ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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年末年始の仕事がキャンセルになり、たまたま安い切符が売られていたので、今年の最後もアソーレスで過ごす事になった。フローレス島(花島)とコルヴォ島(烏島)は2010年の夏にパッケージツアーで訪れた時は非常に楽しめたが、コルヴォ島はフローレス島からボートでの日帰りだったので、ぜひ宿泊してみたいと常々思っていた。最近はポルトガルは異常なほどの観光ブームで、ユネスコの自然遺産に指定されたコルヴォ島のカルデイラン(火山噴火口)も、このまま観光客が増え続ければ入山が制限されるかもしれない、その前に、という危惧も大きな理由だ。

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烏島ことコルヴォ島

リスボンとフローレス島、コルヴォ島を結ぶ直行便はない。サンミゲル島あるいはテルセイラ島での乗り換えとなる、今回はテルセイラ島で約6時間のトランジットがあるので、ユネスコ世界遺産にも指定されているアングラ・ド・エロイズモの町を散策する事にした。

以前訪れた時は、世界遺産にしては、派手な描き割のような街だなあという印象だったが、現在は更にポップ感が増している。

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窓から大きな瞳で見つめられる
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壁だけ残った建物はカラフルにペイントされ、内側が駐車場になっている
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コマドリが至近距離までやってきた

公園で小鳥と仲良くなり、猿の腰掛けやら苔などリスボンでは滅多に見ない植物を観察した後、隣接の博物館を見学した。建物は18世紀のフランシスコ会の教会で、白壁に濃いピンクの縁取りというテルセイラ島ならではのデザインだ。他の島の建物は白壁に黒い溶岩の縁取りというモノトーンがほとんどである。色彩の派手さはかつての島の繁栄を表しているのだろう。オレンジや小麦の輸出、それに付随する運送業などで財を成したヴァスコンセーロス家という島の有力者についての展示コーナーもあった。


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空港からアングラまで運んでくれたタクシーの運転手は、2軒のお勧めレストランを紹介してくれたが、クリスマス時期なのでどちらも閉まっていた。仕方がないのでその辺の開いている喫茶店兼食堂で、ビュッフェの昼食を食べた。好きなものを好きなだけ取って量りで料金を取るシステムで、豚肉の薄切り(ビファナ)にご飯と野菜、グラスワインで5.55€だった。味は悪くなかった。

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アソーレスの島々を結ぶコミューターは、ボンバルディア社のプロペラ機で、フローレス島までの飛行時間は約1時間。座席は自由席である。窓から見るテルセイラ島は緑の格子模様の敷物をふんわり広げたような、なだらかで穏やかな地形なのに、フローレス島は周りが黒い溶岩の切り立った崖で、海岸線からさほど離れずに急に起き上がったような山が迫る。


今回はまずフローレス島で一泊し、翌日コルヴォ島に飛び2泊し、再びフローレス島に戻り2泊というスケジュール。冬は気候が不安定なので、欠便になった場合も考えて、1月の初めの週は仕事を入れていない。最初の宿泊は、空港から徒歩5分、海が目の前というロケーションは最高であるが、設備はイマイチの3つ星ホテルである。一泊だけなら、以前泊まった4つ星のオーシャンビューの部屋をとりたかったのだが、年末年始は休業ということで、必然的にイケテない方を選んだ。現在は民泊も増えたようだが、やはりクリスマス時期は選択肢がせばまる。

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カリッと熱々のアソーレスの白身魚のフライ

フローレス島に着いたのは午後4時過ぎだったので、ミュージアム関係は翌日以後に回し、周辺を散歩しながら夕食をとるレストランを探したが、閉まっている店が多く、結局ホテルで食事する事にした。何の期待もせずアブロテイアという魚のフライを頼んだ。冷凍と思われるが調理や盛り付けがホテルのレストランらしく上品かつ美味しく仕上がっていて、付け合わせがさつまいもという地方色もプラスされ、大いに満足した。



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by caldoverde | 2017-12-29 04:20 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
テルセイラ島独特の飴細工で作られた闘牛
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 アソーレス諸島の中で特にテルセイラ島は闘牛の盛んなところである。テルセイラの闘牛には、闘牛場で牛と馬と人が戦う普通の闘牛と、道に牛を放して人が牛と一緒に走るスペインのパンプローナ式の闘牛(トウラーダ・ア・コルダ)の2種類ある。コルダとは綱のことで、5人ほどの男性が牛につけたロープを引いて牛の方向転換をしたり暴走を牽制するので、パンプローナのように死者が出ることはない(と思う。)アングラ滞在の3日目は市内でトウラーダ・ア・コルダが行われるので、走るのが大嫌いな臆病者の私も珍しいもの見たさで、町外れの闘牛会場に出かけた。

 闘牛が行われる場所近くになるとこの町にこんなに人がいたのかと思うくらい集まっている。ポップコーンや菓子を売る若者の威勢のいい掛け声、ビールを片手にアドレナリンを上昇させる男たち、昔はワシも牛の前を走って、寸でのところであの塀に駆け上って牛は塀に激突したんじゃよと自慢話をする老人たち、民家のベランダにはその家で一番きれいなベッドカバーを掛け、意識して?肩や胸が開いた服を着た女たちが始まるのを待ち、祝祭気分が盛り上がっている。沿道の住民は牛の衝突や見物人の侵入を防ぐため、ベランダや玄関の周りを板で囲っている。

 花火がパンパンと鳴り雰囲気が一瞬張り詰め、ざわめきのトーンが変わり、人々は後ずさりし始めた。広場の方を向いていた人々は、広場に背を向けて走り出した。さあ、闘牛の始まりだ。私は沿道の何段か階段を上った玄関のたたきの様なところで高みの見物のつもりだったが、そこは牛が来るぞと地元の人に注意されたので、その辺のお宅の鉄柵の土台のコンクリート塀によじ登り、鉄柵にしがみついた。よく見ると付近には女はほとんどいない。波のように人々が前進しては後退する。牛は広場や何本かの通りをあちこち引き回されているようだ。中央の広場では度胸のある若者が傘やケープで牛をけしかけている。私のいる道を牛が駆けてきた。牛の周りを大勢の男たちが走り、少しでも牛が方向を変える兆しを見せると、わき道にそれてひょっと高いところに飛び移ったり、クモの子を散らすようにちりぢり逃げたり、牛も怖いが、半ばパニック状態の人間も怖い。この牛はあまり闘争意欲が無かったようで、坂道の途中でスピードを落とし、止まって戻っていった。むしろ一緒に走る人たちの方が興奮して、人間にぶつかった方が危ないのではという気もした。

 アングラの町の写真店やみやげ物店ではこの闘牛を撮影したDVDが売られている。もういい年のおじさんが牛に立ち向かって角でつつかれているところが繰り返し流されている。トウラーダ・ア・コルダは島の様々な場所、砂浜でも行われる。観光局の闘牛予定表には事故については一切責任を持ちませんと書いてある。大人も子供も沸き立つ大きな鬼ごっこだ。YouTubeで TOURADA TERCEIRAのキーワードで検索すると映像が見られる。
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 トウラーダ・ア・コルダは6時半ごろから2時間続く。安全な場所でさわりだけ見て今夜はステーキを食べようと心に決め街に戻った。ヨットハーバーを見下ろすホテルのレストラン「ベイラ・マール」で年配の給仕が勧めるベイラ・マール風ビーフを食べた。出てきたのは、ビトックと呼ばれるポルトガルのどの食堂にもある、目玉焼きを乗せたステーキで、特色といえばコーンが添えてあるくらい。これが自慢料理か?と一瞬思ったが、目玉焼きと肉の間には丸ごと潰して炒めたニンニクがこれでもかというくらい入っていて、しかもピリッと唐辛子のきいた赤いソースがたっぷりかかっている。甘いとうもろこしがニンニクやソースの辛さを和らげる。フライドポテトもさくっと揚がっていて、肉汁と唐辛子の混じったソースに浸して食べると止められない。いつもはカロリーを警戒しフライドポテトには手をつけない主義だがこの日はタブーを破ってしまった。それにしても日の丸の旗を立てたくなるようなこの盛り付け、どうにかならないものだろうか。
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by caldoverde | 2008-08-02 00:38 | ポルトガルの旅 | Comments(10)
  三日間宿泊したアングラ・ド・エロイズモは島の南海岸の真ん中にある。ちょうどその対極、島の北側の中央にはビスコイトという小さな村がある。ここには島随一のワイナリーと自然の海岸線を生かした海水プールがある。また小さな漁港もある。漁港あるところには美味いレストランあり。しかもワインの産地でもある。のんびりとバスに揺られ、島の反対側まで行ってワイナリーでワインの試飲をした後、魚でも食べようと出かけた。
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  バスは村の公民館の前で止まった。中には郵便局と観光局もあり、一人の女性が両方の業務を兼任している。親切な女性職員は村の見所、帰りのバスの時刻、レストランなどを教えてくれた。
  公民館の向かいにはワインミュージアムはこちらという看板が立っている。かつてテルセイラ島のヴェルデーリョワインは国外に輸出するほど隆盛を誇ったが、ブドウ栽培やワイン醸造に関わる労働力が激減し、今はこの家族経営のワイナリーでの直売と一部のレストランに卸す程度のわずかな生産量しかない。作られているのは主に白ワイン。アソーレスでは土壌の関係で、ボディのある赤ワインの生産には向いておらず、その代わり辛口の良い白ワインが作られる。

ヴェルデーリョワインを造るブドウ畑。冷たい風を避ける石垣で細かく区切られている。
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  ビスコイトとはビスケットの語源でもある。もともとは2度焼きという意味だ。大航海時代、船乗りたちは食料に保存に耐える2回焼いた硬いパン(ビスコイト)を積み込んだ。2回焼くのでパンは黒焦げに近い石のように硬いものになり、ポルトガル人が訪れた土地では、現地人からあいつらは石を食う変な人間だと思われた。ビスコイトの海岸は溶岩が固まった黒いギザギザの石でできた荒々しい磯である。まるで2回焼いたように黒いのでビスコイトと呼ばれるようになったそうだ。この磯にはいくつも岩で囲まれた水溜りが出来るので、底にコンクリートを敷き、歩道を整備して天然プールが作られた。洗面所や脱衣室、バールもあり、駐車場も完備しているこの海水浴場は地元の人にも人気が高い。付近には別荘とおぼしき立派な家もある。
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  観光局のお姉さんとワイナリーの主人が推薦するレストランは「オ・ペドロ」というタスカ(居酒屋)風の店で、店の主人が獲った魚を出すという。食べたのはボカ・ネグラ(黒い口)という名の魚である。キンキとか赤魚のような魚で味も赤魚系、美味である。出来ればサラダのオリーブオイルが魚にかからないように皿を別にしてほしい。魚+オリーブオイルの組み合わせは悪くないけれど、たまには塩だけで食べたい。白いご飯があれば尚良い。ボカ・ネグラはしょうゆ味で煮付けたり、一夜干しにしたり、粕漬けにしたり、味噌仕立ての鍋にしてもうまいに違いない。ポルトガルでは焼き物以外はカルデイラーダ(トマト味の魚介シチュー)くらいしか料理の種類がないのは残念だ。
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by caldoverde | 2008-07-31 10:25 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
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  去年の夏はアソーレス諸島の最も大きな島、サン・ミゲル島を訪れた。3泊4日で珍しいものを食べ、温泉に入り、素晴らしい庭園を散策し、カルデラ湖をいくつも見、ボートで小島に渡ってと魅力の尽きないところだった。車の運転免許やダイビングやトレッキングの心得があったならば、なおいっそう楽しめただろう。実はアソーレス諸島は旅行業界で行われた世界で最も魅力的なデスティネーションを選ぶアンケートで堂々の2位を獲得した、今や知る人ぞ知る、おしゃれな行き先なのだ。

  アソーレス諸島には全部で9つもの島があり、私はそのうちのひとつを訪れたに過ぎない。次回は世界遺産の町アングラ・ド・エロイズモのあるテルセイラ島と決めていたが、実際に行くかどうかは考えていなかった。たまたまインターネットで航空券の値段を比較しているうちに本気になって、一番安い、しかも早朝や夜でもなく時間が十分活用できるような時刻の切符をいつの間にか予約していた。出発の4日前のことである。宿は向こうに着いたら観光案内所で問い合わせるつもりで、リュックひとつに着替えを詰め込んで出かけた。夏でも本土よりも気温が低く曇りの日の多いアソーレス諸島なので、一応軽い長袖のニットと帽子を用意した。結局は使わなかったが水着も入れた。ガイドブックは去年もお世話になった英語のBradt社のAZORESのテルセイラ島のページだけコピーし携帯した。

  空港からアングラ・ド・エロイズモまでは高速道路で20分、料金は15ユーロだった。リスボンの倍である。運転手に高いと言うだけ言ってみたら、空港からアングラまでは定額だということである。アングラはユネスコ世界遺産に指定されている古都にもかかわらず、第一印象は何とかランドとでも名づけたくなるテーマパークみたいな所だ、というのが正直な感想である。去年行ったサン・ミゲル島は白壁に溶岩が固まってできた黒い石の縁取りで、シンブルで力強いモノトーンの建物がほとんどであるのに、ここは17世紀の教会だろうが18世紀の宮殿だろうが派手なコントラストの色でカラフルに塗られている。恐らくポルトガル一派手な町だ。この島の人たちは独特の色彩感覚を持っているのだろうか。
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  テルセイラ島での最初の昼食はシシャーロスという小魚の唐揚げだった。リスボンではカラパウジーニョ(小鯵)やペティンガ(小さなイワシ)の唐揚げはよく食べられるが、これは多分アソーレスにしかないだろう。形は小鰺に似ているが、鯵のようにうろこがバリバリせず柔らかくて、身は青魚特有の臭みがなくとても美味しい。よく揚げてあるので尻尾や骨も食べられる。頭は残そうかと思ったがカルシウム補給にと食べてみたら、あら意外、魚の頭は苦いと思いきや、からっと揚げたシシャーロスの頭は香ばしく甘味さえ感じて一番美味い部位であった。昔はいくらでも獲れたので貧しい人々は毎日のようにこの魚の唐揚げを食べていたというが、今は天文学的に値段が上がったそうだ。それでも私が食べたこのシシャーロスは大衆的なバールの今日のお勧めで4,8ユーロほどだった。
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by caldoverde | 2008-07-24 22:29 | ポルトガルの旅 | Comments(3)