ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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復活!市電24番

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かつてリスボンの街中を網羅していた市電は最盛期で30路線を超えたが、マイカーの普及で5路線まで激減した。しかし現在空前のポルトガルブームで市電28番は世界的に有名になり、住民が乗るのが困難になる程、常に超満員だ。以前は子供や老人が通学や病院通いによく使っていたのだが、優先席にはカメラをぶら下げた若い観光客が分捕り譲ろうとしない。始発のマルティン・モニスには28番専用の特別停留所ができて、職員が列に並んで待つ観光客からあらかじめ運賃を徴収している。2ユーロ90セントという中途半端な値段の運賃を停留所毎に受け取る運転士も大変だろう。


28番はスリも多い。車両内や停留所付近に必ずいると考えた方が良い。添乗員やガイドが口を酸っぱくして気を付けろと言っても、やられている。乗る時は盗られていいものだけ身につけるのがベターだ。これは他の路線やどの観光地も同様で、数日前はポルトで東欧のスリ団が捕まったが、すぐにムショから出てきて仕事を再開するだろう。


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どうしても市電に乗りたい方にはちょっと値段が高いが赤や緑の電車のトラムツアー、または比較的空いている路線をお勧めする。特に18番のアジューダ線はガラガラな事が多く、廃線も検討されており、存続のためにも多いに利用して頂きたい。


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一方で最近23年ぶりに復活した路線がある。市電24番だ。現在はカモンイス広場から出発しているが、将来的にはカイス・ド・ソドレがターミナルになるそうだ。終点はアモレイラスショッピングセンター裏手のカンポリーデ。今は全く面影はないが、このヘンテコなモダン建築の敷地はかつては市電の車庫だった。そういえばまだ日本に住んでいた時にポルトガルに旅行に来た時、市電でアモレイラスショッピングに行った記憶がある。


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草花のウオールの建物はチキンのグリルで有名なレストラン「ヴァレンシアーナ」


カンポリーデのターミナルは特に名所旧跡はないが、壁一面に植物を植えて垂直の庭にした建物や赤いキオスク、遊具のある広場には地元住民がまったりと過ごし、気取らないレストランやカフェ、小規模の小売店が集まり、ごくごくフツーの日常の空気が感じられる。しかし市電のリバイバルが商売の好機となると読んだ人もいることだろう。カンポ・デ・オリークにあったレストラン「ストップ・ド・バイロ」はお客さんごとここに引っ越したのはグッドタイミングだった。今後賃貸料が高くなるだろうから。マットレス屋さんがジェラート店になり、イタリア食品店ができたりと、なんだかオシャレな街へと転換しつつある気配も感じる。


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市電24番はサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台やプリンシペ・レアル公園などの名所を通過し、自然史博物館、植物園、水道博物館、ヴィエイラ・ダ・シルヴァ美術館でカルチャー体験もでき、シアードやアモレイラスでショッピングを楽しむこともできる、将来有望な路線だ。28番の長蛇の列は捨てて、地元民と一緒に24番に揺られてみてはいかがでしょう。


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by caldoverde | 2018-05-14 03:21 | カルチャー | Comments(0)
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悲惨な状態のビフォア

市電28番のターミナルにもなっているエストレーラ大聖堂のそばに、ボロボロに朽ち落書きされた小さなキオスクがあった。通るたびにもったいないなあ、お金があったら買い取ってお店を開くのになあと考えていた。ある日キオスクが忽然と消えてしまった。とうとう撤去されたのか…と少し寂しく感じていた。ところがある日、白く綺麗に塗り直され補修されたあのキオスクが元の場所に戻っていた。近日オープンの看板とともに。
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美しく蘇ったアフター

近くにあるカンポ・デ・オリーク市場のリニューアルが成功し、それに勢いづいた市場がこのキオスクを買い取り、小さな分店を作ったらしい。そんな訳で新しい名前は「市場のキオスク Quiosque de Mercado」となったが、昔は「雌ロバ公園キオスク」だった。優美な姿にそぐわないが、私はどっちかと言うと古い名前を残して欲しかったかな。
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奥にひっそりとロバと親子3人の彫刻が。隣が教会なのでキリストのエジプト逃亡?いやどうもポルトガル人家族のようです。

このキオスクは20世紀初頭に作られた、現存する唯一のアールヌーヴォー様式のキオスクだ。屋根の上には流麗な装飾が施され、支える支柱は白鳥の首をかたどっている。人が一人中に入れる程度の大きさで、白鵬関が働くのは難しい。もちろん厨房設備はなく、電気が引いてある程度。だからメニューといってもコーヒー類とワインなどの飲み物、2〜3種類のお菓子とサンドイッチという決まり切ったもので、特にここならでは、というものではない。
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トマトとスモークサーモンのサンドイッチ。フツーにおいしい。

天気の良い日に市電25番か28番に乗ってエストレーラ公園まで来たら、ここで降りてエストレーラ大聖堂の素晴らしい白亜のドームを眺めながらキオスクでフツーのコーヒーやワインを飲み、そこからカンポ・デ・オリーク市場まで散歩する、というコースはフツーのリスボン市民生活を垣間見る楽しい経験になること請け合いだ。何しろカンポ・デ・オリーク地区はミドルクラスの若いポルトガル人に人気のリスボンで一番住みよい地区と言われている。私が住んでいるという点からも、今後の地価の上昇が予想されているのである。
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市電の広告はカンポ・デ・オリーク市場。日本のTVでも紹介されました。
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by caldoverde | 2014-11-25 00:31 | 話題の店 | Comments(2)

快楽という名の電車

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ミニガムの缶と銀製のペンダントトップ。

 近所に「快楽」という名のカフェ兼レストランが開店したことは以前ブログでご紹介したが、このレストランのインテリアにも使われている快楽(PRAZERES)という名の市電28番は世界中のガイドブックに紹介され、リスボンのバス会社CARRISのドル箱、いや円箱?である。乗客の大部分が一見さんの観光客であるのをいいことに、わずか1年かそこらで1.50ユーロ→1,75ユーロ→2.85ユーロというとんでもない値上げをした。しかし肝心のリスボン市民からは特に強い抗議の声は聴かれなかった。市民の利用者の大半はバス・市電・地下鉄の共通定期券を使い、定期の値上げ幅は1回の運賃の値上げ幅に比べ甚だしく大きくはない。半ば諦め気味なのだ。リスボンの市電はもはや交通機関、移動手段としてはその役割を終え、現在は楽しい下町めぐりのアトラクションとしてその存在意義を保っているのかもしれない。

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聖アントニオ祭りのシンボル、イワシをデザインした楽しい市電。夏は車内でファドコンサートも行われる。

 老婆心ながらこれからリスボンに来る方々に、市電に乗る時の心得を伝授したい。

1、十分時間に余裕を持つこと。急ぐ時にいつ来るかもいつ着くかも判らぬ市電は乗ってはいけない。市電はしばしば路上駐車の車に立ち往生させられる。営業や配送の車が得意先に立ち寄る際、レールぎりぎりに駐車している。商品の納入や伝票を書き終えるまで数分かかる。そこに市電がやってくる。駐車している方はほんの数分かもしれないが、用事があって市電に乗っている人間にとっては1分が1時間にも感じるものである。

2、老人、妊婦、身障者、赤ん坊にはサッと席を譲る。これはポルトガルで感心したことの一つである。元気な若いモンが座って譲らないとジジババ本人または周りの乗客がさっさと立てと促し、他の乗客もそうだそうだオーラを一斉に発射する。ポルトガルではどう見ても介助が必要な人がよく一人で市電やバスに乗って出かけているが、周りの人が助けてくれる伝統があるからだ。

3、停留所では順番に乗るべし。列があれば当然であるが、列がなくてもちゃんと暗黙の順番があり、誰が先に停留所に来たかはお互いに把握している。市電やバスが着いても誰もすぐに乗ろうとしないときは、先に来た人が先に乗るように順番を待っているのだ。それを無視して我先に乗り込むのはルール違反である。しかし複数の市電やバスが止まる停留所では譲り合っていると、運転士が誰も乗らないものと判断し、出発してしまう時もある。それを避けるために乗ろうとしている車両が来たら、手を水平に挙げて「乗りますよ」という意思表示をした方が良い。

4、窓から頭を出さないように。市電は窓の開閉も旧式の上下にスライドする方式で、窓から首を外に出して写真など取っていると、揺れた拍子に窓枠が落ちてきてギロチンになる可能性もなきにしもあらず。それでなくともかなり狭い道を走るので、窓から出していた肘が建物にこすってすりむけそうな場所もあるからご注意を。

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carrisの車庫には市電マニア必見の市電博物館がある。

5、痴漢はまれだがスリはいる。もうひとつポルトガルで感心したのは、痴漢という犯罪がほとんどないことだ。もちろん性犯罪はあるし痴漢も皆無ではないが、社会的な地位のある人間が盗撮するとか、満員電車で見知らぬ女性に触って懲戒免職になるとかは聞いたことがない。
 市電に乗っている間、ゴソゴソと不審な感覚を感じたらそれは痴漢ではなくスリなので絶対に我慢してはいけない。その場から離れ、或いはバッグを持ちかえるなど防御しなくてはならない。また込み合った電車に無理やり入ろうとしてすぐ出て行く三人組(男3人または女3人)はスリである。

6、5と重複するが、多額の現金を持ち歩かない。ポルトガルのATMでお金を下ろすと5ユーロ札、10ユーロ札ばかり,たまに20ユーロ札が出てくるので、ポルトガル人の財布の最も高額な紙幣は20ユーロ札だ。ほとんどの商店では大した金額でなくとも銀行のデビットカードやクレジットカードが使える。どうしても現金払いなのは八百屋や市場で野菜果物を買ったり、カフェでコーヒーを飲んだりタバコや新聞を買うとき、バスや市電に乗る時ぐらい。リスボンではちょっとした買物はVISAカードと小銭さえあれば大体間に合う。しかし、日本人観光客は手の切れるような100ユーロ札、50ユーロ札を束にして持ち歩いている。泥棒の目には日本人はお金を着て歩いているように見えているはず。くれぐれもご注意を!

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運転席の側に陣取って景色を眺めるのも楽しい。

7、したがって市電に乗る前に、盗難防止のために、またお札で運賃を払って運転士を煩わせないためにも、あらかじめ小銭または1日乗車券(2012年2月現在5,50ユーロ)を用意し、取り出しやすいところに入れておこう。財布やパスポートなどは容易に取り出せない場所にしまっておく。

 以上の忠告を頭の片隅に入れて、「快楽」行きの愉しい旅を満喫して頂きたい。市電18番「アジューダ(助けて)」や28番「ソコーロ(救援の意、マルティン・モニスの旧地名)」に乗ったら本当に助けを求める羽目になったりしませんよう。

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ポルトガルにも手先の器用な人がいる。左は金製、右は銀製の市電のペンダントトップ。CASTELOと行き先の表示やパンタグラフも付いていて、車輪はちゃんと回る。コインやチロルチョコと大きさを比べてください。


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by caldoverde | 2012-01-21 00:08 | ポルトガルの旅 | Comments(8)