ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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タグ:モランゲイロ ( 3 ) タグの人気記事

食欲の秋

ご無沙汰しています。暇つぶしに始めたブログですが、最近あまり暇がなくなってしまいました。いや、暇があるにはあるのですが、ネットを見たりソファで昼寝してそのまま夜に突入したり…

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適当な和食を作るのさえ億劫で(アボカドとマグロの漬け丼)

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こんな夕食をとったり(ロブスターに似せたカニカマ)

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「小鳥の家(カーザ・ドス・パッサリーニョス)」での外食も増え(鴨煮込み、ドライフルーツ入り御飯添え)

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「美徳屋(オ・ビトック)」で茹で牛タンを食べたり

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すっかり国際的に有名になったモランゲイロ(イチゴワイン)の居酒屋で肋肉の炭火焼きを食べて、リスボンは良くも悪くも変わったなあと思ったりの今日この頃です。
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by caldoverde | 2017-09-21 18:54 | 話題の店 | Comments(5)
 ポルトガルのどぶろくモランゲイロの店「ゼー・ドス・コルノス」は元は炭屋だった。メニューを見ると肉や魚の炭焼きが主力らしい。ポルトガル料理はあまり手を加えずに塩を振って焼くだけのものが一番美味かったりする。元炭屋の焼肉や焼き魚がハズレな訳がない。日をおいて昼食時に一人で乗り込んだ。
 狭い店は既に満員で外に5人連れが待っている。しかし私はうまく滑り込むことができた。6人がけのテーブルの、男に囲まれた真ん中に相席である。どのテーブルにも赤い液体の入ったラベルのない瓶がおいてある。
 おじさんが具のたっぷり入ったスープを運ぶのを見て、同じものを注文した。「石のスープ」から肉類を除いたようなリッチなスープだ。
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具は二種類のキャベツ、豆、ニンジン、ジャガイモ、米の形のパスタなど

 向かいの男性は手で骨付肉を頬張っている。私も同じものを頼んだ。「ボン?(おいしいですか?)」と聞いたら「いや、ムイトボン(超美味い)」という返事。やってきたのは長さが30cmもあろうかと思われる肋骨の上に山盛りのフライドポテト。骨と骨の間にナイフを入れて切り離し、トウモロコシを食べるように両手で骨を持ち、肉を歯でこそげ取る。焦げた部分が香ばしい。ちょうど良い塩加減だ。自家製ピリピリソースをつけるとまた食欲が刺激されイチゴワインが甘く感じる。
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もう古いiPhone3GSで撮った写真。結構美味そうに撮れます。

 隣の男性はこれまた旨そうな砂肝の煮込みを食べている。煮汁のしみたご飯を横目で見るとまた口の中に涎が。
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オレンジ色のビンがピリピリソース。唐辛子、ニンニク、レモンまでは材料を特定できた

 ネクタイを締めた会社員、現場で働く職人、学生風の若者、薬局の店員か美容師らしき女性、銀髪を綺麗にセットした老婦人など色んな人々がイチゴワインを傍らにお喋りに花を咲かせ、山盛りの肉やフライドポテトに舌鼓を打ち、おじさんと兄さんがコマネズミの様にテーブルを回り、厨房に注文を伝える怒号が飛び交う。頭に被り物をつけた青いワンピース型エプロンのおばさんシェフは厨房と炭火のグリルを行ったり来たり。
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 熱気と喧噪に満ちた下町食堂は、過去へのサウダーデばかりでない、ぎゅうぎゅう絞られる庶民の怒りを内包した炭火の如きパワーを感じた。
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by caldoverde | 2012-10-06 05:12 | 酒・ワイン | Comments(10)
 アソーレスの地酒にヴィーニョ・デ・シェイロというものがあると地元の人や友達から聞いていたが、島ではお目にかかることはなかった。それどころか販売が禁止されているらしい。観光局のパンフレットに名産品として堂々と書いてあるのにだ。

 数少ない日本語のアソーレス諸島の紀行文の中に、リスボンにそのヴィーニョ・デ・シェイロと同じものを飲ませてくれる酒場があるという記述をおぼろげに記憶していた。確かモラリア地区にあるその酒場の事はどこか秘密めかして書かれていた。著者は誰にも教えたくなかったのだろう。

 知人にその秘密の酒を飲ませる秘密の酒場に案内されたら、在住の日本人がよく納豆や大根を買いに行く中華食材店のすぐ隣だった。常連には「ゼー・ドス・コルノス(牛の角のゼー)」と呼ばれている。店の奥の壁に牛の角が飾られている。昔は炭を売る店だったそうだ。
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つまみは豚耳と小鰺の唐揚げ。他に豚足や赤いピメントの粉をまぶしたチーズ、アソーレスのチーズなどがある

 ヴィーニョ・デ・シェイロは別名モランゲイロと呼ばれる。モランゴとはイチゴで、イチゴのような香りのワインという意味だ。店の人によるとミーニョ地方のヴィーニョ・ヴェルデの赤と同じものだそうだ。
 いかにもブドウの皮ごと絞りましたと言わんばかりの濃い赤紫色の液体がコップになみなみ注がれると、表面を発酵時に生じるガスの泡が薄く覆う。モランゲイロはアルコール度数が低くすぐに酢になってしまうので、作ったその年の内に飲み切る酒だ。軽く冷やして飲むと美味い。サングリアにしても良い。イチゴを思わせるフルーティーな香りと酸味、軽い口当たり、低めのアルコール、そして1杯1ユーロという値段がついつい杯を重ねさせるが、要注意!

 モランゲイロはメチルアルコールを生成しやすい性質を有している。メチルアルコールは失明を引き起こし量によっては死んでしまう程の猛毒だ。日本で戦後、酒税のかからないメチルアルコールを使った酒を飲んで失明した人がいた、という話を聞いた事がある。だからモランゲイロはEUでは流通してはいけないことになっている。

 では、ポルトガルでワインを飲んで失明したという話は…あまり聞かない。アル中はいっぱいいるけど。西洋人は日本人よりずっとアルコールに強い体質だ。勤め人でも昼食にワインやビールを飲む人が多い。飲みやすいからといって日本人がモランゲイロをガバガバ飲んだら失明する可能性があるかも。

 私は酒に弱くはないが、モランゲイロの有毒性を聞いてこの日はコップ4杯にとどめた。一応まだ目は見えている。
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by caldoverde | 2012-09-29 05:45 | 酒・ワイン | Comments(7)