ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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イヴは食べるな

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タイルや絵皿が楽しいインテリア

今年の(も)クリスマスイヴは一人暮らしの女三人の女子会となった。このブログに時々コメントを寄せてくれるOvosMolesさんによると、リスボンから車や電車で1時間ほどのサンタレンに美味しい店があり、24日も昼は営業しているという。サンタレンの商店街にある「オ・バルカン」は伝統的な小さな建物の小さなタベルナ(大衆食堂)であるが、流行のレトロ感覚のお洒落な内装と、地元の食材を活かしたちょっと変わったメニューで、若い人にも年配の人にも人気のお店。
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ハウスワインはお店の名前入りで、4つのメダルのシールが貼られた立派なもの

ポルトガルにスペインのバルやタパスみたいなものはないのですかと訊かれることがある。バルに相当するのが「タベルナ」や「タスカ」と呼ばれる飲食店、メニューに「ペティスコス」と分類されているのが、酒のつまみになるような小皿料理(タパス)に近いと思う。それほどお腹が空いていない時や、色んなものを試したい時は「タベルナ」や「タスカ」で「ペティスコス」を何皿か頼むのも楽しい。
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おなじみのマッシュルームのソテー
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熱々のフライドポテトとピメントに卵を落として、その場でわしわしかき混ぜる

ペティスコスの種類はコロッケ、卵料理、サラダ、フライなど様々でどれを選ぼうか迷うほど。イブなので限定メニューしかないと思っていたら、ほとんど注文可能ということだった。3人で一つづつペティスコスを注文し、メインは肉と魚の料理を一品づつ頼むことにした。
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ピンぼけですみません。こんがり焼けた豚脚
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スプーンでバラバラになりました

肉料理は豚の骨付き脚肉のロースト(ペルニル)に、さっぱりしたレモン風味のクリーミィなリゾットを添えたもの。
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魚料理には聞いたことのない名前の魚のメニューがあった。すぐそばのテージョ河で採れる川魚だろうか、どんな味か興味があったが、その日は無かったのでお店の人お勧めのマテ貝のリゾットを選んだ。
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磯の香りたっぷり

デザートは、クッキーを砕いたものとクリームを交互に重ねた「ドース・デ・カーザ」(お店のデザート)と「マルメロのコンポートとイチジクのアイスを添えたカリカリしたメレンゲ状の菓子」
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料理も内装も、昔からあるものを大事にしながら若々しい感覚に溢れている。リスボンのタスカやタベルナよりもずっとセンスが良い。サンタレンという田舎にこんなお洒落な食堂があったんだと大いに感心した。

美味しい食事を更に盛り上げたのは、もう一人の参加者patoさんのこんにゃく作りの話題である。手造りこんにゃくの素を頂いて、説明書に沿って作ろうとしたがどうもうまくいかない、説明書によく解らない文章があり、どう解釈したらいいのだろうかと相談を受けた。私にも想像がつかない。こんにゃくがキョロキョロするなんて…心配する必要はないんだそうだが。
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by caldoverde | 2015-12-28 02:22 | 話題の店 | Comments(4)

オリャオンの白い島

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クラトラ島からオリャオンの町を望む

 アルガルヴェのオリャオンという町は元は貧しい漁村で、貧乏で結婚できない男たちは娼婦を買っていた。また女性はおそらくそれでしか稼ぐ手段がなかった。「このドアはsim(yes)、このドアはnão(no)」という表現は、オリャオンの至る所で買春が行われていたことを意味するそうだ。
 漁師と娼婦の出会いの場として使われていたバールに、初めて「普通の主婦」が足を踏み入れたのが、この町に17年住む日本人の青目海さん。サッカーチームのマフラーやポスターでデコレーションされ、テレビは試合の中継を流し、カウンターの奥にワインの樽があってその蛇口からコップにワインを注ぐ、ポルトガルのごく普通の居酒屋だが、この店に出入りする女性は娼婦と決まっていた。そのせいで青目海さんに絶交を言い渡した友人もいたそうだ。
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 しかし往々にしてこのような店は安くてうまい。この日のメニューは小イカの煮物で、日本人にとっては正に居酒屋料理。生ハムとチーズの盛り合わせはとても2人では食べきれない量で、お持ち帰りとなった。ワインも飲んで2人で10ユーロというのはリスボンではけっして高くないが、ここでは青目さんのご主人が「とうとうあの店もぼるようになったか」と苦笑した値段である。
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 海沿いの通りにはシーフードレストランがずらりと並んでいるが、青目海さんは美味しい店は1軒もないと断言する。彼女の ご主人は漁船員で、お二人とも魚の鮮度には厳しいが、魚の見たての判らない私の目から見ても確かに生きのいいものはない。アルガルヴェはヨーロッパの移住者が多く、本当の魚の味を知らない外国人ばかりなのでこのような商売が成り立つ。またこれらの店はマフィアが取り仕切っており、一軒だけ新鮮な魚を出す店があったが、マフィアの配下でなかったので続けることができなかったそうだ。従ってオリャオンの町で旨いものを食べるなら件の酒場とか一般家庭となる。青目海さんの家でご馳走になったヒメジとラタトゥイユのオーブン焼きは、その辺のレストランよりもよっぽど洗練された手の込んだ料理であった。
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 オリャオンには砂が堆積した細長い島があり、淡いベージュの長大な砂浜に囲まれている。島には漁師たちが作業用の小屋を作りそこに定住してできたクラトラ島、もう一つは島の端の灯台の付近に別荘が集まったファロル(灯台)島という2つの集落がある。どちらの村も「島」と呼ばれているので、昔は2つの島に分かれていたのかもしれない。オリャオンと2つの村を結ぶフェリーで、まずファロル島に行ってみた。そこで唯一営業していたレストランでマテ貝のソテーと白ワインを注文した。ニンニクとコリアンダーで風味をつけたマテ貝は汁もパンにつけて食べるとこれまた美味しい。値段は小さな皿で10ユーロと、まあ観光地値段である。請求書には食べていないオリーブやバターの値段が入っていたので訂正してもらった。観光地ではありがちなことである。
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 食後の運動がてら大西洋と地中海を結ぶ砂浜を30分程歩いて、漁師村のクラトラに向かった。さらさらの白い砂の海岸でたった一人働いていたのは赤いビニールの合羽をきた漁師で、様々な種類の貝からコンキーリャという白くて平べったい小さな貝を選別していた。この貝は味が良く値段も高いが、売れる程の量を集めるのはかなりの時間と忍耐が要りそうだ。
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 小さな倹しい家の集まったクラトラには意外なことに小学校や公民館もあり、地域のルーツを誇り後世に伝えようとする気概が感じられる。独裁政権時代、女に教育は不要という当時の政策に反発し、あるお金持ちの女性が密かに村人に読み書きを教えていたので、この島の女性の識字率は群を抜いて高かったそうだ。
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 ポルトガルの女流画家マルーダはオリャオンを白い矩形の家と青い空の対比の美しいエキゾチックな町として描いたが、実際のオリャオンは、売りに出されている朽ちかけた家が多い一方で、バブリーなマンションが建ち並び、漁港なのに海沿いのレストランは不味いというアンバランスな現況だ。物価の安さや気候の快適さ、自然公園にもなっている島のビーチの美しさに惹かれてやってくる移住者や観光客はお金を落とすかもしれないけど、町をより良く美しくするのに貢献しているとは思えない。残念ながら…
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by caldoverde | 2013-04-10 00:04 | ポルトガルの旅 | Comments(6)

マテ貝のリゾット

 近所の市場を覗いたら、丸々太った鯖が目に入り、鯖の味噌煮でも作ろうかと考えた。おばさんが鯖の重さを量り頭や内臓を取ってくれる間、不意に鯖の並んでいるそばにマテ貝があるのに気が付いた。最初から見えていれば鯖など買わず(1匹4ユーロ以上した)即座にマテ貝を買っていたのだが。子供の頃から眼鏡をかけている私は視界が異常に狭く、すぐ目の前にいる知人に気がつかずに、挨拶もせず通り過ぎるといった失敗は数知れない。
 長さ約10cmのマテ貝が20本ほどゴムで束ねられて、白いべろを出している。まだ生きている。デパートでマテ貝を見たが真空パックで包装された死んだもので、値段も高かった。この近所の市場でマテ貝を見るのは、というか貝類が売られているのはめったにない。値段は8ユーロ。かなりの予算オーバーとなるが、この機を逃したら自分の人生でマテ貝を食べるチャンスはもう二度と巡って来ないかもと思うと、既にさばかれ返品不可能となった鯖とともにマテ貝も買ってしまった。
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 私はマテ貝を日本で食べたことがない。初めて食べたのはアルガルヴェのどこかでマテ貝のリゾットを食べたときだった。どの町の何と言うレストランか思い出す手がかりは全く失ってしまったが、上品なあの味は忘れがたい。お米のクリーミーな舌触り、貝の歯ごたえ、日本料理にも通じる旨みのあるスープの味、そしてかすかなコリアンダーの香り。私が食べたポルトガルの米料理のベスト3は、漁師町のシーフードリゾット、北部の鴨の炊き込みご飯、そしてこの南部のマテ貝のリゾットである。もう一度食べたいものだと常々思っていたが、リスボンでこの料理をメニューに入れているレストランを見たことがない。となるとアルガルヴェに行くか自分で作るしかない。
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 インターネットでマテ貝のリゾット(arroz de lingueirão)のレシピを調べると色んな作り方があるが、私がたった一度食べてとても美味かったのは、トマトを使わない白いシンプルなリゾットだった。それに一番近いと思われるレシピを参照し、幻の味の再現にチャレンジした。

1、マテ貝をゆでる。
 砂出しをしたマテ貝を洗い、水を張った鍋に入れて火にかけゆでる。ゆで汁は米を煮るためにとっておく。
2、玉ねぎ、ニンニクをみじん切りにしてオリーブオイルで炒める。
 リゾットに限らずほとんどのポルトガル料理の基本中の基本で欠かせないもの。透明になる まで炒める。香りづけに月桂樹の葉も加える。
3、殻から出したマテ貝を加えて炒め、貝のゆで汁、白ワインを加え、米も入れて煮る。割合は米1に対し水分3くらい。米の硬さはお好みで。
4、塩で味を調え、仕上げにコリアンダーの葉を散らす。

 店で食べたリゾットの貝は小さく切られていたが、家で作るときは気前良く長いまま使う。ゆでると殻よりも大きくなって食べ応えがある。日本では殻つきのまま焼いたり、天ぷらやヌタにしたり色々な食べ方があるようだが、リゾットにして食べるのは、多分ポルトガルのアルガルヴェ地方だけだろう。自分で作ったマテ貝のリゾットはプロの味には及ばないが、貝をふんだんに使って贅沢感が味わえた。
オリーブオイルとニンニクで炒めただけでも美味い。
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 アルガルヴェには他にも独特の魚介料理がある。有名なカタプラーナはリスボンでも食べられるが、ウツボのフライのサンドイッチや、ツブ貝と豆の煮物などは現地に行かないと味わえない。ポルトガルで一番美味しいイワシはアルガルベ産だそうだ。アルガルヴェでは観光客向けのピザやハンバーガーなど無視して、地元の漁師を捕まえてどこの店が美味いか聞いてみよう。
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by caldoverde | 2008-11-28 08:31 | シーフード | Comments(7)

ウツボバーガー

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 ポルトガル南部、アルガルベ地方は今や国際リゾート地として、ホテルやマンションが林立し、英語が幅を利かせ、ポルトガル語の話せない人間が「パブ」と称する飲み屋で働いているという。(すいません、私英語が話せないもんで)田舎くさい、素朴なポルトガルの好きな私にとってはあまり魅力的なところではない。それでも大西洋と地中海を結ぶ位置にあるこの地は、魚介類が豊富で食べ物に関してはまだ伝統的なものが残っているようだ。イワシはやはりアルガルベものが旨いそうだ。リスボンの日本料理店はこの地方の卸屋さんからマグロを買っている。

 このアルガルベ地方はポルトガル建国後もしばらくアラブ人が留まり抗戦していた土地で、アラブの影響が色濃く残っているという。アラブ人はヨーロッパに米や砂糖、様々な果物等の農作物を伝えた。そのひとつにアーモンドがある。1月になると桜に良く似た、淡いピンクの花を咲かせる。
 伝説によると、昔この地方を治めていたアラブ人の王様が、ヨーロッパの北国から王妃を迎えた。ところがこの美しい海と温暖な気候のアルガルベにやってきた王妃はなぜか日に日に元気を失くしていく。心配した王が理由を尋ねたところ、王妃は、自分の故郷で見られた雪がここには降らなくて寂しいと言うのだ。いくら権勢を誇る王といえどもアルガルベに雪を降らすことはできない。しかし王は一計を案じ、冬の間に王宮の庭にアーモンドの木を植えさせた。そして春先のある日、王妃を高い塔の窓辺に呼び、下を見るように言った。見下ろした庭には雪が降ったように一面に白いアーモンドの花が満開となっていた。そして王妃は健康を取り戻し、幸せに暮らしたという。

 そんな美しい伝説のある美しい花を愛でながら飲食するという習慣はポルトガルにはない。どんな見事な満開の時期でも、アーモンドの木の周りにはビニールシートやロープは見当たらない。カラオケの音もない、静かなお花見が独占できる。真に花の美しさを愛する人はぜひポルトガル、アルガルベ地方にどうぞ。アーモンド林がリゾートマンションに変わってしまう前に。

 そのアーモンドを使ったお菓子が、マジパンである。和菓子のねりきりのような、粘土状の柔らかいアーモンドの粉で作ったペーストに色をつけて野菜や果物をかたどった可愛いお菓子で、見るだけで楽しい。ポルトガル人も器用じゃないか(失礼)と感心するものも。マジパン菓子は、アーモンドの甘いリキュール、アマルギーニャとともに遠い国から嫁いできた王妃の心を和ませたに違いない。
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 さて、そんな雅な話から、本題の食いしん坊な話題に戻る。アルガルベに住んでいた日本人の知人に教えてもらったこの地方の名物は、ウツボである。あの蛇のように長く、白黒まだら模様の、凶暴な顔をしたグロテスクな魚である。水族館やドキュメンタリー番組で見る、岩の下に隠れながら餌になる魚を虎視眈々と狙っている、醜い魚である。ぎざぎざの鋭い歯はダイバーや漁師の指も噛みちぎってしまう恐ろしい魚である。勇猛果敢なアルガルベの漁師たちはそんな危険な魚と格闘し、勝利した(たまたま魚網に引っかかっただけなのかもしれないが)そして凱旋の旗を揚げた。クリーニング店で使う針金ハンガーに広げられ、潮風になびいているのは、ウツボの開きだ!ぺらぺらのほとんど皮1枚の薄さになったウツボの干物を油で揚げて、パンに挟んで食べるのがアルガルベ名物ウツボバーガーである。中身のウツボのてんぷらは、よく駄菓子屋で売っているイカ天みたいな感じだった。味はイカ天ほど濃くないので、とんかつソースなどをつけて食べるともっと旨いと思う。

 この地方の有名な料理は、細長いマテ貝のリゾットである。一般的なシーフード、タコ、アンコウのリゾットはトマト味だが、アルガルベのある町で食べたマテ貝のリゾットは珍しく白っぽい色ですごく美味しかった。バターを使うのか店の人に聞いたら、バターは全く使っておりません、オリーブオイルだけですという回答だった。それでもどこか乳製品の存在を感じさせる香りと味がある。それがマテ貝の旨味なのか?もう一度食べたいが、残念なことにどの町の何と言う名前のレストランか覚えていない。幻の味である。リスボンの闘牛場の地下にマデイラに本社のあるスーパーが開店し、そこにマテ貝も売っているので、そのうち自分で再現しようと思う。

 またまた超簡単なアルガルベ料理のレシピを紹介する。ティボルナという。材料:焼きたてのパン、オリーブオイル、ニンニク、塩の花。作り方①ニンニクを皮がついたままつぶす。②皿に、オリーブオイル、つぶしたニンニク、塩の花を入れる。③手でちぎった熱々の焼き立てパンを②に浸して食べる。簡単でしょ。でも美味しさは材料の質に大きく左右される。
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by caldoverde | 2007-05-10 19:30 | シーフード | Comments(5)