったが、そこは牛が来るぞと地元の人に注意されたので、その辺のお宅の鉄柵の土台のコンクリート塀によじ登り、鉄柵にしがみついた。よく見ると付近には女はほとんどいない。波のように人々が前進しては後退する。牛は広場や何本かの通りをあちこち引き回されているようだ。中央の広場では度胸のある若者が傘やケープで牛をけしかけている。私のいる道を牛が駆けてきた。牛の周りを大勢の男たちが走り、少しでも牛が方向を変える兆しを見せると、わき道にそれてひょっと高いところに飛び移ったり、クモの子を散らすようにちりぢり逃げたり、牛も怖いが、半ばパニック状態の人間も怖い。この牛はあまり闘争意欲が無かったようで、坂道の途中でスピードを落とし、止まって戻っていった。むしろ一緒に走る人たちの方が興奮して、人間にぶつかった方が危ないのではという気もした。

 アングラの町の写真店やみやげ物店ではこの闘牛を撮影したDVDが売られている。もういい年のおじさんが牛に立ち向かって角でつつかれているところが繰り返し流されている。トウラーダ・ア・コルダは島の様々な場所、砂浜でも行われる。観光局の闘牛予定表には事故については一切責任を持ちませんと書いてある。大人も子供も沸き立つ大きな鬼ごっこだ。YouTubeで TOURADA TERCEIRAのキーワードで検索すると映像が見られる。
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 トウラーダ・ア・コルダは6時半ごろから2時間続く。安全な場所でさわりだけ見て今夜はステーキを食べようと心に決め街に戻った。ヨットハーバーを見下ろすホテルのレストラン「ベイラ・マール」で年配の給仕が勧めるベイラ・マール風ビーフを食べた。出てきたのは、ビトックと呼ばれるポルトガルのどの食堂にもある、目玉焼きを乗せたステーキで、特色といえばコーンが添えてあるくらい。これが自慢料理か?と一瞬思ったが、目玉焼きと肉の間には丸ごと潰して炒めたニンニクがこれでもかというくらい入っていて、しかもピリッと唐辛子のきいた赤いソースがたっぷりかかっている。甘いとうもろこしがニンニクやソースの辛さを和らげる。フライドポテトもさくっと揚がっていて、肉汁と唐辛子の混じったソースに浸して食べると止められない。いつもはカロリーを警戒しフライドポテトには手をつけない主義だがこの日はタブーを破ってしまった。それにしても日の丸の旗を立てたくなるようなこの盛り付け、どうにかならないものだろうか。
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by caldoverde | 2008-08-02 00:38 | ポルトガルの旅 | Comments(10)
  三日間宿泊したアングラ・ド・エロイズモは島の南海岸の真ん中にある。ちょうどその対極、島の北側の中央にはビスコイトという小さな村がある。ここには島随一のワイナリーと自然の海岸線を生かした海水プールがある。また小さな漁港もある。漁港あるところには美味いレストランあり。しかもワインの産地でもある。のんびりとバスに揺られ、島の反対側まで行ってワイナリーでワインの試飲をした後、魚でも食べようと出かけた。
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  バスは村の公民館の前で止まった。中には郵便局と観光局もあり、一人の女性が両方の業務を兼任している。親切な女性職員は村の見所、帰りのバスの時刻、レストランなどを教えてくれた。
  公民館の向かいにはワインミュージアムはこちらという看板が立っている。かつてテルセイラ島のヴェルデーリョワインは国外に輸出するほど隆盛を誇ったが、ブドウ栽培やワイン醸造に関わる労働力が激減し、今はこの家族経営のワイナリーでの直売と一部のレストランに卸す程度のわずかな生産量しかない。作られているのは主に白ワイン。アソーレスでは土壌の関係で、ボディのある赤ワインの生産には向いておらず、その代わり辛口の良い白ワインが作られる。

ヴェルデーリョワインを造るブドウ畑。冷たい風を避ける石垣で細かく区切られている。
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  ビスコイトとはビスケットの語源でもある。もともとは2度焼きという意味だ。大航海時代、船乗りたちは食料に保存に耐える2回焼いた硬いパン(ビスコイト)を積み込んだ。2回焼くのでパンは黒焦げに近い石のように硬いものになり、ポルトガル人が訪れた土地では、現地人からあいつらは石を食う変な人間だと思われた。ビスコイトの海岸は溶岩が固まった黒いギザギザの石でできた荒々しい磯である。まるで2回焼いたように黒いのでビスコイトと呼ばれるようになったそうだ。この磯にはいくつも岩で囲まれた水溜りが出来るので、底にコンクリートを敷き、歩道を整備して天然プールが作られた。洗面所や脱衣室、バールもあり、駐車場も完備しているこの海水浴場は地元の人にも人気が高い。付近には別荘とおぼしき立派な家もある。
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  観光局のお姉さんとワイナリーの主人が推薦するレストランは「オ・ペドロ」というタスカ(居酒屋)風の店で、店の主人が獲った魚を出すという。食べたのはボカ・ネグラ(黒い口)という名の魚である。キンキとか赤魚のような魚で味も赤魚系、美味である。出来ればサラダのオリーブオイルが魚にかからないように皿を別にしてほしい。魚+オリーブオイルの組み合わせは悪くないけれど、たまには塩だけで食べたい。白いご飯があれば尚良い。ボカ・ネグラはしょうゆ味で煮付けたり、一夜干しにしたり、粕漬けにしたり、味噌仕立ての鍋にしてもうまいに違いない。ポルトガルでは焼き物以外はカルデイラーダ(トマト味の魚介シチュー)くらいしか料理の種類がないのは残念だ。
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by caldoverde | 2008-07-31 10:25 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
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  去年の夏はアソーレス諸島の最も大きな島、サン・ミゲル島を訪れた。3泊4日で珍しいものを食べ、温泉に入り、素晴らしい庭園を散策し、カルデラ湖をいくつも見、ボートで小島に渡ってと魅力の尽きないところだった。車の運転免許やダイビングやトレッキングの心得があったならば、なおいっそう楽しめただろう。実はアソーレス諸島は旅行業界で行われた世界で最も魅力的なデスティネーションを選ぶアンケートで堂々の2位を獲得した、今や知る人ぞ知る、おしゃれな行き先なのだ。

  アソーレス諸島には全部で9つもの島があり、私はそのうちのひとつを訪れたに過ぎない。次回は世界遺産の町アングラ・ド・エロイズモのあるテルセイラ島と決めていたが、実際に行くかどうかは考えていなかった。たまたまインターネットで航空券の値段を比較しているうちに本気になって、一番安い、しかも早朝や夜でもなく時間が十分活用できるような時刻の切符をいつの間にか予約していた。出発の4日前のことである。宿は向こうに着いたら観光案内所で問い合わせるつもりで、リュックひとつに着替えを詰め込んで出かけた。夏でも本土よりも気温が低く曇りの日の多いアソーレス諸島なので、一応軽い長袖のニットと帽子を用意した。結局は使わなかったが水着も入れた。ガイドブックは去年もお世話になった英語のBradt社のAZORESのテルセイラ島のページだけコピーし携帯した。

  空港からアングラ・ド・エロイズモまでは高速道路で20分、料金は15ユーロだった。リスボンの倍である。運転手に高いと言うだけ言ってみたら、空港からアングラまでは定額だということである。アングラはユネスコ世界遺産に指定されている古都にもかかわらず、第一印象は何とかランドとでも名づけたくなるテーマパークみたいな所だ、というのが正直な感想である。去年行ったサン・ミゲル島は白壁に溶岩が固まってできた黒い石の縁取りで、シンブルで力強いモノトーンの建物がほとんどであるのに、ここは17世紀の教会だろうが18世紀の宮殿だろうが派手なコントラストの色でカラフルに塗られている。恐らくポルトガル一派手な町だ。この島の人たちは独特の色彩感覚を持っているのだろうか。
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  テルセイラ島での最初の昼食はシシャーロスという小魚の唐揚げだった。リスボンではカラパウジーニョ(小鯵)やペティンガ(小さなイワシ)の唐揚げはよく食べられるが、これは多分アソーレスにしかないだろう。形は小鰺に似ているが、鯵のようにうろこがバリバリせず柔らかくて、身は青魚特有の臭みがなくとても美味しい。よく揚げてあるので尻尾や骨も食べられる。頭は残そうかと思ったがカルシウム補給にと食べてみたら、あら意外、魚の頭は苦いと思いきや、からっと揚げたシシャーロスの頭は香ばしく甘味さえ感じて一番美味い部位であった。昔はいくらでも獲れたので貧しい人々は毎日のようにこの魚の唐揚げを食べていたというが、今は天文学的に値段が上がったそうだ。それでも私が食べたこのシシャーロスは大衆的なバールの今日のお勧めで4,8ユーロほどだった。
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by caldoverde | 2008-07-24 22:29 | ポルトガルの旅 | Comments(3)